この社説が気になる(2024.11.14)
今日の気になる社説
各紙重なりのない内容が並んだ今日の社説。
昨日産経が書いたことで注目した不登校の問題に、今日は読売が触れた。学校に来なくていい、という状態で置いておくのではなく、集団生活に不慣れな子も登校しやすい雰囲気を、との主張は、方向性が産経と近い。ただし言い方は読売の方がソフトな印象。
先週末起こった、四国の広範囲での停電に、産経が言及した。関西電力圏内との電力の融通における連携ミスとのこと。原因究明と再発防止を強く願う。
この社説の中で、需給バランスをとるのが難しくなっていることに言及している。要因に、再生可能エネルギーの増加を挙げているあたりは、産経らしい。朝日や毎日なら同じ書き方をしないであろう。
注目するのは、国の教育への投資に言及した朝日の一本。
長時間労働や教員不足の現状を打開するために、給与制度の改正を概算要求に盛り込んだ文部科学省。支出を抑えたい財務省は、それに対立する案を提示しているという。
普段、財政規律に重きを置く新聞社。朝日は日経と並んでそれが強い傾向があるが、この問題に関しては、教育の現状を良くするために財源の確保を含めた検討をと訴える。
支出を支持する分野はどこか、反対に、支出に異議を唱える分野はどこか。そんな目でも新聞社のスタンスを見比べていきたい。
[抜粋]日本の小中学校教員の仕事時間は、国際的にみても特に長い。中学校には部活動があり、複雑な家庭環境の子や、過度な要求をする保護者への対応などもある。過酷な労働環境を嫌って志願者が減り、教員不足は常態化しつつある。いじめや不登校は早期対応が大切なのに、一人ひとりの子どもと十分に向き合う余裕がない教員が多い。↓
その他の各紙の社説
[抜粋]23年夏から始まった処理水の海洋放出など、この13年で培ったノウハウや科学的知見を生かし、廃炉の最終形や完了時期について議論を始める時だ。福島の地元住民の理解を得ながら、国をあげて安全・安心を最優先した廃炉の道筋を練る必要がある。↓
[抜粋]中国経済を立て直すには、財政による需要の底上げが欠かせない。それは習近平国家主席率いる中国共産党もわかっているはずだ。9月の政治局会議では財政支出を拡大する方針を決めた。↓
[抜粋]米国は、世界第2位の温室効果ガス排出国である。その米国がパリ協定から再び抜ければ、今後、最大の排出国である中国に対し、排出削減や、途上国への資金支援を迫る国際的な圧力が弱まることが強く懸念される。↓
[抜粋]国は、クラスに溶け込めない子が校内の別の場所で学べる「校内教育支援センター」の開設を進めている。不登校の受け皿になっているフリースクールを増やすことも課題だろう。こうした対策を着実に実行していく必要がある。↓
[抜粋]防犯カメラや科学捜査の進展で、未解決の凶悪犯罪は減少傾向にある。だからこそ捜査員たちが粘り強く証拠を積み重ねて立件する今回の捜査は意義が大きいはずだ。闇バイト強盗の頻発で、刑事警察への信頼が揺らいでいる現状も考えると、今回の連続女児殺傷事件の捜査は、体感治安の回復に大きく関わるものとなるだろう。↓
[抜粋]天候によって発電量が左右される再生可能エネルギーが増加し、電力の需給調整は複雑になっている。それもあって、電力大手は自社管内だけでなく連系線を介して他電力管内を含めた広域での需給調整を行うことが増えている。↓
[抜粋]通常の廃炉でも30~40年程度かかる。ましてや、事故のあった福島原発では、被ばく軽減のために作業時間が限られるなど制約が多い。地元自治体は、燃料デブリを含む放射性廃棄物を県外で処分するよう求めているが、具体的な議論は進んでいない。↓
[抜粋]国は司法の警告を重く受け止めなければならない。最高裁の結論を待たず、同性カップルも婚姻制度の対象とする法整備に、直ちに着手すべきだ。↓
[抜粋]今月に入って三井住友信託銀行でも、元管理職によるインサイダー取引疑惑が発覚した。こちらも業務上知り得た未公開情報をもとに、株式の売買を複数回行っていた疑いがある。市場の公正を守る立場にあるのは金融機関も同じで、責任は重大だ。↓
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