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家族3人、ガス抜きができた日。

 昨日は午後から夫に頼み、ひとがいない、広いところに行くドライブ。
 息子が先日、じいじばあばから、少し早い誕生日プレゼント「アンパンマンバイク」をもらった。以来、息子はアンパンマンバイクに乗りたくて乗りたくて、家の中にいると「あんぱん、ないねぇ」、駐車場に出ても「あんぱん!」と言って乗りまわして、もう大好きだ。
 コロナ騒動での外出自粛や、もともとまだ思うように二人きりでは外の世界を出歩けない私が母親で、子どもに我慢を強いてしまっていた。
 勤務日数が減り、在宅ワークへ移行となった夫とも、いろいろなバランスが難しく、私は3人でドライブを実現して、それぞれの抱えるいろんなガスを抜きたかった。
 一応の目的地はあったが、息子の有り余りすぎな体力の消費と、安全にアンパンマンバイクを思う存分乗せてあげるため、車で少し遠出をし、ひとのいない広い場所を、転々と寄り道しながら、散歩した。
 そして帰ってきたら、毎晩22時すぎまでリビングを走っている子が、なんと19時に寝た。たくさん運動できて、「あんぱん」に乗れて、よかったね。人知れず咲いていた桜は、どこもとてもきれいだった。

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 昨日は午前中も、いろいろな安心ができた日だった。
 かかりつけの内科・小児科医に、花粉症のくすりの変更と、子どもの相談に行った。私が中学生の頃から診てくれている女性の先生は、子どもが生まれてこちらにまた引っ越して戻ってきてからも、本当に親身で、アドバイスも手厚くて……あたたかさと安心感が、本当にありがたい。

 実は、心配しすぎかもしれないが、子どもと毎日接していると、どうしても気になることがいくつかある。
 異様に眩しがること、過剰なほどの聴覚過敏、些細な何かにすぐにびっくりすること、一つの遊びに集中できないこと、特定の強いこだわり、食べ物もおもちゃもすぐ投げて癇癪を起こすこと、元気は何よりだけれど走りまわっていること、ママへのくっつき方の度合いの強さ、等々……。
 もうすぐ2歳といえば、普通のことなのかもしれないけれど、私にはどうしても、ADHDの傾向が非常に強い夫に、とても似ている特性として見受けられて、不安だった。
 でも昨日、先生に相談したら、いろいろな答えをくれて、もし仮に、息子が夫のようなADHD(未確定診断だけど)や何か発達障害だとしても、焦らず少しずつ乗り越えていこうと、何だか大丈夫に思えてきた。

 先生と話していて感動したのが、いわゆる発達障害とされる面があっても、そうではなくても、例えば「集中力」を続かせるため、今の段階から親として子にしてあげることができる、具体的な遊びの関わり方や、絵本の読み方まで、教えてくれた。

 絵本については、私は子どもの興味を引き出すような話し方をできているかもしれない。これでいいんだと、安心した。
 ストーリーに拘らず、子どもが好きなもの、わかるものを「どんぐりはどこかな」と訊ねてみたり、それを指さしできたら褒めて喜びを分かち合うとか……もう絵本に書かれている文面をほとんど読むことなく、私が子どもの興味に沿って、絵を見ながらでっち上げて「会話」をしているのだけれど、それで、いいらしい。大丈夫、だって。
 つみきは、投げてしまうだけで悩んでいたけれど、とにかく積んでみて、壊させることの繰り返しと、バリエーションを持たせることで、集中をつなぐんだとか。子どもの興味のある人形、例えばアンパンマンが、てくてく歩いてきて、話しかけて、一緒に積んでみるとか……そういう、ふくらませ方を工夫して、一つの遊びに長く興味を持たせるというやりとり、もう少し気長に、がんばってやっていこうと思う。たくさん、子どもと一緒に遊ぼう。

 この先生は、内科・小児科だから、私も息子もかかりつけで診てもらっているのだが、ほかにも2歳児健診をいつするかや、予防接種スケジュールの再確認、次のアレルギー科の総合病院を受診するときに相談するといいよという項目も、挙げてくれた。特に発達については、もし何らかの発達障害の可能性があるとして、その病院から紹介状を地域のどの病院に流してもらうといいよ、とかの具体的な道筋も。
 もうとにかく、とても、ほっとした。安心して、私、大丈夫かもしれないって、思えた。ありがとう、先生。「そういうことも先生に相談してみるといいよ」とつないでくれた、受付のいつもの事務の方々に、泣きそうになりながらお礼を言って、帰宅した。

 ちょうど昨日、緊急事態宣言が出た。
 私が子どもと毎日のように通い、相談し、泣かせてもらっていた子育て支援センターは3月上旬から臨時閉館となり、行けなくなっている。
 子どもと二人きりの過ごし方に、まだいろいろな自信が足りず、不安がつのって発作を起こしたり、体調の波もある私は、子育て支援センターの保育士資格を持つ職員さんに、「とにかく毎日、ここに来なさい。それで100点満点!」と言ってもらって慰められていた。そんな、日中の安全な居場所を失ってしまって1ヶ月以上が経つところで、また続いてしまう臨時閉館……正直、不安に不安が重なる。
 もちろん、感染を広げるべきではないという第一前提は、骨身に染みて認識している。特に私の両親がふたりとも、肺の病気を持って通院しているから、尚更に。

 息子のこだわりと特定の欲求が強く、それらを意思表示できるようになってきたから、毎日毎日、ずっと自宅のリビングにいることは、いろいろな面から、とてもしんどい。それはきっと、うつとかは別として、どこの家庭でも感じている、母親としての共通の悩み。
 でも今日は、朝からかかりつけの先生との相談の時間で、いろんな重い気持ちがいささかラクになり、午後からは夫にドライブに連れて行ってもらうことができた。
 ひとのいない安全なお外で、息子は大好きなアンパンマンバイクにたくさん乗れたり、神社の石造りの階段を登り降りしてみたり、閑散とした広場を無制限に走り回ったり……しばらく我慢ばかりさせてしまっていた「やりたいこと」を、子どもにさせてあげられた。
 楽しかったね、よかったなあ。

 今日もまた、一日、がんばろう。

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