【小春の着付教室】第9号●肌着:衣紋
こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。
前回で肌着の着付け小物の説明が終了しました。
今日からしばらく肌着の着付ポイントとなります。
どうぞ、お付き合いくださいませ。
肌襦袢の衣紋
ひと通り着物を着ることが出来るようになると誰もが最初に躓く「衣紋|《えもん》」。
衣紋の抜き加減が確実に固定された着物姿は美しいものですが、難しいですね。
初めから上手に決められる人はいませんので、「私って、何度練習しても上手に抜けない!」と思わないでくださいね。私も初めはできませんでしたから(*^^)
皆さん一緒です。
肌襦袢の衣紋きめはとても重要です。長襦袢と着物の衣紋が綺麗に抜けるようになったとしても、肌襦袢の衣紋が抜けていなかったら、ええ、肌着が見えてしまいます。これはとても恥ずかしいです。
お背の低い方は特にです。(汗)
抜くことの出来なかった衣紋から見えている肌着を周囲の方にさりげなく覗き見されてしまいますから気をつけたいですね。
肌着の衣紋はどのくらい抜くの?
基本はこぶし一つ分の衣紋を抜きます。正統派の着付けは抜きす品を保って決めます。
これ以上抜くと色っぽい(?)、粋に思うかもしれませんが、いえいえ!
コーディネートによってはイマイチ!!
衣紋は抜き過ぎても美しくはないのですね。
多めに抜きたい場合には、着物の仕立ての繰り越し(くりこし)を多めに仕立てます。そうすることで着物寸法合わせた美しい衣紋となり、バランスの取れた美しい着物姿となります。
ここでは繰り越しのことは考えず、首にくっつかない衣紋の決め方のみ考えますが、なかなか思うように抜き加減を決められないものです。
詰まらせない衣紋にするためには
自由に、お好みの衣紋を決められるようになるまでは、衣紋は多めに決めておくと良いです。
長襦袢、着物の着付けへと進んでいくうちに、何故か衣紋が詰まってきてしまうのです。多めに抜いた衣紋を着上がりまで保てることはとても難しいのです。
頑張ったのに、着上がり時に衣紋は詰まってしまう・・・。
ですから多めに抜いておけば詰まってしまっても程よい衣紋を保てます。
こぶし一つ半くらい抜いておきましょう。抜きすぎ?と感じるくらいでも大丈夫です。
慣れてきましたら、希望の衣紋にして進めても着上がりに詰まってしまうことはなくなります。
肌着は特に多めに抜いておけば、衣紋から肌襦袢が見えてしまうことを防げますものね。ココ重要です(*^^*)
そのうち必ず、少しずつではありますが思うように抜けるようになってきます。
ご自分で加減できるようになったら、ちょうど良いこぶし一つ、またはもう少し多めなど、お好みで抜くように調整致しましょうね。季節やコーディネートによって自由に変化を楽しむことが出来ます。
肌襦袢の細衿に衿芯
着付学院によっては、この細衿に衿芯を入れることがあります。長襦袢用の衿芯ではなく、肌襦袢用の衿芯です。
細衿芯を肌襦袢に入れることでしっかりと衿が立ちますから、細衿が見えることがありません。綺麗な状態を保ってくれます。
また長襦袢の衣紋(衿)をしっかり支えてくれますので安定感があります。
しかしこのような肌襦袢をお持ちの方は少数でしょう。細衿の衿芯に頼らなくても大丈夫なように、ご自分で調整できるまでになりましょう!
肌襦袢の細衿は見せる?見せない?
肌襦袢の細衿、これは商品によって細衿の幅が違いますね。少し広めの肌襦袢もありますし、細めもあります。
細衿のお色があるものと、白の細衿などメーカーによっても様々です。
細衿は見せる派でしょうか?見せない派でしょうか?
着付学院によっても違ってきますし、どちらが正しいということはないものです。どちらでも大丈夫!間違いではないのですから、ご安心くださいね。
細衿を見せる着付けの場合は、見せるのは細衿だけです。身頃の生地が見えるのは、やはりよろしくありません。
注意した方が良いと思う点は、細衿を見せる場合、細衿の幅が均等に見えるように着付けることです。見えている部分と見えていない部分があっては、これもちょっと変ですよね。美しくありません。
そうならないよう、細衿は左右対称に綺麗に整えて着る必要があります。肌着だから適当に!ではよろしくありません。着上がりに影響してしまいます。
見せない場合も同じですね。一部分だけ見えてしまっていては、「これは何?」と思われてしまいます。それこそ、肌着が見えている!となってしまいます。
細衿を見せない方が良い場合
先に書きましたように注意していれば、見えても見えなくても美しい衣紋となります。
しかし、見せない着付けの方が良いと思う時があります。
それは、結婚式やお葬式、何かのお集まりの場などでご挨拶でお辞儀をする回数の多い方、お酌をして回る立場の方の場合です。
お辞儀をすると衣紋がよく見えます。お相手や周囲の方にも衣紋の中が丸見えです。肌着を見せてしまいますね。
細衿の幅や整い加減にもよりますが、細衿は見えない方が美しいと思うのです。
着付けの流派により、見せても見せなくてもどちらも間違いではありませんが、見せない着付けが一般的と思われている方にしてみれば、「細衿(肌着)を見せている着付けは変!」と感じられることでしょう。
どちらでも良いのだとご存じない方の場合、間違いだと思われてしまいますね。仕方がありません。当然のことです。
ですからこのような場合を考え、細衿は見えないように着付ける方が無難です。
衿幅の広い肌襦袢の場合
肌襦袢の衿が広すぎる場合、こちらは「半襦袢」「うそつき」ですね。肌襦袢と長襦袢を合わせた便利な和裝グッズとなります。
この様な場合は広衿に半衿をつけ着用します。
長襦袢をお召の場合は、こちらの広衿は不都合となります。この衿と、長襦袢の衿、衿が二枚になってしまいますものね。ですから使うことはできません。
お買求めの際には、どちらの目的でお使いになるのか、充分に考えて決めましょう。現代では半襦袢、うそつきタイプも一般的となってきましたので間違いやすくなっています。
初心者の方は何も知らずに呉服店へ行き、便利だからと勧められるままに購入してきて、着付けの時に困ってしまうということがよくあります(汗)
お着付けに伺った際、何度かそのようなことがありました。
せっかく買われたばかりの新しい肌襦袢なのにと私も悲しい気持ちになります。どうかご注意くださいませね。
着付け師*小春*の好み
私は、普段着物には細衿のお色がピンクの肌襦袢を愛用していました。
どうして?って。可愛らしいから♪理由はそれだけです。
さすがに今は年齢のことも考えて白にしております(笑)
礼装にはやはり白。そして見えないようにしています。
細衿を出す着付け、出さない着付けにするのは、その日の気分によって。出す際には美しく見えるように注意しています。
細衿を出したくない方には細衿がないタイプの肌襦袢もお勧めです。細衿がありませんので衣紋の内側がスッキリしますが、衣紋を綺麗に抜くことが出来ないうちは着付けが難しくなります。
基本は大切ですので、まずは一般的なタイプの肌襦袢で衣紋の抜きについて加減を学び、理解できてからこの様なタイプを購入される方が良いです。
それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
■次回予告
*衿合わせ
※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。
● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ
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