【小春の着付教室】第28号●長襦袢:織りと風合い
こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。
夏物以外の長襦袢地
長襦袢を選ぶとき、夏には「夏用」と決まっていますので悩むことは何もありませんね。
夏以外の長襦袢では、袖無双と単衣がありますので、お召しになる月やその日の気温によってお袖を変えることを前回お伝えしました。
生地にも種類があり、一般的な長襦袢生地は綸子(りんず)や縮緬(ちりめん)です。この他にも楊柳生地がありまして、さらりとして爽やかな風合いです。
単衣に最適!楊柳生地
楊柳(ようりゅう)ってわかりますでしょうか?
「クレープ生地」「ちぢみ」と表現すると「あっ!あれね(*^^*)」とイメージしやすいかもしれません。
楊柳生地の場合も、普通の生地と同じように袖無双と単衣のどちらにもお仕立てできます。正絹もありますし自宅で洗える東レシルックなどのポリエステル素材もあります。
楊柳生地の長襦袢でしたらお勧めは単衣のお仕立てです。先ほども書きましたが、サラリとしていますので、気温の上がる季節でも快適に着ることができます。
クレープ生地っていうと、男性の夏のステテコを想像しませんか?
私だけかしら?お父さんの夏の肌着の定番というイメージです。
夏に最適!ということは、肌触りが良いということですよね。生地の特徴でも分かるように凹凸があるため、肌に触れる面が少なくて済むことから快適なのですね。
単衣の長襦袢を作る際は、楊柳の生地をぜひチェックしてみてくださいね。
ステキな柄も多くありますから、ワクワクしますわ(*^^*)
呉服屋さんに行きましたら実際に触らせて頂き、他の生地との比較をしてみてくださいませ。せっかくのチャンスです!
気温のあがる季節に楊柳生地のサラリとした肌触りの快適さを実感して頂けましたら嬉しく思います。快適に過ごせますわ~(*^^*)
ただ、楊柳生地は普段着物に向きますが、よそ行き礼装にはやはり綸子が良いですね。改まった感がありますからね。
色や柄付けによっての違いもあるため一概には言えませんので、購入の際にはよく確認してくださいね。
楊柳の長襦袢の注意点
肌触りが良いのなら早速作ってみたいわ!と思われた方がいらっしゃるかもしれません。かなりお勧めですのでぜひぜひ~(*^^*)
購入の際の注意点をひとつお伝えしますね。
これは私の経験上ですが、袖幅に要注意です。
楊柳は横に引っ張ると生地が伸びす。着物の袖口から長襦袢が少し覗く、出てきて見えてしまうことがあります。
自分の着物寸法からの割り出しで作って頂いてもなのです。着物の袖幅より控えたにも関わらず、楊柳の生地が垂れることにより着物の袖幅と同寸または着物の袖幅よりも長くなってしまっているということがあるのでしょう。
ですから、楊柳生地で長襦袢を作る時は、袖幅を少しだけ短くしておくと、
袖口から出てしまうことを防げます。または肩幅を0.5センチ控え、あとを袖幅で調整するなどです。
楊柳のシボ(凹凸)や生地のハリがどのくらいなのかも影響してきますので、実際に生地を触ってみて垂れの状態を想像すると良いですね。
問題なさそうでしたら、着物寸法から割り出した長襦袢の袖幅から更にマイナス0.5~1センチで充分ですね。多く垂れそうでしたら1.5センチ、思い切って2センチなどなど。
お決めになるのはご自身ですので、ご購入の際にはこのことをちょっとだけ思い出して頂き呉服店と相談してみてくださいませ。
袖口から少しだけ長襦袢が見えるってとっても嫌なものです。せっかくご自分の寸法で仕立をお願いしたにもかかわらず・・・、となりますと本当にガッカリです(涙)
少しでもこのような知識があれば、未然に防げますでしょう。
ねっ(*^^*)
思い出してくださいませね。
いかがでしたでしょうか?
着物の反物にも楊柳があります。着物のお仕立て時も長襦袢で気を付けることと同じことが言えます。
ただ着物の場合は表に着るものですからそう問題はないと思いますが、その楊柳の着物の上にコートをお召になる場合には、コートの袖幅との兼ね合いがありますので、袖幅のことをよく考えてお決め頂くとよいですね。コートの袖口から着物がチラリと見えてしまうことを防ぐことが出来ます。
伸び(垂れ)具合は反物によって差がありますから、楊柳生地の時は特に慎重に考えたいですね。
単衣の長襦袢を作ると・・・
夏の長襦袢生地以外は袖無双の長襦袢を作れる長さがあります。そのため単衣の長襦袢を作るとお袖の内側分が左右一枚ずつ余りますね。
残布がたっぷりでます。
さて、どうしましょう?
お裁縫が得意な方は、うそつき用のお袖を作っても良いですね。
その他、何かの裏地に使っても良いですしね。お袖分の余りですが生地は繋がっていますので長く残ります。いろいろ作れますわ。
快適な長襦袢を作る
私流のちょっと変った単衣の長襦袢をご紹介しますね。
●身頃・・・夏生地
●お袖・・・楊柳生地
この組み合わせは何?って思いますでしょう。
こうしますとね、汗ばむ季節にちょうど良く快適に過ごせるのです。
単衣の季節って、気温が高くムシムシとして結構暑いですよね。
少しでも快適に過ごしたいですから、工夫をします♪
季節的に、夏のお袖はまだ早い・・・(涙)
そのため夏の長襦袢はまだ着ることが出来ません。
そこで!
身頃に夏生地を使うことで、快適に涼しく過ごせます。
お袖はちゃんと季節(衣替え)を守っている風に見せてね。
凄いでしょう~(*^^*)
単衣を作った時に出た残布。しまっておいたままで使い道がなければ、このような使い方もあります。
私は和裁が出来ませんので(浴衣は縫えます♪)、このような仕立てをお願いし2枚作りました。
着用は単衣の長襦袢の時期で、気温の高い時に最適です。
私は、単衣の長襦袢の季節がやってきましたら、まずは普通の単衣の長襦袢を着用し、その後数週間経過し気温が上がってきましたら先ほどの身頃が夏、お袖が単衣の長襦袢に切り替えます。単衣の長襦袢での衣更えですね(*^^*)
秋にはこの逆となります。
夏物の長襦袢のあと、身頃が夏&お袖が単衣の特注長襦袢を着用し、そのあと普通の単衣の長襦袢へ移り、そして袖無双の長襦袢となります。
ちょっとしたアイディアでいつでも快適に、そして楽しくお召しになれますわ(*^^*)
それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
■次回予告
*長襦袢:色選び
※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。
● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ
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