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この社説が気になる(2024.8.18)
お休みモードから通常モードに切り換わる直前。
採り上げる話題にもばらつきがみられる。
朝日は二本分の字数で、戦争は二度とごめんだ、と訴える。先の大戦での同社の姿勢を省みつつ、そうした事態を起こさぬよう「権力を批判する自由があり、誰もが尊重され権利が守られる社会を築く。政策や法制度の変化を点検する」と、今の報道姿勢を改めて表明しているだけに過ぎないとも思える。
注目するのは、各国の選挙で与党に「No」が突きつけられている現状に言及した日経の一本と、日本で与党と時期を同じくして行われる野党第一党の代表選に言及した産経の一本。
政権与党が選挙で多数勢力となれない事態が各国で起こっている。英国に至っては国のリーダーが変わるまでに至った。世界情勢に影響を及ぼし、権威主義国家を利しかねないと日経は懸念し、今後政権交代が実施される日本で国際協調を立て直すことと、野党へ体制と政策を整えてと注文を付けている。
産経は、現実路線の政党に生まれ変わらなければ政権は担えない、と語り、政権を担うチャンスと訴える立憲民主党を断じている。
世論調査で内閣の支持率が低い値となっている一方で、政党支持率から見えるのは、野党も含む既存政党へも期待が持てていない、ということではないかと私は思う。
政権を取ろうとする姿勢は大事なこと。そのためにこの国をどうかじ取りするのか、その絵が示されない限り、2009年の衆院選のように「では、こちらに託そうか」とは動けない。今の私はそんな思いでニュースを見届けている。
[抜粋]世界を覆う分断の深まりで善悪二元論の政治が幅を利かせ、対話や寛容さが失われている。民主主義や自由貿易、多様性などを守っていくのは日本の国益である。↓
[抜粋]自民党は派閥パーティー収入不記載事件に端を発した「政治とカネ」問題が響き、国民から厳しい目で見られている。それにもかかわらず立民に対する世論の期待は高まっていない。↓
その他の各紙の社説
[抜粋]権力を批判する自由があり、だれもが尊重され権利が守られる社会を築く。政策や法制度の変化を点検する。そうした営みに、主権者として自律的にかかわる。決して未来に惨禍を起こさぬために。↓
[抜粋]オスプレイは米国や豪州でも墜落事故を起こしており、安全性を疑う声は多い。100%の安全はないという一般論で、事故が不可抗力であるかのように述べる防衛相の姿勢は無責任すぎる。↓
[抜粋]高齢者の患者の多くがエアコンを使っていなかった。年齢を重ねると、暑さやのどの渇きを感じにくくなるためだろう。エアコンを適切に使うとともに、こまめな水分補給を習慣にしてほしい。↓
[抜粋]本部長ら県警側は隠蔽の一切を否定している。だが、国民からすればすっきりせず、警察の中で何が起きているのかと不安に思わせる。県警や警察庁の対応には、この疑念に真摯(しんし)に応える姿勢がうかがえない。↓
[抜粋]格差是正に本格的に取り組まず、非正規雇用の比率は4割近くに高止まりしている。低賃金労働に依存する構造を変えなかったため、消費の停滞からも脱却できなかったのではないか。↓
[抜粋]今回の臨時情報を「空振り」だったと批判するのではなく、備蓄の確認や避難誘導方法の点検などを進める契機になったとして、前向きに受け止めるべきだ。↓