事実はひとつ 考え方は多数
自分の半生を振り返ると、色々な人から色々な大事な言葉をもらっている。
そのひとつに、予備校生時代に友人からもらった一言がある。
浪人生のちょうど今頃(9月の終わり)、模試での点数が思わしくなく、春ごろからのテキストを復習しはじめてた頃のこと。
授業が終わり、帰りが途中まで一緒の友人と何気なくしゃべっている中で「やらなければならないことがまだまだあるんだよなぁ」とため息交じりにこぼした私に、友人はこんな言葉を返してくれた。
「まだできることがあるんだ、と喜ばなきゃ」
そうか。そういう考え方をすればいいのか。
それをきっかけに、勉強への意欲が上がり、成績も少しずつ上がった。
まぁ、入りたい大学にこだわった結果、学部の希望は変更することになったのだが。
事実はひとつなのだが、心境や思考の違いにより、捉え方が人それぞれ、多数ある。今から振り返ると、そんな気づきをもらった一言だった。
同じ大学・学部を目指していながら、私は大学にこだわり、友人は学部にこだわり、予備校での最後の授業以来、全く顔を合わせていない。
あの時のお礼を言いたい。そう思いながら、31年の月日が過ぎてしまった。