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この社説が気になる(2025.1.4)
今日の気になる社説
年始で各紙一本ずつの掲載が続く中、読売が二本掲載する通常モードに切り替えた。
日経、朝日、毎日、産経は、前日に引き続き、今後の動きを展望した言及で通常の二本分の字数を割いている。各紙が持つ課題意識を理解するために読み比べておきたい。
読売は、一本で韓国での動きに触れた。現職大統領への逮捕状執行、という報が流れたが見送られた。早期の事態収拾を願う。
もう一本で、医師の偏在対策に言及。今日はこの社説に注目する。
人口や医師数、高齢化などによる医療ニーズなどを踏まえた医師の充足度を厚生労働省が数値化した。その結果、東京の都心部が、医師不足に悩む岩手沿岸部に比べて7倍に上がったという。
それを出発点に、政府での医師の偏在を是正するための政府の動きに触れている。医師不足の地域で働いたり、そこへの派遣を実施する者へは経済的に手を差し伸べ、都市部での開業規制を導入することが柱となっている。
医師の働く場を選択する自由と、住んでいる地域によって必要な医療を受けられない事態の回避、そのバランスをどう取るか。読売は、医師の社会的責任を理由に、前者を規制する動きに理解を示す。
今回材料にした厚生労働省の資料にはたどり着けない状態で本稿を書いている。一方で、昨年11月に公表された、医療施設(静態・動態)調査・病院報告によると、人口10万当たりでの病院病床数では、都市部より地方の方が病床数が多い、という結果が見出されている。この結果をかざして「地方に病院が少ない、というのは嘘」と脊髄反射しないよう注意したい。人口10万人をカバーする面積の違いを考慮すれば、やはり「近くで医療を受けられない」という懸念は残る。
その他の各紙の社説
[抜粋]格差の拡大などグローバル化の負の遺産を克服し、新たな時代の要請にどう応えるか。必要なのは自由貿易の進化だ。保護主義の台頭に立ちすくんではならない。↓
[抜粋]与野党や司法関係者らすべての当事者が、冷静さを取り戻し、意見の違いや問題を整理すべき時に来ているのではないか。知恵を出し合い、事態を収拾に向かわせる方策を見いだしてほしい。↓
[抜粋]住んでいる地域によって必要な医療が受けられないような事態は避けなければならない。医師にも働く場を選択する自由があるとはいえ、その社会的責任の重さを考えれば、一定の開業規制を設けるのは理解できる。↓
[抜粋]かつて世界市場で輝きを放っていた日本企業の多くが存在感を失った。日本企業の競争力の衰えは、国力低下と軌を一にする。日本経済の再生には新たな成長産業の創出が不可欠だ。↓
[抜粋]世界が軍備拡張に走る中、「力による平和」は常に武力衝突のリスクをはらむ。一方で、「平和による力」だけでは限界がある。重要なのは、両者のバランスをとることだ。↓
[抜粋]先の衆院選の投票率は戦後3番目に低い53・85%。ほぼ2人に1人が棄権という深刻な状況だ。ようやくかみ合い始めた歯車を止めず、確実に回すことで、政治へのあきらめを期待に変える。与野党を問わぬ、政治の責務である。↓