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ブラッドボーン考察。メルゴー、へその緒、狩人の夢、月の魔物に連なる一連の事実確認と考察および最終的な仮説。

聖杯に潜ってたら久々にブラボ考察をしたくなったので過去の考察をブラッシュアップ。
したら全く別物になりました。
前提としてすべてが自分で考えたものではなく、いろんな考察などを見て得た知識なども交じってることをあらかじめご理解ください。
基本的に事実(確度の高い情報)を並べてそこから考えられる部分を抽出していく形をとれればなぁと思います。
本当はゴースやゲールマンなどについても書いていたのですが膨大な上に方向性が定まらなくなったので今回はばっさりと削り、へその緒、メルゴーの乳母、月の魔物に絞って考察を進めます。

またこの記事では英語テキストも参照していますが
①英語版もストーリーは同じで言語が違うだけと言う前提を持つ。
②英語版の方が正しい、ではなく、英語の方が言語の特性的にストレートな文章表現が多いと解釈している
③英語版テキストについてはこちらを参照(https://bloodborne.swiki.jp/index.php)しているが単一参照元のためこちらのテキストが原文と異なっていた場合はそちらについては全く事実と異なる考察となっている可能性がある。
④ベースは機械翻訳を行い、その上で気になる個所などをより調べたり再変換するスタイルを取っている。

という立場を取っています。



●HuntedNightmare の表示の意味について

基本的にフロムソフト考察に際して「メタ的なシステムテキストやメッセージ、ゲームシステム」は「アイテムおよびフレーバーテキストや登場人物の言説」より上位の確定情報である場合が多い。
ボス討伐時に表示されるこのメッセージは悪夢、あるいはその元凶の撃破した表示となる。(なおゲーム上の都合もあるかもしれないが元凶を撃破しても悪夢そのものは維持されている)
この表示は下記のシーンで表示される。
①メルゴーの乳母戦後、メルゴーの泣き声が止まった後
②ゴースの遺子戦後の黒い影(ゴースの赤子?)を攻撃した際
③月の魔物の撃破時
そのためメルゴー、ゴースの赤子、月の魔物がそれぞれ悪夢の元凶である可能性が高い。
なお乳母撃破時ではなくメルゴーが泣き止んだタイミングに表示が出る意図的な演出がある以上、メルゴーが悪夢の元凶とするのが演出意図的には自然だと考えらるため、本考察では悪夢の元凶は乳母ではなくメルゴーであると扱う。
ただ、悪夢の辺境からわかる通り各悪夢は立地的に接続しており、かつ悪夢の元凶と思しき存在が消滅しても悪夢自体は維持されているため(ゲーム上の都合もあるが)多少なりとも悪夢の元凶とでも言える存在についてプレイヤーが勝手に思い込んでいる情報もあると考えられる。

●メルゴーとは何か

メルゴーの乳母という名前からも乳母が見ていた赤子のことを指すと思われる。
また周辺の状況、腹を裂かれたトゥメルの女王ヤーナムの存在などからもヤーナムの赤子であることが窺える。
具体的に断定できる情報は無いものの状況証拠からも世間的な認識からもかなり確度が高い情報としてここでは扱う。

●へその緒のテキストから見るメルゴーと乳母とメンシスの関係(メルゴーテキスト)

重要な要素のため本項目をメルゴーテキストとして扱う。

メルゴーの乳母は乳母を名乗ってはいるものの基本的には他所から来て赤子を手に入れた上位者だと思われ赤子攫いに近い。
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全ての上位者は赤子を失い、そして求めている
故にこれはメルゴーとの邂逅をもたらし
それがメンシスに、出来損ないの脳みそを与えたのだ
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テキストを単純に解釈した場合このように読み替える【全ての上位者は赤子を失い、そして求めている。そのためへその緒は赤子を求める上位者である乳母とメルゴーとの邂逅をもたらし、それがメンシスに、出来損ないの脳みそを与えたのだ】という文になるかと思われる。
おそらく邂逅したのは一行目の赤子を失い求めている上位者であり、ここでは乳母を指している。
瞳を求めるメンシスがヤーナムから奪ったメルゴーを寄せ餌に乳母を呼び、メルゴーと乳母の邂逅、メンシスは乳母に「脳に瞳を求め」メンシスへ「脳に瞳を持った脳みそ」を与える、と言う流れが一般的な解釈として多く、インタビューにもある赤子を餌に上位者を呼び寄せるという発言にも一致する。
ただこの文章、英語版では下記のようになっている
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"Every Great One loses its child, and then yearns for a surrogate.
This Cord granted Mensis audience with Mergo, but resulted in the stillbirth of their brains."

