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この社説が気になる(2024.8.1)
日銀が政策金利を引き上げる決定をした。このことに5紙すべてが触れている。
「金利ある世界」「金融の正常化」などの言葉を添えて、各紙ともいずれのタイミングでの実現を望んでいたことだろう、とこれまでの社説で感じていた。
しかし、いざ実現となると、住宅ローンの利率が上がるなどの影響や、消費が回復していない問題を掲げ、実行は慎重にとの言葉を連ねる。もともとわかっていたことを今更書き連ねるか、と呆れる。
金融政策の舵の取り方が変わったのは事実である。市場の動きに注目していきたい。
その他の話題では、イランで起こったハマス指導者の暗殺に日経と読売が言及したのがもう一つの話題の重なり。
毎日は、ブラジルでの日本移民迫害に対する政府の謝罪に、日本も過去から目をそらすな、との一言を添えている。隣国に寄り添う書きぶりの多い同紙らしさがうかがえる。
日銀の政策金利引き上げに言及した社説
[抜粋]日銀は今回の声明文で、円安を踏まえて「輸入物価は再び上昇に転じており、先行き、物価が上振れするリスクには注意する必要がある」と指摘した。植田氏は「見通しに対して現実が上振れするリスクとしてはかなり大きなもの」と話し「そこまで含めて政策的な対応を打った」と明かした。↓
[抜粋]利上げは、住宅ローン金利を上昇させ、消費を冷やす恐れがあるほか、中小企業の資金繰りが苦しくなる懸念もある。日銀は、景気にも丁寧に目配りして、追加利上げの時期を判断してほしい。↓
[抜粋]植田和男総裁は記者会見で、追加利上げを決めた背景として「個人消費の底堅さ」などを挙げた。消費低迷が続いているとしても極度に悪化しているわけではなく、賃上げの広がりが消費を支えているという判断である。↓
[抜粋]日本経済の活性化には、金融政策の正常化が欠かせない。だが、暮らしへの配慮が不十分なまま利上げを進め、景気を腰折れさせては元も子もない。日銀には個人消費の動向などを見極めた的確な判断が求められる。↓
[抜粋]物価目標の安定的な実現が望めるのであれば、金融緩和の程度を段階的に弱めていくことは必要だ。ただ、足元の景気は個人消費が停滞し、力強さに欠ける。経済への影響を丁寧に見極めながら、今後の金融政策運営にあたることが不可欠だ。↓
ハマス指導者暗殺に言及した社説
[抜粋]国際社会は今回も抑制的な対応を粘り強く働きかけなければならない。並行して、昨年来の緊張の根源であるガザの戦闘を収束させるよう一層の努力を払う必要がある。↓
[抜粋]イスラエルは、占領下に置くゴラン高原がロケット弾で攻撃され、子供12人が死亡したことへの報復だと主張している。しかし、他国の首都への攻撃が、深刻な事態を引き起こす可能性を十分に考慮したのか、甚だ疑問である。↓
その他の各紙の社説
[抜粋]疑惑は今年3月に週刊新潮が報じて発覚した。このとき広瀬氏はホームページで「勤務実態があったことに間違いありません」と反論していた。本当にそうなのか。国民の負託を受けた政治家として、説明を尽くす責務がある。↓
[抜粋]世界の分断が広がり、排外主義が横行する中、自国の過ちを認める謙虚さがより重要になっている。近隣諸国との間で歴史認識問題を抱える日本も過去から目をそらすことなく、誠実な対応に努めなければならない。↓
[抜粋]もとより国には県の疑問にこたえる責務がある。13年、当時の仲井真弘多知事が埋め立て計画を承認した際、5項目の留意事項を双方がかわした。工事に際して環境保全について「県と協議を行う」ことや、実施設計で「事前に県と協議を行う」ことを明記した内容は、地元の懸念を置き去りにしないという工事の「条件」ともいえ、政府も配慮する姿勢を強調してきた。↓