【小春の着付教室】第63号●着物:おはしょり(4)
こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。
今回もおはしょりについてです。
おはしょりの内側(下前)の処理についてお伝え致します。
綺麗なおはしょり
おはしょりは厚みがなく一直線(やや丸みあり)になっていると美しいわ~と思いますね(*^^)v
厚みのあるおはしょりの着付けになってしまいますと、七五三の七歳児のお召し物のようになってしまいます。
そうならないように、大人の着付けでは下前である内側のおはしょりを綺麗に上げ、一枚のおはしょり(上前のみの生地だけ)になるよう整えます。
七歳児の着付けでは下前のおはしょりは上げることなく、おはしょりは2枚の生地のまま整えます。大人は一枚のおはしょりで仕上げますので、厚みは無くスッキリとしたおはしょりに仕上がりになります。
お着物姿のお写真を確認してみてくださいませ。
私はちゃんとやっているわ~と思っている方も、もう一度確認してみてくださいね。新たな発見があるかもしれません(*^^*)
三角に上げる!?
着付け教室では、内側を上げる際に「三角に・・・」と言います。
何が三角なの?って思っている方もいらっしゃると思います。
三角に・・・が分からなくても綺麗に整えられますから、気にすることはないのですが、どうしても気になる方はネットで調べてみてくださいませね。
今回の内容を読み進めて頂けましたら「ここがね~(*^^*)」と三角の大切さ、そしてその中の一辺の大切さを理解して頂けると思います。
まずは腰紐ラインを確認
おはしょりを上げるのに、腰紐のラインを気にするなんて変!と思わずに、読み進めてくださいませね。
この確認は、腰紐を掛けた後すぐに出来るようになると良いです。
内側の腰紐の辺りを見てみてください。外側からの確認には姿見で確認すると分かりやすいです。姿見が無い場合には手で触って確認してみてください。内側からの確認は、覗き込めば可能ですね。
いかがでしょう。どのようになっていますでしょうか?
・腰紐の上下にシワがありませんか?
・着物生地がたるんでいませんか?
・ドレープみたいになっていませんか?
どうして確認して頂きたいかと言いますとね、下前は、左脇に合わせた後、褄先を上げますね。普段着物、よそ行き、礼装によって、上げる高さは違ってきますが、必ず上げる作業はしますね。
この時、左脇だけ引き上げられてしまい、前中心から右脇にかけて下前に少しずつ無理がかかってしまっている場合があるのです。
そして、その無理がかかっていますと紐の上下にシワやタックが入ってしまったり、下前の着物生地にドレープが出来てしまったり致します。そうなりますと、上前にもそのシワやドレープが影響してしまい、着物の前姿の美しさを損なってしまいます。悲しいですよね(涙)
少しくらいならば気にならないのですが、沢山無理がかかっていたり、薄手の着物や薄色の着物の場合には、表に響いてしまうほど影響することがあります。ですから、この時点で確認して頂きたいのです(*^^*)
シワを伸ばしましょう
もしも、この下前に気になる部分を発見しましたら、すぐに手直ししましょう。腰紐の上または下に指を入れて、シワ、たるみを伸ばします。
ドレープ状になっていましたら下がっている着物生地を引き上げ、表に響かないように整えます。
次の写真は、2013年12月15日のものです。
着付け師さん向けテキストをご購入頂いた方へのプレゼント用として作った動画から切り抜きました(*^^*)
他装の流れですが、自装でも同じです。
1.下前を決める
2.褄先を上げる
3.上前を決める
2の写真の下前全体にシワやドレープが入らず生地が平らになっていることが分かりますでしょうか?
このように下前を綺麗に仕上げます。
下前にシワやドレープが出来ていますと、先にお伝えしたデメリット以外にも上前が膨らんでしまい身体に厚みがある方のように見えてしまいます。
スッキリと着付け上げるためにも表からは見えない下前の整えが大切なポイントとなります。
写真では腰紐を掛ける前に整えられていますが、腰紐を掛けてからでも手直し可能ですので、まずは「下前の美しい仕上がり」を心に留めるようにして頂けますと、これから先ずっとこの作業が習慣付きますのでお勧めです。
いずれは腰紐を掛ける前に美しい下前に整えられますように~(*^^*)
より深くお知りになりたい方、着付け師さんには有料となりますがお勧め動画ご紹介いたします。
それでは綺麗に整えられたところで、いよいよ、おはしょりに入ります。
思いきり上げる
内側を上げる際、ほとんどの方が遠慮気味です(^-^;
もっと思い切って上げてみましょう。
えっ?何で?と思いますでしょう。
上げが足りないと、すぐに下がってきてしまうのです。
中途半端な上げ方は、おはしょりが綺麗に整えられないのです。
本当ですよ(^_-)-☆
この先は、詳しくを過去の「実力向上講座」のメルマガでお伝えしています。その内容をこちらにまとめましてお伝えいたしますね(*^^*)
おはしょりは薄く
着物姿のおはしょり、立ち姿では特に気になりますね。
おはしょりの線が綺麗に整っていると、「この方上級者だわ!」と感じるのではないでしょうか?