このへその緒はメンシスにメルゴーとの謁見を許したが、彼らの頭脳を死産させる結果となった。
(謁見は機械翻訳、audienceは聴くニュアンスが強いため、このへその緒はメンシスをメルゴーにまみえさせその産声を聞く機会を与えたが、のような感じか)

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明確にへその緒がメンシスとメルゴーを出合わせたという文になっており邂逅の対象が明確にメンシスとなっている。
若干日本語と解釈が食い違う文体ではあるが、物語の大まかな流れとしては筋が通る形となっている。
ここでは日本語解釈も残しつつ邂逅の対象そのものはメンシスであると扱う。

●上位者の赤子とは何か(定義)

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別名「瞳のひも」としても知られる偉大なる遺物
上位者でも、赤子ばかりがこれを持ち
「へその緒」とはそれに由来している
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基本的にへその緒を持つ上位者=上位者の赤子として定義している。
へその緒を持っているアリアンナの赤子、偽ヨセフカが身ごもった赤子、トゥメルの女王ヤーナムの赤子メルゴーはそれぞれ上位者の赤子である。
へその緒を持たない上位者、星の子ら、ロマの子蜘蛛などは赤子の可能性はあるが厳密にはここでは定義上の上位者の赤子とはならない。


●上位者と眷属と赤子の再確認

多少全体の流れからそれるが、それぞれの項目の再確認となる。

作中の上位者と呼ばれるものには大まかに分類して3種類存在し
上位者
上位者(眷属)
上位者の赤子
に分けられる。

上位者はややこしいことに上位者に分類されるものを指す言葉と、全体のカテゴリ大区分を指す言葉の2種類が存在する。
上位者に分類されるのは
・アメンドーズ
・メルゴーの乳母
・月の魔物
・オドン
・メンシスの脳
・ゴース
・ゴースの遺子(赤子の可能性を否定しきれない)
・エーブリエタース(眷属
・ロマ(眷属
・星界からの使者(眷属
など、一方でシステム的な明言やテキストが無いため”思われる”としか言いようがない。
たとえば湖の横にいるウィレーム先生は上位者っぽい存在だがそれを確かめる手段は無い。


眷属は眷属ステータスを持ちゲーム的にも眷属特効が適応されることで定義されている。
後述になるがおそらく眷属と言うステータスそのものは上位者とは全く関係がなく、完全に独立した別個の要素と思われる。
(解りやすく言えばロマは上位者属性と眷属属性を持っている)
比率としてはロマを筆頭に元人間っぽいニュアンスを持つものが多く存在する一方でエーブリエタースも含まれているために確定で元人間とは言えない。
なめくじのアイコンが示すようにプルプルとした雰囲気が強い。
傾向として神秘よりの性質をもち、血液の色が白に近い物が大半(ロマのボディなど完全に統一はされていない)。
またこちらも断定こそできない物の比較的確度高めで眷属とは上位者の眷属ではなく星の眷属、宇宙の眷属である。
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英語版眷属の死血
Coldblood of inhuman kin of the cosmos,
brethren of the Great Ones.

上位者の同胞、宇宙の人ならざる眷属の死血、
(brethren、同胞、と表記されていることからも下位種族ではない)

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イズの大聖杯(トロフィー)
輝ける星の眷属たちの故郷
その封印たる「イズの大聖杯」を手にした証

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勘違いされやすいのがロマがゴースに瞳を与えられたように、眷属=上位者の下位種族、従属種族と見られやすいが実際には宇宙や星の眷属である(宇宙や星の属性を持つ)ことを示すステータスである可能性が高い。
(宇宙や星が具体的に何を指すのかは明確には解らない他、輝ける星という上位者がいるという説も聞くが)
その上でややこしいが、トロフィーでは上位者(大区分)としての分類がされており、エーブリエタース、ロマ、星界からの使者が全て上位者として表記されている。

属しているのは
・星界からの使者
・脳喰らい
・学徒
・星の子ら
・エーブリエタース
・ロマ
・子ロマ
など、メタ的なシステム属性から明言できるほか
一方でそれ以外の上位者は眷属ではないとも明言できる。

