【小春の着付教室】第44号●着物:はじめに
こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。
前回で、着物姿を美しくする為に必要な下準備の「肌着」と「長襦袢」まで終了しましたね。いかがでしたでしょうか?
特に衣紋に関しては、お悩みだった方は何かしらの改善がされましたでしょうか?まだの方は、もう少しご自分で研究されてみてくださいね。必ずできるようになりますから(*^^*)
今回から見える着物部分に入ります。着方の善し悪しが、そのまま誰の目にも分かる部分ですね。美しく見せる(魅せる)着付けポイント満載でお伝えいたしますので、楽しく読み進めて頂けましたら幸いです。
着物の準備
まずは、練習するにあたり着物の準備が必要ですね。普段、どのようなお着物で練習されていますか?
練習の着物と言いますと、ポリエステルのプレタを用意するわ~と、このような方も多くいらっしゃると思います。
まずはお家の箪笥を開けてみましょう!一枚や二枚、着物が入っているのではないでしょうか?
運の良いことにお家にあれば、まずはその着物で練習しましょう!
わざわざ購入する必要は無いのですが、「正絹で練習なんてもったいないじゃな~い」と思う方もいらっしゃるでしょうね。
確かにお気持ちは理解できます。
でもね、その大切に仕舞われているそのお着物は
・一体いつ着るの?
・この先着ることはあるの?
・誰が着るの?
・本当に着るの?
・たとう紙を開けたのは何年前?
あまりにも大切に扱いすぎてお袖を通してあげる日がやってこないのではないでしょうか?
その方が勿体ないのではないでしょうか?
わざわざ、ポリエステルのプレタを購入する必要は無いのです!
お手持ちの着物がある方は、ぜひ眠っている着物に袖を通してあげてください(*^^*)
着物が喜びますわ~!
ポリエステルの着物
練習用に安価で販売されているプレタ着物。
お稽古用として着付け学院でも販売していますね。
先程お手持ちの着物がある方はご自分の着物での練習をお勧めいたしましたが、勿体ないからだけではなく他にも理由があるのです。
ポリエステルの着物と正絹の着物では素材の違いがありますね。
やはり正絹の方が、着やすいです。体につく感じがとてもやわらかく、しなやかです。
逆にポリエステルはとっても滑ります。そして正絹に比べますとゴワゴワ、ガサガサとした質感です。
練習をスタートしたばかりの着付け初心者さんには、着にくい着物では練習に苦労されます。
初めは扱いやすいもの、徐々に様々な生地質に触れるのが上達も早くなります。
お家に着物がなく、着付けを習い始める方は、ポリエステルの着物を購入せざる得ないかもしれませんね。
その際は寸法には充分注意して、お決めになってくださいね。
また、出費は大きくなってしまうかもしれませんが、ポリエステルでも上質の着物地をお買い求めになっておくと、「練習」だけで終わらず、その後もずっとお召しになれます。
また、プレタではなくご自分サイズで作れるのでしたら、なお良いですね(*^^)v
私はポリエステルの着物も大好きです。東レシルックの反物で誂えた着物は多く持っています。生地質は正絹に近く上質ですので普段着物として着用しています。
日常着として汚れを気にせず着られますし、雨の日も汚れを気にすることがありませんので躊躇することなく着物でお出掛けできます。
汚れても洗濯機で洗えるため着物のお手入れがとても楽です。
このような上質のポリエステル生地でしたらお勧めいたしますが、練習用の仕立て上りのポリエステル着物は、初めての方にとりましてはとても扱いにくい素材のためお勧めできません。
この点ご承知の上と知らずに練習に入るのでは大変さの不満が違いますね。
着付けが難しいと思ってしまいます。着付けの難しさは扱う着物にもよっても違います。ちょっとだけ覚えておくと、購入の際に覚悟(笑)できます。
紬(織の着物)
「練習は扱いやすい着物で」と書きましたが、出来れば紬(織の着物)での
練習は避けましょう。
何故って?
あまりにも扱いやすいのです。
滑らないのです。滑りにくいのですね。
ですから、ホントとても着やすいのです。
この着やすい着物ばかりに慣れてしまうと、いざ!お出かけの際、染めの着物を着る時には思うように進められません。染の着物のしなやかさは織の着物と全くは異なりますのでとてもとても苦労します。
染めの着物(やわらかい着物)での練習をされた後、織の着物を着てみてくださいね。
「今日の私ってとっても上手!」と思えますから(笑)
躾糸(しつけいと)
まだお袖を通したことのない着物を練習にお使いになる生徒さんも多くいらっしゃいます。着付けを習い始めて良かったですね。着物が嬉しそう!!
そう感じます(^_-)-☆
目につくのがしつけ糸がついたままの着物での練習です。
そのままでも問題はありませんが、出来ればしつけ糸は初めて袖を通す前日には外しておきたいですね。
しつけ糸がついたままですと、しつけ糸に引っかかったりしまして手間取ることはよく目にします(汗)
着物でのお出かけの前日にはしつけ糸を外し着物ハンガーに掛けておきますでしょう。練習の時も同じように準備しておきますとスムーズです。
練習中にしつけ糸が指に引っ掛かって・・・を繰り返しますと、そのうち着物はひどい状態になってしまうのですもの(涙)
新しい着物ですのにしつけ糸はあちらこちら切れてしまった無残な状態は悲しくなってしまいます。
練習した着物
練習に着用すると結構な汗をかきますので、練習後は着物ハンガーに掛けておきましょう。しっかりと汗抜きをします。
次回練習まで着物ハンガーに掛けたまま・・・ということがないようにご注意くださいませね。半日から1日程過ぎましたら畳んでしまいます。
ハンガーに掛けたままにしておきますと、窓から入る日差しや蛍光灯で焼けて(色褪せて)しまうこともあります。
どうしてもすぐに仕舞えないときは、日差しの当たらない場所へ、袖山・肩山に手拭いなど掛けておき蛍光灯からも守りましょう。
おわりに
これから、着物についてお伝えした参ります。
今までお伝えしてきた「肌着」や「長襦袢」についてとっても長かったですよね。着物はもっともっと、長くなるでしょう。
楽しみにされている方もいらっしゃるでしょうし、着付けのポイントだけを知りたいから早く進めて!と思う方もいらっしゃるでしょう。
着付けだけ上手になりたい気持ちも分かりますが、いろんなことを知っておかれた方が、更に着付けが上手になることは間違いないのです。
ですから、あえて深く掘り下げてお伝えして参ります。
長くお付き合い頂けましたら嬉しく思います(*^^*)
それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
■次回予告
*「染の着物」と「織の着物」
※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。
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