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【小春の着付教室】第45号●「染の着物」と「織の着物」

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

染(そめ)の着物と織(おり)の着物

染の着物と織の着物では、風合いが違いますね。
それぞれの詳細については専門家にお任せさせて頂きまして、着付けにつながる内容をお伝え致します。

染と織について詳しく学ばれたい方は、インターネットで検索してみてくださいね!沢山ヒットします。
専門的なことが多く書かれていますと眠たくなってしまうかもしれませんが、おおよそどのような違いがあるのかを専門家による解説で理解を深めて頂くと呉服展示会などに足を運ばれ実際に手にされたとき、その学びをより深めることが出来楽しくなって参ります(*^^*)

前回、織の着物ではなく、染の着物での練習をお勧めしました。

染の着物と織の着物では風合いが違うため、着付けの流れ、着上がり、そして着用目的のTPOにも違いが出てきます。

※TPOとは・・・Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場面)

染の着物はやわらかさがありますので決めにくく、すぐに下がってきてしまいます。腰紐をかけるまで気を抜けませんね!手際よく進めなければなりません。

それに比べ、織の着物はハリがありますので、下がってくる心配はありません。裾を決める際も大変決めやすいため、どちらかというと「紬の方(染の着物)が好きだわ~!着付けやすいもの♪」と思っている方は多いと思います。
そして、織の着物は着ていてとても楽なのです。

ですから、練習には避けた方が良いのです(*^^*)
織の着物はすぐに簡単に着付けられるようになりますが、染の着物がいつまで経っても美しく着られないのでは話になりませんでしょう?

織の着物は主に普段着となりますので、改まったお席に着ることはありません。どんなに高価な着物でもです。
お洋服で言いますと、どんなに高価なGパンであっても結婚式には NGですよね(汗)
それと一緒です。
染の着物の方が着用範囲が広いため、染の着物を上手に着られるようにする必要がある、そのような方が多いと思います。

紬の訪問着

紬の訪問着(*^^*)
ステキですよね~!
私も過去に欲しい!!!と思った素敵な大島の訪問着がありました。
確か300万円位だったと記憶しています。
私にはとてもとても買えませんでした(涙)

呉服屋さんは「大丈夫ですよ!普通の訪問着として着られますから」と仰いますが、いえいえ無理です!
これから先、数年後には常識、TPOも変わり紬の訪問着でもOK!という時代が来るかもしれませんが、まだ受け入れられていないのが現状です。

ええ。もちろん訪問着ですからね。呉服屋さんが言いたいことも分かりますわ。

でもね、Gパン生地で、スーツを作ったとしても、それを改まったお席には着て行かれないでしょう。これは皆様が、常識としてとらえているからなのですね。

この内容をメルマガで配信していた2009年頃はまだ誕生していませんでしたが、現在ではデニムの着物は小紋として一般的になってきました。
デニムやレースなど普段のお洒落着物とし目を引きます。多くの着物好きな方は興味を持たれますよね。

着物の世界も進化しながら今日を迎えていますが、現在でも着物の世界は敷居が高い!と感じる方は多くいらっしゃいます。着物の世界の常識を昔のまま理解されている方は多いです。
また専門家の意見はそれが全てと受け取られる方も多く、呉服屋さんが「大丈夫」と仰れば「大丈夫なのね!」と思ってしまいます。

それで「結婚式にも着て行かれるのなら!」と紬の訪問着を購入され、実際に結婚式場に紬の訪問着を着て行った場合に周囲の方がどう受け取るでしょうか。ここが問題なのです!

「このようなお祝いの席に何で紬(普段着物の素材)なの?」

そう思われてしまったら・・・。
紬の訪問着をお召の方が非常識!と受け取られてしまいます。それはお気の毒ですよね(涙)

価格はとてもとても高価です。
でも、あくまでもお洒落の楽しみなのです。
周囲に不快な思いを与えてまでお召しになるものなのかと、そう思います。

どのような集まりなのかを考えて紬の訪問着をお召になるということが大切です。
せっかくの紬の訪問着、ステキね~と、お褒め頂ける場に着て行きたいですものね。

雨の日には!

雨の日のお出かけ、着物選びにも困りますね。
染の着物と織の着物、どちらに致しましょう。

雨の日には紬が向いています。染の着物は雨に弱いため、出来れば避けたい着物です。
縮緬(ちりめん)素材は撚り(より)をかけてシボを出していますので、湿気や水分を含むと生地は縮んでしまいます。

染の着物で雨の影響を受けにくいのは綸子(りんず)です。有り難いことに訪問着に綸子は多いですよね。

普段着物でお出かけの日でしたら、雨ならば織の着物への変更もできますが、慶事のための着物の場合は織の着物への変更は出来ません。そのような場合には、縮緬を避け綸子にされる方が雨による悪影響は少なくて済みます。
紬で出かけたいけれど、今日は染の着物で行かないと先様に失礼ですもの・・・という日もありますものね。上手に選びましょうね。

着物のお仕立ての際に、雨や汚れを弾くガード加工をお願いすると、雨の日も安心してお出かけできます。誂える着物によってはガード加工はお勧めです。私の手持ちの着物には「スコッチガード加工」をして誂えた着物が多いです。
着物の風合いが損なわれると言われていた大昔の加工とは違います。ガード加工しても風合いは変わりませんので、安心してお願いしてくださいね。
面白いほど水滴を弾いてくれます(*^^*)

着物を選ぶ

染の着物と織の着物、どちらを着ようかと迷うこともあるでしょう。
もちろんご自分が着たい方を選べばいいことですが、一緒にお出かけの方のことや、先様のことを少しだけ考えてみましょう。

お仲間の集まりなどでしたら、深く考えることもないでしょう。気心は知れていますしね(*^^*)
しかし、何か特別な場合に着物を着用される際は、慎重に着物を決めたいですね。日本人ならではの「周囲に合わせる」ことが必要となる場合もあります。

特別の時は、染の着物で考えましょう!
その方が、間違いないですから(*^^*)

おわりに

私が着付けを習い始めの頃、練習に使用したのは正絹の染の着物でした。
特に着にくさを感じることはありませんでした。

それから数年後に紬の着物を購入しました。その時の感想は「紬って、なんて着やすいのでしょう!」と、大変驚きました。

大島や結城などの高価なものだけでなく、普通の紬も大好きです。
もちろん、染の着物も大好き。絹の光沢やしなやかさ、纏っていて幸せな気持ちにしてくれます。
染の着物と織の着物、私には特にこだわりはない感じですが、皆様はいかがでしょうか?

箪笥の中をちょっと覗いてみてくださいね。
もしかしたら、忘れていた着物が入っているかもしれません。
染の着物と織の着物、どちらかのみお好みでしたら、興味のない方の着物もぜひ袖を通してみてくださいませ。意識が変わりましたら嬉しく思います。

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*正絹と化繊

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ


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