前述の内容や学徒などが眷属属性に含まれていることからも眷属≠上位者の可能性が高く、眷属そのものは上位者とは全く関係がなく
「星の眷属である上位者(上位者と眷属という二つのステータスを持つ存在)=エーブリエタース・ロマなど」と「星の眷属(眷属単体のステータスを持つ存在)=学徒、脳喰らいなど」が存在している可能性が高い。


最後に赤子。
定義としては上記の通りテキストでへその緒を持つものと定められている。
こちらも難解であり、上位者の赤子と表記されるため上位者の幼体のようにも感じられるが上位者が持たない器官を持っていたり現状失われた種であるような描写をされることから断定して赤子=上位者の幼体とは言えないような存在と言える。
属するのは
・メルゴー
・アリアンナの子
・偽フカの子
・ゴースの赤子
・幼年期の始まりの主人公(トロフィーにて明確に上位者の赤子と明記される)
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自ら上位者たる赤子となった証。人の進化は、次の幼年期に入ったのだ

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なお失敗作のみトロフィーにて明確に上位者のなりそこないと表記される



●赤子と母親の機能的な関係

アリアンナで解るが上位者の赤子とその母の間には一定の関係性があり、
赤子を殺害した場合母親も死ぬ一方で母親を殺しても赤子は死なないという関係性が存在する。(ゲーム上で実際にそうなる)
基本的には4組登場するへその緒を持つ赤子とその親全員がその関係性にあると思われる。

考察

ゲーム的な表現で少しタイムラグが存在するが女王ヤーナムが消滅したのもこの関係性によるものの可能性が存在する。

●へその緒の入手方法と赤子の死

アリアンナ、偽ヨセフカの例を参照するに基本的に赤子を殺傷して手に入れるものである可能性が高い。
少なくとも人の身ではへその緒を直接手に入れる手段は表現されていない。

考察

前例からメルゴー、また古工房の赤子もへその緒入手時に死亡している可能性が考えられる。
一方でその場合何故赤子を葬ったのに親であるヤーナムは礼をするような動きを取ったのか矛盾するような部分も見られる。
赤子は眠っただけと言う説もあるが少なくともhuntedと表記されている以上メルゴーは何らかの形で討たれているとここでは解釈する。
少なくともヤーナムは主人公にポジティブな感情を向けていて、それがヤーナムがへその緒をドロップする何らかの無力化状態と両立している。

●上位者の赤子の生まれ方

基本的には確度の高い情報とその傾向から穢れた血× 上位者の交わりと考えられている。
そして穢れた血とは基本的にはトゥメル遺跡→ビルゲンワース→カインハーストと来ているため穢れた血≒女王ヤーナムの血(トゥメルの血)という可能性が高い。
つまりヤーナムの血 × 上位者の交わり、あるいはそれに類する関係性に依存するものであると言う可能性が高め。
また具体的な明言はされていないが、逆説的にビルゲンワースは女王ヤーナムを傷つけるなり血を奪う行為を行っている可能性が高い。

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全ての上位者は赤子を失い、そして求めている
姿なき上位者オドンもまた、その例外ではなく
穢れた血が、神秘的な交わりをもたらしたのだろう

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「かつてビルゲンワースの学び舎に裏切り者があり 禁断の血を、カインハーストの城に持ちかえった そこで、人ならぬ穢れた血族が生まれたのです」

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それぞれを見ると
・女王ヤーナム × 上位者(不明、厳密には不明だがトゥメルイルにも存在があるオドンである可能性は十分存在する)

・アリアンナ(血族の末裔) × 上位者オドン(オドン教会のシチュエーション、同じ場所に居たアデーラもオドンの蠢きを落とすため)

・偽ヨセフカ(今度は、古い血を試すつもりと言うセリフを言っている) × 上位者オドン(秘匿が破られる前は偽フカはオドンの蠢きを落とす)

●古工房のへその緒の親

考察

①親は古工房にかかわりのある人物である
②親は血族の要素を持つ人物である。(赤子の生まれ方より)
③親は遺骨が落ちているゲールマンの弟子である古狩人の可能性がある。
④古工房にはマリアを模した人形が打ち捨てられている
⑤親は女性である

上記の条件から考えると断定はできないものの時計塔のマリアである可能性が高いと考えられる。(上位者は不明)
また現実世界にへその緒が落ちているためマリアは本編時間軸では赤子の死亡により死んでいると思われる。
断言こそできない考察ではあるがここではこの考察を確度を高めに扱う。

