「さようなら」の言葉の重さ
2023年3月30日の朝日新聞のコラム「天声人語」は、谷川俊太郎の詩「さようなら」を振り出しに、その言葉の語源、そしてその言葉の美しさに感嘆した外国人がいたエピソードについて触れていた。
「さようなら」の語源は、「そういうことならば」を意味する「さ様ならば」が近世に変化して、「ば」が略されたのだそうだ。
そして、この言葉に感嘆したのは、大西洋単独横断飛行に初めて成功したリンドバーグの妻、アン・モロー・リンドバーグ。言葉の由来を知り、「事実をあるがままに受けいれている」。
再会の希望を添えるでもなく、これを最後に離れ離れになる、という事実をそのまま受け入れる。非常に重い意味合いを「さようなら」は含んでいるんだ、とコラムを読んで実感する。おそらく近いうちに訪れるであろう、親に対して「さようなら」を告げねばならない時を意識するからだろうか。
振り返れば、「さようなら」をきちんと告げられなかった別れもいくつか思い浮かぶ。言葉の重さ故、逃げていたのかもしれない。
事実をあるがままに受け入れることは、別れの場面以外でも大事なこと。
まずはそこを意識して毎日を生きていこう。
なお、谷川俊太郎さんの詩「さようなら」は、「ポエトリージャパン」というサイトにあるので関心がある方はご覧いただきたい。