この社説が気になる(2025.1.5)
今日の気になる社説
日本製鉄によるUSスチール買収を、米大統領が阻止する命令を出した。
このことに、読売・産経・日経が言及した。いずれも決定に疑義を唱えている。日経は冒頭で「不当な政治介入である。強く非難する。」と厳しい言葉を添えている。
同盟国の企業へのこうした介入が、日米の信頼関係に影響する。との懸念を各紙が述べている。日鉄は買収を諦めておらず、今回の命令を受け、米国政府を提訴する用意がある、との報も聞いた。日米の関係悪化を招くことにならなければいいが。
米国は間もなく「America First」を唱えるトランプ氏が大統領に就任する。自国第一主義は米国だけでなくほかの国にも及ぶ動きである。こうした動きから、過去には大戦が起こったことを、「戦後80年」とした元旦からの連載特集の社説で毎日が言及している。
[抜粋]自由で開かれた経済の理念に逆行するだけではない。同盟国である日本の企業による正当な取引を強引に阻止することは、米国への投資を萎縮させる懸念も残す。安全保障を理由とした介入は極めて限定的であるべきで、安易な拡大解釈はルールをゆがめる。↓
[抜粋]日本は米国への直接投資残高が2023年まで5年連続首位で、米経済の発展に貢献してきた。理不尽な決定は、対米投資にも悪影響を及ぼすのではないか。↓
[抜粋]これまで米大統領が外国企業による買収阻止を命じたケースの多くは中国企業だった。同盟国である日本の企業では例がない。日米両政府は中国を念頭に、半導体など幅広い分野で経済安保上の協力を進めている。鉄鋼分野では連携できないという判断は整合性を欠く。↓
[抜粋]「国益を守るために最も賢明な方法は国際協調である」。ブレトンウッズでの会議でモーゲンソーは語った。保護主義はかえって国益を大きく損なう。大戦の教訓を踏まえた言葉である。↓
その他の各紙の社説
[抜粋]皇位継承が先細りするリスクに正面から向き合うには、より踏み込んだ議論が欠かせない。現在、皇位を継承する資格を持つのは秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまの3人だけだ。悠仁さまより先の世代の皇位継承策についても、議論の俎上(そじょう)にのせるべきだろう。↓
[抜粋]新たな目標達成には、さらに17万トンの削減が必要になるが、できることはまだまだ多いはずだ。
食品製造事業者などから規格外の商品を無償で譲り受け、福祉施設などに提供する「フードバンク」の活用も一案だ。↓
[抜粋]弁護側の「真っ直ぐの道路を走ることが出来(でき)たのだから自動車を『制御』出来ていて、危険運転ではない」との主張に対して「制御出来ないから事故を起こしたのだろうに」というさださんの疑義は、まさに国民的常識にかなうものである。↓
[抜粋]「手取り」を問題にするのなら、再分配のあり方と同時に、そもそも企業活動の成果が公正に分配されているかも問われるべきだ。賃金は四半世紀にわたって伸び悩み、一定の賃上げが実現したのはここ2年に過ぎない。↓