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古い狩人の遺骨。その名は知られていない
その狩人は、老ゲールマンの弟子であったと言われ
初期狩人の独特の業「加速」の使い手でもあった
その遺骨、遺志から古い業を引き出すとは
夢に依って遺志を継ぐ、狩人たちに相応しいものだろう
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(ただ実は英語版ではこの遺骨は彼の遺骨と書かれているため少なくとも骨の持ち主に関しては本当に無名のゲールマンの弟子でありマリアではない別人の可能性も高く多少ノイズになる)

●メルゴーテキストとの比較から見る上位者の赤子「青ざめた月」と「上位者A」


前提としてトロフィーの文章から狩人の夢が生まれた場所はまさしく捨てられた古工房である事は確定できる。

考察

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全ての上位者は赤子を失い、そして求めている
故にこれは青ざめた月との邂逅をもたらし
それが狩人と、狩人の夢のはじまりとなったのだ

The Third Umbilical Cord precipitated the encounter with the pale moon,
which beckoned the hunters and conceived the hunter's dream.

第三のへその緒が淡い月との出会いを促した、
狩人たちを手招きし、狩人の夢を実現させた


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上位者狩り。上位者狩り
ローレンスたちの月の魔物。「青ざめた血」
三本の三本目

The nameless moon presence beckoned by Laurence and his associates. 
ローレンスとその仲間が手招きした名もなき月の存在

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古工房のへその緒のテキストには青ざめた月という言葉が登場する。
青ざめた血は作中言及が多々あるが、青ざめた月に関する言及は少ない。
某インタビューはあまり参考とすべきではないが、青ざめた血≒月の魔物はほぼそれであり、そこに近い部分に青ざめた月が存在すると考えられる。
一方で明確な表記分けがされているため青ざめた血≠青ざめた月であると思われる。

この文章はおそらく意図的に上記のメルゴーテキストと記述スタイルが完全に一致しており(ただし日本語版に限定される)、メルゴーの文章の背景が理解できれば同じ解釈でこちらの文も内容を把握できると考えられる。
英語版も併せて解釈し、邂逅対象をメンシスに該当するローレンスとその仲間にすると
【全ての上位者は赤子を失い、そして求めている、そのためへその緒はローレンス達と青ざめた月との邂逅をもたらし、それが狩人と狩人の夢の始まりとなったのだ】

このような文章になると思われる。
赤子を示していたメルゴーの部分に青ざめた月の文言が当てはまるため、つまりこの青ざめた月というのはメルゴーやアリアンナたちの赤子と並列した三本目を持っていた上位者の赤子である可能性がかなり高くなる。

ただこの文章はメルゴーテキスト、アリアンナのへその緒のテキストと違う部分があり、このままでは前後のつながりが正しくならない。
偽ヨセフカの物以外には4行目に必ず「全ての上位者は赤子を失い、そして求めている」の一文が入っている。
メルゴーテキストの場合はそこに乳母がおり、アリアンナの赤子の場合はそこにオドンがいて赤子を求めているが、古工房の場合文章はこのままでは赤子を求める上位者が噛んでいないため4行目の文が全く意味のない物になっている。
偽ヨセフカの物はウィレームがへその緒を求めていたことを示唆する文のためそこに上記の一文は無い。
偽フカのテキストが例外的になっていることからも古工房のへその緒は何らかの上位者に言及したテキストである事が窺える。

逆を言うのであれば青ざめた月と狩人たちの邂逅とその後の狩り夢を作り上げた過程に何らかの上位者が絡んでいる可能性が高いというのが正しい文章の意味となる。
日本語テキストの通りに解釈するのであれば
【全ての上位者は赤子を失い、そして求めている、そのためへその緒は赤子を求める上位者Aと青ざめた月との邂逅をもたらし、それが狩人と狩人の夢の始まりとなったのだ】

と言った意味が含まれていることが考えられる。


●狩人はいつ始まった?

