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この社説が気になる(2024.9.7)
5紙10本の社説の中で、複数紙が採り上げた話題が2つあった。
ひとつは、岸田首相の韓国訪問。読売、産経、日経が触れた。
読売と日経が、後戻りしない外交を、と書く。産経も同じ考えを持っているだろうが、韓国側に後戻りしかねない要因がある、という懸念を示している。韓国、とりわけ反日の姿勢を持つ言動への拝領が大きい印象がある毎日がどう採り上げるか、注目したい。
もうひとつは、自民党総裁選。そちらは読売と朝日が触れた。
読売が立候補に名乗りを上げた方が挙げた政策に注目しているのに対し、朝日は、これまでに対する反省が足りない、という点での批判を展開。その点は5日の毎日の社説も同じである。
「国民に示す政策を競え」と題した8月22日の社説でも、まずは政治とカネの問題へのけじめをつけることだと書いている。権力に物言う朝日のスタンスが良く出ている。
そんな中で注目するのは、障害者の鑑賞サポートに言及した毎日の一本。
障害者差別解消法の改正により、今年4月より、障害者のバリアーを取り除く「合理的配慮の提供」が義務化され、実際に進んでいる取り組みが紹介されている。
目の不自由な観客への音声ガイド、聴覚障害のある人への字幕表示のためのタブレット貸出などだ。
誰もが芸術やスポーツに親しめる環境が、より豊かな社会の実現につながるはず、と毎日は結んでいる。
社説で紹介している事項の取り組みが進むことに加え、私を含めた障害を持たない者が、周りでそうしたサポートを受けながら鑑賞している人たちを受け入れる姿勢を育てることが必要だなと感じる。
鑑賞に訪れた客席の隣でスマホやタブレットの光を目障りに感じたり、解説の音声がちょっと漏れたり(あるいは実際には漏れていないが隣でイヤホンを装着しているだけでそこから音が漏れてると反応してしまう)するだけで、嫌な顔をしたり、咎めたりする。そんな事態が起こることが想像できるからである。
[抜粋]共生社会の実現は、文化芸術分野だけでなく、スポーツにとっても大きな課題だ。競技場にいながらスマートフォンで実況が聴けるなど、障害者が観戦を楽しめる取り組みに力を入れるべきだ。↓
その他の各紙の社説
[抜粋]米国でバイデン氏が今期限りで退き、日韓が力を合わせる重要性が高まる。来年は国交正常化60年を迎える。後戻りしない関係づくりへ次の首相の役割は大きい。↓
[抜粋]中露に加えて、北朝鮮も核を保持しているとされる。日本の安全保障環境がかつてなく不安定化している中で、韓国と良好な関係を保つことは、日本にとって死活的に重要である。↓
[抜粋]韓国は反日感情が強く、政権が交代すれば日本との協力を反故(ほご)にしてくる可能性がある。それを忘れずに進めなければならない難しい状況にあることは指摘しておきたい。↓
[抜粋]総裁選では多様な政策を論じることになる。候補者同士が矛盾や疑問を指摘し合い、どの候補の政策が信頼に値するか、国民が理解できるようにせねばならない。↓
[抜粋]長年、議論ばかりで答えを出していない課題に「決着」をつけると意気込むが、党内の反対派を説得できるのか。規制改革など、国民の間にもさまざまな利害や意見のあるテーマについて、丁寧な合意形成ができるのか。その力量が問われることになる。↓
[抜粋]ゼレンスキー氏が9月に入って外相交代を含む内閣改造に踏み切ったのも、公正な和平の実現へ体制を強固にするためだ。国際社会も本土奇襲で開いた突破口を利用し、ロシアの全面撤退を引き出す好機を逃してはならない。↓
[抜粋]残念なのは、問題が深刻化する前から品薄の懸念があったのに混乱拡大を許したことだ。農林水産省はこの現実を重く受け止めて、柔軟に対応できるよう知恵を絞るべきである。↓
[抜粋]日本はICC分担金の最大の拠出国である。今春には赤根智子氏が日本人初の所長に就任した。「法の支配」を外交の柱に掲げる以上、ICCが機能するような国際環境づくりに尽力すべきだ。↓
[抜粋]百条委に参考人として出席した別の弁護士は、通報者保護を強化した制度改正に触れ、文書送付を外部公益通報にあたると指摘。県の一連の対応は違法状態だとした。↓