【小春の着付教室】第39号●長襦袢:衣紋と衿合わせ
こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。
前回の続きです。
更に掘り下げてお伝えいたしますね(^_-)-☆
衣紋の抜き加減
衣紋の抜き加減は、こぶしひとつ分くらいが目安です。正統派の着付け学院ではこのようにご指導頂くと思います(*^^*)
ヘアースタイルによっては、もう少し抜いた方がいい場合もありますね。
「こぶしひとつ分」はおおよそです。
初めの頃は、このこぶしひとつ分抜くのも一苦労ですね。着上がりに、どうしても詰まってしまう方は、長襦袢の時から少し多めに衣紋を抜いておきましょう。
詰まってしまうであろう衣紋分を、予め余分に抜いておくのです(*^^*)
前回お伝え致しました衿合わせの時の作業を上手に出来るようになりますと、普通の抜き加減で大丈夫。その日のコーディネートや気分によってなど自由自在に抜きを決められるようになります。
必ず!そうなります(*^^*)
衣紋を多めに抜く場合には、肌襦袢もそのように着用しましょう。
そうしませんと、肌着が見えてしまいますのでね。
衿を倒す
衿合わせの時に出来るだけ衿を寝かせるように衿合わせをしましょう。
耳たぶの下で、衿が立っていますと窮屈になりますし、首が短い着物姿となってしまいます。
衿が立っていると、顔にあたりファンデーションや皮脂がついてしまいますね。着物の掛け衿に汚れをつけないように気をつけたいですものね。
「衿を寝かす」「衿を倒す」
ちょっとだけでも意識してみてくださいね。
今までと違った衿合わせが出来るようになります(*^^*)
半衿の合わせ角度
振袖着付けの時は、合わせる衿の角度が90°とされています。
直角ですね。
その角度は年齢とともに変化します。
ゆったりとした衿元、ご年配の方の着慣れた着物姿はとても素敵ですよね。
大切なのは角度のことであって、首がたっぷり見えるほど開けた衿合わせということではありません。
普段着物と礼装では着方、衿合わせも違いますが、首を見せすぎるのはいずれもだらしなく感じます。その辺を注意しながら合わせを決めたいですね。
ご自分では、粋に!ゆったりした着付け!にしたつもりでも、周囲からしてみると、単にだらしないだけの衿元・・・との印象を持たれているかもしれません(汗)
そうならないよう、「ゆったり」なのか「だらしない」のか、よく確認してみると良いですね。
写真を撮ってみますとよく分かります。ご自身で判断がつかないようでしたら、着付けの先生やお着物友達に比較していただくと良いですね。第三者の目は確かです(*^^*)
衿を決めたら
左右の衿が決まったら、紐や伊達締めをかけますね。その際、衿元を片手で押さえ、紐や伊達締めをもう片方の手で取りますが、その時手に取る物の方に気を取られ、決めた衿を抑えている手への意識がおろそかになってしまいがちです。せっかく決めた衿元ですから、動かないようにしっかりと押さえていましょう。
そして、紐や伊達締めを手に取るときは、紐や伊達締めの中心を手にします。準備の際には中心を取れるように畳んで置いておきます。
中心をすぐに手に出来れば、その中心を胸元に当てることが出来ますので、衿元を動かすことはありません。すぐに次の作業へ進めますものね。
ここでも準備の大切さをご理解頂けると思います。
紐・伊達締めの掛け方
紐や伊達締めの締め方、結び方によっては非常に苦しくなってしまいますね。これを回避しなくては、楽しく過ごせません。
紐の掛け方にコツがありまして、前から後ろへ持って行く時と後ろから前に戻す時、それぞれ加減が違います。
衿元を押さえたいのですから、前をしっかり掛けなくてはなりませんね。ですから、前から後ろへ持って行く際、ずれないようにしっかりと押さえながら行います。
後ろで交差させたら、ここでひと締め。そのまま力を緩めない状態を保ちつつ前に戻し、からげるまたは結ぶなどの処理をします。
前に戻したら、ここでもうひと締めはしません。
ここで、もうひと締めをしてしまうと苦しくなってしまうのです。
前から後ろへ持って行った際にしっかりとフィットさせているのですから、戻す紐は緩まない状態を保つことが出来ていれば充分なのです。
それなのにさらに力を加えてしまっては、結び目部分だけ特に窮屈になるわけですから、胸が苦しくなるのは当然です。
後ろから前に戻す時に力を緩めないのが大きなポイントです。緩めてしまっては意味がありません。結局、不安になってしまうため前で締めざるを得ないことになります。
微妙な力の入れ加減、移動、流れです。難しいと思いますが、ご自分の体でこれらの変化を感じ取ってみてくださいね。
他装も一緒です。
まずはご自分の体で、その感覚を充分に理解しましょう。
おわりに
着付けポイントに入り、だんだんと面白くなって来ている頃でしょうか(*^^*)
練習の回数を増やしながら、ご自分で
「こうしたらどうかしら?」
「やはり、ああした方が良いわね♪」
「でも、こんな方法もあり!?意外と良いじゃない(^^)」
など、あれこれ方法を模索してみましょう。
きっと、何か閃きます。
今までに誰も行ったことのない方法が見つかるかもしれません。
冗談ではなく本当ですよ。
だってね、紐の掛け方ひとつにしても、着付師によって違いがあると思います。指使いにしてもね。
基本はひとつですが、方法は沢山あるのです(^_-)-☆
ぜひ、ご自分の方法を見つけてくださいね。
そして、良い方法がありましたら、私にこっそり(笑)教えてくださいね。楽しみにしています。
■次回予告
*長襦袢:背中の処理
※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。
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