考察

補足的な考察になるが青ざめた月のテキストでは狩人と狩人の夢のはじまりと言われているがそこにかかわっていると思われるゲールマン、マリアはいずれもその時点で既に狩人でありこの時点で狩人が生まれたという文章は一定程度内容を省略なりした文章と思われる。
英語版にもその記述はなくおそらくは夢を見る狩人の誕生程度の意味合いであり、狩人と言う存在の誕生と言う意味ではなく、考察に大きく意味を成す文では無いと思われる。


●上位者Aとは

考察

前提として考察を下地に行う考察となるため注意が必要。

消去法に近いが結論から言えばそのような存在がいるとすれば月の魔物だと思われる、具体的な出来事は解らないが、三本目のへその緒が狩人と赤子の出会いを促し、おびき寄せ結果的に狩人の夢を作り上げることになったと想像できる。
少なくともHuntedNightmareの表記から狩人の夢の元凶は月の魔物であり作り上げたのだとすればそれは月の魔物以外の何者でもない。

ビルゲンワースのメモ英語版では比較的明瞭にローレンスとその仲間が月の魔物を手招いたと表記されており、そのままの意味で解釈するのであれば、
へその緒が狩人たちを引き寄せ、招かれた狩人(ローレンスたち)が赤子を寄せ餌として月の魔物を招き、最終的に月の魔物が狩人の夢を作り上げたと考えられる。

メルゴーテキストと文章構成が一緒のため、そこに関係する事物もそれぞれ一致していると考えられる。

メルゴー = 青ざめた月 = 赤子
メンシス = ローレンスたち = 赤子を寄せ餌に上位者を招いた者
出来損ないの脳みそ(脳に瞳) = 狩人の夢 = 招いた上位者に願い得たもの
メルゴーの乳母 = 月の魔物 = 4行目の赤子を求めている上位者


●青ざめた月は死んでいる?物語の整理と複数の違和感

考察

前提として考察を下地に行う考察となるため注意が必要。

へその緒の入手方法から基本的にへその緒を落としている赤子は何らかの無力化状態にあると考えている。
そのため古工房の赤子もすでに死んでいる可能性が高い。
ただこれは出ている情報と比較すると少し違和感がある情報となる。
具体的な事柄は解らないなりに青ざめた月テキスト周辺から解る物語をまとめる。

①時計塔のマリア何らかのきっかけにより青ざめた月を身ごもる
②ローレンスたちがそれを上位者の寄せ餌とすべく近づく
③青ざめた月を寄せ餌に月の魔物がローレンスたちのもとへ現れる
④前後関係は不明だがローレンスたちは狩人の夢を手に入れて、月の魔物は青ざめた月を手に入れる。
⑤なんらかの理由により青ざめた月が死亡する
⑥連動して時計塔のマリアも死亡する
(④~⑤の前後のタイミングでゲールマンは狩人の夢に捕らわれる。)
⑦ゲールマンが倒れた後、月の魔物はゲールマンの代用として主人公を使用する。

かなり考察を前提とした考察を重ねているので真実と大きく異なっている可能性もあるのは承知いただきたい。
シンプルに考えるのであれば本編のように何者かが赤子を狩ったようにも見えるが、そのような人物は現状思い当たらない、少なくともへその緒がある=赤子が死亡しているという前提に立つのであれば何故か⑤の段階で青ざめた月が死亡する状態に至っている。
そしてもう一つの違和感として月の魔物はおそらくはローレンスたちが望み、生み出したと思われる狩人の夢を主導的に運営している。
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トロフィー 遺志を継ぐ者
月の魔物に魅入られ、狩人の夢を守り続ける者の証

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ここで言う”遺”志とは亡きゲールマンの物であるが、ゲーム中の行動を鑑みてもゲールマンの代用を用意する月の魔物は不思議なことに自らの意志で狩人の夢を守っている。
本来であるならば赤子を求める上位者がなぜこのような行動を取っているのか。

●月の魔物について解っている事

現状把握できている月の魔物について解っていることを列挙する。
①:別名青ざめた血
②:狩人の夢の悪夢の元凶と思われる
③:ゲールマンが倒れると主人公をその代用として魅入る
④:戦闘に若干特徴がある
⑤:3本目のへその緒が3本あると魅入るのを辞め(あるいは防がれ)戦闘となる
⑥:ローレンスたちが呼び出している
⑦:意図的に狩人の夢を維持している
⑧:狩人の夢をローレンスたちに与えていると思われる(考察
⑨:赤子を得て、赤子を失っていると思われる(考察

●仮説:主人公は青ざめた月になった

現状、古工房、へその緒、月の魔物を一筆書きにした考察として一つの仮説に行きついているが、それを補強する具体的なテキストが存在しておらず、創作の域を越えないため最後に別個で記述し本考察の締めとしたい。

