【小春の着付教室】第51号●着物:寸法(5.袖の丸み)
こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。
袖の丸み
この袖(そで)の丸みに関しては、着付けに影響する部分ではありませんので、全く気にしなくても大丈夫です。
ただ、だんだんと着物が増えてくると、
あれ?
私の着物のお袖は丸くない・・・。
あの方のお袖は丸くてとても可愛い!
と、ふと袖の丸みに気付くときがやって参ります(*^^*)
普通の袖丸みは、2センチ(5分)です。
ちょっと多めに丸みを付けると3センチ(8分)、5センチ(1寸3分)など、指定寸法が増え、お袖の丸みがハッキリと分かるように大きくなっていきます。
元禄袖(げんろくそで)のお袖の丸み、と伝えるとイメージできますでしょうか?元禄袖ほどの丸みは大胆!という印象となりますので、もう少し控えた方が上品さがあるように思います。
普段の着物では丸みを少し多く取り、可愛らしくすることも良いですね。雰囲気が変わり、お洒落度アップするような気がします(*^^*)
浴衣は、普通の丸みもありますが、多く取っているお袖も目にしますでしょう。大変可愛らしい雰囲気になりまよね。
お誂えで寸法を聞かれたときには「袖の丸みをちょっと多めにお願いします♪」なんて伝えてみてください(*^^)v
袖の丸みの指定は、着物のお仕立て寸法としましては重要ではありませんので聞かれることが無いかもしれません。でも、ここでしっかりとアピールです(*^^*)
丸みを多めに指定しますと、この方は着物をよくご存じの方なのね!と感じ取って頂けることでしょう(*^^*)
とてもお洒落さんに感じます。
お手持ちの着物の袖丸みはいかがでしょう?
着物を誂える際には指定の寸法で作れるのですから、普段着物にはお袖の丸みにもこだわってみると楽しいです。
着物通の方は、意外とチェックしている箇所です。
お着物姿の方を見かけたら、お袖の丸みにもさりげなく目線を~(*^^*)
ぜひチェックしてみましょう。
可愛らしく丸みを多く取っているお着物姿には心惹かれちゃうと思いますわ♪
長襦袢も?
振袖の場合は長襦袢のお袖も丸く仕立てますが、振袖ほどの丸みでない場合は長襦袢は普通の状態です。丸みを付けることしません。
ですから、着物の袖丸みを多めにとっても、長襦袢に影響することはありませんので、お手持ちの長襦袢のことは考えなくても大丈夫です。
安心して袖丸みを楽しんでくださいね。
礼装には?
普段の着物では袖の丸みで遊ぶことは素敵ですが、礼装にはいたしません。
礼装の着物は、通常の2センチ(5分)です。
つまんないの~!と思わず、礼装と普段での違いと理解して、仕立依頼の際、間違わないようにしたいですね。
紬には!
紬の着物は普段のお洒落着物。
お袖の丸みを多く取り、ぜひぜひ楽しみましょう。
可愛らしく!ですね。
のちに袖丸みを普通の丸みに戻すこともできますが、袖の丸み部分って、結構擦れたりしますでしょう。
丸み部分だけ生地が傷むことも考えられますので、50代、60代までお召しになる紬でしたら、程々の丸みにされておいた方が良いですね。
ある程度の年齢になりますと、あまりにもお袖の丸みが可愛らしい着物はちょっと恥ずかしく感じるかもしれませんでしょう。
着物は一生もの。特に紬は!ですものね。
先々のことも考える必要もある、と覚えておくことをお勧めいたします。
おわりに
私は、若い頃に作った着物は、ほとんど「2センチ」の丸みでした。このお袖の丸みについて知りませんでしたので(涙)
もっと早く知っていれば、楽しめたのに・・・と悔やまれます。
でも、知ってからは紬を作る時には、丸みを多くとってもらうようにしています。袖丸みを5センチくらい(*^^*)
多めの丸みですが、だってね、やっぱり可愛いのですもの(*^_^*)
何歳になっても、可愛いものの方が・・・と思うわたしです。
50代半ばを過ぎた今でも、お袖の丸みはそのままです(^^)
直すことはいたしません!(宣言♪)
皆様もこれから着物を誂える際、普段着物だったらちょっと遊んでみても良いかな・・・と丸みのことを思い出してみてくださいね。
呉服店にお袖の丸みのサンプルがありましたら、ぜひ見せて頂きお袖の丸みで変わる印象を実感してみてくださいませね。
お袖の丸みを変えるだけで、心ウキウキいたします。不思議な幸福感でございます。
それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
■次回予告
*着物:寸法(6.長襦袢との兼ね合い)
※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。
● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