この社説が気になる(2024.12.21)
今日の気になる社説
与党の税制改正大綱がまとまった。
このことに、5紙すべてが言及した。
税をめぐる議論では、所得税の課税対象となるいわゆる「103万円の壁」が焦点となる報道が目立った。この壁の引き上げを求める国民民主党との協議・合意なしに国会で法案が通らなくなることが背景にある。
社説を読んでいて感じたのは、国の税収が減る動きに関してはどの新聞社も否定的な考えを持っていること。支出が増えた時のバラマキ批判と同様であり、財務省の代弁者とさえ思える。
一方で、法人の実効税率は2015年度・2016年度の改正により下がっている。税収額が上がっているから表には出ていないが、法人としては税負担が減っているのだ。
新聞社も法人としてその恩恵にあずかっている。それを棚に上げて今回の壁の議論で税収入が減ることに疑義を唱えるのはいかがかと思う。
[抜粋]今回の大綱は「年収の壁」に焦点が集中するあまり、税の全体像への目配りが欠けた。防衛力強化のための増税はたばこ税と法人税を26年4月に上げる一方、所得税の増税時期の決定は先送りした。高校生の子を持つ親らの扶養控除は当初の縮小方針を修正し、現行水準を維持することになった。↓
[抜粋]財源を考えずに大幅な減税を唱えるだけでは、ポピュリズム(大衆迎合主義)でしかない。今回の「年収103万円の壁」を巡る議論を、公平な税負担はどうあるべきかを考える契機としたい。↓
[抜粋]先の衆院選で大敗した与党にすれば負担増につながる税制改正は極力避けたいのだろう。一方で衆院選で大きく議席を伸ばした国民民主は世論の支持に自信を深めて減税路線の一点張りである。そうした政治状況で与党が役割を果たすべき責任ある税制論議が深められたのかは疑わしい。↓
[抜粋]国民民主は「経済が活性化して税収も増える」と主張するが、楽観的過ぎる。来年の参院選目当てのアピールなら無責任だ。与党も国民民主案を丸のみして財源を置き去りにすべきではない。↓
[抜粋]基礎控除を一律75万円引き上げれば、国・地方の税収は年7兆~8兆円減る。税率が高いほど減税額が大きく、引き上げ幅が増せば高所得層の優遇が強まる難点もある。↓
その他の各紙の社説
[抜粋]一連の改革は軌道に乗り、一時の不振からは脱した感がある。11日には株価が約25年ぶりに上場来高値を更新した。現在はグループ内で抱えるコンテンツを横展開して「10億人とつながる」という戦略を掲げている。↓
[抜粋]日本生命は国内を代表する機関投資家で、株主として多くの企業経営をチェックする立場にある。筒井氏は経営のあるべき姿について知見が深い。税財政や社会保障制度、脱炭素分野に明るいことも選ばれた理由なのだろう。↓
[抜粋]非武装地帯は74年に両国が合意した協定に基づき設置された。今回の侵攻は明確な協定違反だが、イスラエルのネタニヤフ首相は「シリアが秩序を回復させるまで協定は無効だ」と説明する。あまりに一方的な主張だ。↓