美しいおはしょりの方って、皆さん薄くスッキリとしたおはしょりに整えられていますよね?ええ、おはしょりの厚さです。
七五三のおはしょりって、今はわりとスッキリと仕上げますが昔はモコモコして子供らしさがありましたね。
内側のおはしょりを上げないからですね。
大人の着物の場合、おはしょりを綺麗に整えたはずなのに、着上がると何だかモコモコになっていたりして・・・(汗)
特に右脇は難しいでしょう。厚めになってしまいますよね。
常におはしょりは薄くするように考えて進めましょう(*^^)v
腰紐をかけた後
腰紐をかけた後には、必ず前後のおはしょりをしっかりと下げます。
しっかりと下げることが大切なのです。
後でおはしょりを整える時にすれば良いわ~!なんて思っている方は多いのではないかしら?慣れてくると特にそう思ってしまいがちです。
後でおはしょりを整える時でももちろんできます。
でもね、腰紐をかけた後にしっかり下げておくと、その後に整える時とっても楽なのです。本当ですよ~(*^^*)
違いを研究してみてくださいね。
きっと「なるほど~♪♪♪」と思って頂けます。
腰紐の位置も大切
綺麗なおはしょりを作るには、腰紐の位置も重要なポイントです。
おはしょりの長さがちょうど良いかをしっかりチェックですね。
長い場合、腰紐の位置を上にしたらどうなるのか。
それでちょうど良くなるのであれば、上にしましょう。
少しくらい上にしても、ほとんど変わらない場合は、腰紐の位置はそのままにしましょう。今は長めのおはしょりのままにしておき、伊達締めを掛ける際に調整しましょうね(^_-)-☆
さて本題!内側のおはしょり
表側(上前)のおはしょりは、先ほどしっかりとおはしょりを下げたことで
綺麗になっているはずです。
内側(下前)のおはしょりも、もちろん綺麗に下がっていますね(*^^*)
1.下前の衿を留めたら内側に折り上げます
2.右脇のおはしょりの位置にかけて一直線になる様に整えます
右脇がモコモコになってしまうお悩みを持たれている方は、「2.」の右脇までという点がポイントとなります。
今まで着付け教室で教わった方法でされているその流れには問題ありません。ただ、ポイントがありまして、単に脇で下げたのではそうなってしまうのです。
先生に聞いても、お教室ですと「もっと上のお教室に進んだら習うのよ~(^^)」と、あっさりお返事が返ってくるでしょう。
習い始めの方が、すぐ上手に出来上がってはお教室は運営できませんからね、仕方がありません。生徒さん方を先(上のクラス)に進ませないといけませんから、そう簡単には教えて頂けないの。仕方ありません。
ですから、初心者さんは右脇がモコモコになっていても気にしなくて良いのです、ということになっています。
*おはしょりが下がらないよう思い切り上げる
*右腰骨には掛けない
お解りでしょうか?
右脇は、相当上にあげた状態になっているはずです(^^)
「えっ?こんなに上げて良いの?」と思われるでしょう。
良いのです。
上げ過ぎちゃいましょう!
上げて過ぎている生地は後から下げることができます。
しかし出し過ぎているものを後から入れ込むと、モコモコと膨らみが増してしまいます。技術的にも難しくなります。
ですから、上げ過ぎた状態を作っておきます。
後で伊達締めをかける時におはしょりを綺麗にしますので、その時に上げ過ぎていれば下げましょう。
ほとんどの方は伊達締めを掛けるころには良い感じに下がってきています(*^^*)
こうすることで右脇はとってもスッキリしているはずです。
腰骨にはいつも下前のおはしょりがあたり膨らんでいましたでしょう。
でも、こうすれば、ほら!スッキリ仕上がっているはずです(*^^*)
いかがでしょう?練習してみてくださいね。
「こんなに?」と思ってしまうほど、内側のおはしょりは上げてしまいます。上げ過ぎちゃいましょう~(*^^*)
そして、後から調整です。
注意点
上げる時、気をつけて頂きたいのが、見えない個所でも綺麗に折りたたむことです。綺麗にたたまないと、伊達締めを掛けた後アンダーバストあたりがモコモコして、膨らんだ体型に見えてしまいます。
スッキリとした着物姿にするためにも、見えない個所にも充分注意しましょうね!
おわりに
私はいつも、表の見えるところよりも、見えていないところの方がいかに大切かをお伝えしています。
もちろん、見えるところは綺麗にしないと美しい着付けにはなりませんから大切です。
でも、その見えているところを綺麗にしてくれているのが、見えないいところなのです。伝わるかしら・・・。
このおはしょりの内側もそうなのです。
ここを綺麗に処理できないと表に影響してしまいますので、折り畳むときは、丁寧に。そして厚みが出ないように気にしながら進めます。
今回お伝えした方法はホッソリ&スッキリ魅せる着付けでもあります。
それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
■次回予告
*着付ポイント:おはしょり(5)
※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。
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