幼年期の始まりにおいて主人公は上位者の赤子になるが、これが青ざめた月になったと仮定すると全体的な都合が良くなる。
弱いなりな根拠を列挙する。

①:本考察内容に準拠すれば月の魔物は赤子を手に入れるため狩人の夢を意図的に維持していた。

上位者の行動は基本的には赤子の獲得に帰結する(少なくともテキストでピックアップされている可能性の高いメルゴーの乳母、月の魔物、オドンは可能性が高い)
そのため狩り夢の維持も赤子の獲得に必要であったと考えられる。
獣狩りの夜を意図的に続け、3本目のへその緒を3本集める狩人を待っていたと取れなくもない。


②:本考察内容に準拠すれば月の魔物は手に入れた青ざめた月を失っている

月の魔物は3本目のへその緒を3本持った主人公を見て上位者にするべく血を与える、といった類の考察は見るものの全体的に月の魔物がなぜそのようにするのか明瞭な動機付けが取りにくい。さっさと新しい赤子を探せばよく、見ず知らずの赤子を作るために自分が死ぬ意味はない。
一方で失った自らの赤子を手に入れる手段があるのであれば若干人間的ではあるが、月の魔物が自らの死を選択する可能性は十分にあると感じる。

③:月の魔物は戦闘時妙に弱く、リゲインを促し、輸血液を拒む動きをする

リゲインが何かについては極端に資料が少なく真っ赤な血晶石にその記述があるのみ。(血を吸っている、血を浴びて回復しているという情報はおそらく本編中にはない)
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リゲインはもっと狩人らしいスキルの1つであり
死闘の後、なお一人立つ狩人の象徴でもある
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強いて解釈するのであればこの戦いの後に立つのは月の魔物ではなく狩人であるという事を強く明示し負けるために戦っていると取ることは出来る。
(月の魔物の本来の戦い方がそうであるだけで、メタ的な演出として勝者を暗示しているだけの可能性もある)

④:3本目を3本使っただけでは主人公は上位者にはならず、月の魔物との戦闘を挟む必要がある。

つまり月の魔物との戦いが何らかの意味を持つ、アイテムなどの取得物は無く、月の魔物は負けるために戦っているとするのであればそれは月の魔物の血の遺志ではないか?


⑤:人形は血の遺志を力に変えることが出来る

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はじめまして。狩人様
私は人形。この夢で、あなたのお世話をするものです
狩人様。血の遺志を求めてください
私がそれを、普く遺志を、あなたの力といたしましょう
獣を狩り…そして何よりも、あなたの意志のために
どうか私をお使いください
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人形は遺志を力にできる、血の遺志が具体的になんであるのかの明言は無いが、少なくとも何らかの遺志に値するものと思われる、そして「あなたの意志」は三つのへその緒を使い上位者になることを目指す。
ともすれば全ての意志が主人公を上位者にすることを目指し、人形はそれを力にすることができる。



⑥:ゲームの最後に赤子を手にするのがマリアの似姿である人形である。

多くの人々が脳に瞳を求めて、多くの上位者がその赤子を求めて本当に血みどろの歴史を歩み続けてきた本作において、最終エンディングの最後に赤子を得た人物が人形であるというのは何らかの強い意図や暗示を感じさせると考えていた。
本考察においてはマリアの似姿である人形が、マリアの赤子である可能性の高い青ざめた月を抱くという非常に意味のある絵で物語は閉じられる。


⑦:単純にちょっとあのイカの見た目が青ざめた月と言われるとそれっぽい。
人形ちゃんもお寒いでしょって言うし、間違いなく青ざめてる。
フロムソフトウェアは真顔でふざけたことをする企業である。
ジョークは置いて、青ざめた月が赤子である場合メルゴーと異なり異名的な扱いと思われるので、ローレンスなどがその外見になぞらえて青ざめた月と名付けてもそこには全くの違和感はない。(ただ本編には三日月のようなものはおそらく登場はしていない、月と名付けるのなら丸いような気もするが、月の赤子なのでそれもあり得るのかもしれない)
一応、青ざめた血の空のように、本編でも実際に青ざめたという語句を青ざめたものに対して用いる前例は存在する。



以上となります。
ご精読有難うございました。

ブラボ考察はやはり楽しいです。

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