
この社説が気になる(2025.2.26)
今日の気になる社説
複数紙が取り扱った話題が二つあった。
一つは、先の兵庫県知事選挙における維新の議員による情報漏洩。産経と毎日が触れている。党による処分もあるようだが、百条委員会に加わっていた元議員を死に追いやった事象の重さをどう受け止めるか。
もう一つはドイツでの総選挙。反移民を掲げる政党が第二党に躍進した。
このことに読売・日経・朝日が言及している。
読売は第二党に躍進した「極右」勢力を排して社会の安定につながる政策を追求する政権の樹立を訴える。
日経は、2年連続でマイナス成長した経済の立て直しが喫緊の課題と言及。
朝日は経済の低迷に加えて旧東西ドイツの格差が解消されていない点が現首相の属する政党が大敗した原因と、今回の結果を分析している。
海外ニュースを積極的に見ていないと話題に上ることが少ないドイツの現状。日本にいると、GDPで抜かれた、という点ばかりに目がいってしまう。
いわゆる「極右」の勢力が増しているのは、欧州の他の国でも見られる。動向から目が離せない。
[抜粋]選挙結果を重く受け止め、国民の不満解消に全力を挙げる必要がある。2年連続でマイナス成長となった経済の立て直しが喫緊の課題だ。不法移民らによる襲撃事件が相次ぐ中、移民政策の一部修正も避けられまい。↓
[抜粋]トランプ政権の後押しを受け、欧州で非寛容な世論や社会の分断が一層広がることを憂慮する。欧州の政権党が、過激な主張に流されず、社会の安定につながる政策を追求することを期待する。↓
[抜粋]ショルツ首相の中道左派政党が大敗した背景には、相次ぐ襲撃事件で広がった難民・移民に対する不安や、ウクライナ危機を契機とするエネルギー価格高騰などによる経済の低迷、さらに統一から35年たっても解消されない旧東西ドイツの格差がある。↓
もう一つ、死刑制度に関する朝日の社説にも注目したい。
憲法に照らし合わせて死刑が違反していないと言い切れるか、という視点も含めた言及をしている。この問題を掘り下げる材料としたい。
[抜粋]残虐な刑を絶対的に禁止する憲法に絞首刑が違反しないと言い切れる根拠はなにか、対象者は死刑執行までの日々をどう過ごしているのか――。情報公開を進め人々の議論を促す施策をとるのならともかく、このまま世論調査の結果で死刑制度を正当化し続けていいとは考えにくい。↓
その他の各紙の社説
[抜粋]維新は今回の件で処分を行う。維新の吉村洋文代表は県議らの行動について、「重要な事実を伝えたい思い」だったとした。公党のトップとして身内に甘い見方をするのは疑問だ。立花氏へのルール破りの漏洩で目的を遂げようとしたようにみえる県議らに理解を示してどうする。↓
[抜粋]自身の立場を隠しながら、個人を中傷するような情報の拡散に加担したことは、道義的にも許されない。議員辞職に値する行為だ。↓
[抜粋]国会で審議中の税制改正案にはiDeCo(個人型確定拠出年金)拡充も盛り込まれた。企業年金と併せた職場での対応も今後の課題だ。投資ブームを真の国富増につなげる教育の拡充を急ぎたい。↓
[抜粋]開発支援を巡っては、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対して、借金漬けにして権益を取り上げる「債務の 罠 わな 」との警戒感が根強い。また中国経済の停滞で、支援余力も低下している。↓
[抜粋]当地には以前から中国を狙う詐欺拠点が存在した。幾度か中国当局などが摘発したが壊滅できずにいた。麻薬栽培を主産業としてきた地域で、ミャンマー国軍の統治が効いていない。↓
[抜粋]縦割り行政の弊害を排し、規制委を含む各省庁の防災担当部局、自治体が連携して被害を低減する取り組みが求められる。2026年度に創設される防災庁が果たす役割は大きい。↓