【小春の着付教室】第69号●着物:衿合わせ(2)
こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。
左右対称の衿合わせにするために
前回お伝えしましたとおり、一番難しいのが左右対称にすることです。
衿元を決める際、初めに必ずすることがありますね。
左右の掛け衿をそれぞれ3分の1ずつ折り、片手に持ちます
そして、もう片方の手は背中心を持ち
前後に少しずつずらしながら背中心を体の中心に決めます
この時、掛け衿を持っている手が身体の中心にあること、手にしている背中心の縫い線も身体の中心にあることを確認しなくてはなりません。
ここで確認を怠ると背中心がずれてしまいます。前後は繋がっていますので、背中心がずていれば前中心もずれていることになり、掛け衿の折り線位置が左右対称になりません(>_<)
美しい衿合わせにするためには、まずは背中心を必ず中心で止めることです。しっかりと確認しましょう(*^_^*)
前に引き過ぎない
この作業の時、前に引き過ぎる方がとっても多いのです。慣れないうちは特にそうですね。衿にピッタリと添わせるため、「しっかりと引かなくちゃ!」と思うのでしょう。
しかし、前に引き過ぎてしまうと、長襦袢の衿まで引くことになってしまいます。そのため後ろは衣紋が詰まり、前は長襦袢の衿が開いてしまいます。
着物の衿合わせに入る前に、既に衿を自ら崩してしまっているのですね。
着物を羽織った後に背中心を決める際も、そしてここで行う再度の確認でも長襦袢の衿元を崩さないように注意しなくてはなりません。
崩してしまったら直すことは出来ます。出来ますが、作業を増やしてしまいますし、ずれた分を元に戻しているため、生地は動きやすい状態となってしまっています。手を加えすぎますと崩れやすくなってしまいますので、前に引きすぎないように致しましょう(*^^*)
「ピタッ」この感覚!
前後に動かしている時に、ピタッと衿に添った感じが分かるようになります。練習の回数は必要になりますが、その感覚を身体に覚えてもらいましょう(*^^*)
前後に動かしていて、衿の落ち着きが悪いときは、衿幅の折りが綺麗に整っていないことが多いです。
前後に引く作業をしている際、何だかモゾモゾ、ゴワゴワしている感じがしましたら、着物の衿が綺麗に折られた状態になっているかの確認をしてみましょう。次で詳しくお伝え致します。
衿を整える
先ほど、掛け衿のところを3分の1折るとお伝え致しました。
この時に注意したいのは、掛け衿の折り線の3分の1だけに気を付けるのではなく、この部分から耳たぶの下までの間を綺麗に折り整えることが大切です。
掛け衿の折り線では、3分の1の幅
衿肩明き~耳たぶの下では半分の幅
※衿肩明きで決めると半衿の幅は広めにゆったりと、耳たぶの下で決めると細めの半衿幅の衿合わせになります。お好みでどうぞ(*^^*)
折るラインを綺麗に整える為には、指先で折り線をつけることです。
地が斜めになりますから、整いやすいように折り線を付けておかないと生地が ヨレてしまいます。このヨレが後で「なんだか変!」「浮いている感じがする!」と気になることもあります。
ここはサラ~っと流してしまいそうなところなのですが、意外と重要な箇所なのです。
特に生地が厚めの着物は要注意です。しっかりと掛け衿の下の衿、そして衿裏までも綺麗に折れるように上手に指先を使いましょう。
おわりに
この作業、慣れないうちは何度も何度も同じことを繰り返すこととなるでしょう(^_-)-☆
何度も繰り返しの練習が必要と思われる方は、着物を着る前によ~く手を洗っておきましょうね。
着物を着る前に手を綺麗にしておくのは普通のことですが、この作業の回数が多い方の場合、掛け衿に何度も折り線を付ける指で着物を擦ります。衿に手垢をつけてしまうことと同じですので、特にしっかりと洗っておくと安心です(*^^*)
指先の動き、無駄のない指先の動き、研究してみましょうね。
■次回予告
*着付ポイント:衿合わせ(3)
※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。
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