この社説が気になる(2024.9.10)
今日の気になる社説
産経が1本のみの掲載で、5紙9本の社説。
話題に重なりがあったのは2つ。
ひとつは、先日閉幕したパリパラリンピック。読売と産経が言及した。
産経が、日本への誘致を、と前のめりで筆を進めているのに対し、読売は、パラリンピック以外の期間でのパラ競技へ関心を、と書いた。もともとスポーツ面ではなく社会面で採り上げた過去のある新聞社。自らの力の入れどころとしてほしい。
もうひとつは、長崎での被爆者健康手帳の交付を求める裁判。朝日と毎日が言及している。今日はこれに注目する。
「被爆地域」を中心とする手帳交付の対象地域の外側に設けられた「被爆体験者」区域。その区域で被爆体験により精神的な健康影響を受けた場合、精神疾患とその合併症には医療費の助成があるが、手帳を交付された人がほぼすべての疾病で自己負担がないこととの差があることからの訴えである。
広島での同様の訴えに対しては、政府が上告を断念し、全ての原告へ手帳を交付する判断をした。それとの行政の対応が、長崎では異なることに対する批判が、判決文にも織り込まれた。
一方で、今回の長崎の訴訟では、手帳の交付を命じたのは原告44人のうち15人に限られた。広島とは異なる状況があったのだろうか。
ほかの3紙が明日以降にこの件に言及するか、その書きぶり注目したい。
[抜粋]被爆体験者たちは、過去にも救済を求めて提訴したが、最高裁で敗訴が確定していた。広島での司法判断と、それを受けた国の対応が、流れを変えたと言える。↓
[抜粋]判決は原告の約3分の2については訴えを退けた。多くの地域では雨や灰などの降下が確認できないとしたためで、原告側は「広島高裁判決から後退した。新たな分断を生じさせかねない」と反発している。↓
その他の各紙の社説
[抜粋]スポンサー離れで資金不足を訴える競技団体があるほか、施設側の無理解で利用を断られたという選手の声も出ている。官民を挙げて対策を練っていきたい。↓
[抜粋]パリのパラ大会は、存分にその価値をみせつけた。それは人の限界に挑戦する勇気や工夫であり、障害を克服して向上を続ける競技力そのものであり、これを目撃する感動である。特に日本の子供たちに、リアルタイムで見てほしいのだ。↓
[抜粋]大事なのは、男性が日常的に子育てへ関われるようにすることだ。それには恒常的な長時間労働の見直しなど、職場全体の改革が必要になる。無駄な業務を棚卸しして生産性を高める。働く場所や時間を柔軟にする。必要な人員数を確保する。工夫は多くあろう。↓
[抜粋]農業は様々な面で環境に負荷をかけている。化学肥料や農薬による土壌劣化などはその典型だ。欧州が旗を振り、日本はその波に乗る形で削減を進めている。↓
[抜粋]中国が今後も船舶などをトカラ海峡に派遣し、使用実績を増やして通航を既得権益化することを狙っている、との見方もある。政府は、中国が法解釈を改めないのなら、国際海洋法裁判所などに提訴することを検討してはどうか。↓
[抜粋]原動力となったのは、貴重な生態系を守りたいと険しい山に入り、駆除に尽力した島民の熱意だった。自然保護は、草の根レベルでの理解や活動が重要であることを示した好事例と言える。↓
[抜粋]改善の流れが後戻りしないよう、首脳が交代しても往来を絶やしてはならない。緊密な首脳外交により、双方の国民が関係改善の利益を実感できる合意や発信を積み重ねていく取り組みが必要だ。↓
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