社説だけでなくコラムも読み比べる

きょう、2023年4月13日の新聞各紙のコラム。産経新聞、毎日新聞、日本経済新聞は、カンボジアを拠点にしていた特殊詐欺事件に関与した日本人の逮捕に関する話で共通していた。

産経新聞「産経抄」は、19世紀の英国の物語「オリバー・ツイスト」を重ねて紹介。救貧院を追放され、奉公先でもいじめられてさまよっていた孤児オリバー・ツイストが、唯一迎え入れてくれた人物が実は悪党とわかり、自分はその手に染まらず、むしろその人物一味を一網打尽にするきっかけをつくったストーリーと、現実に起こっている話を対比させている。

毎日新聞「余録」は、かつてかの地で活動している中で命を落とした邦人や自衛隊による平和維持活動など、これまで日本がかかわってきた事柄を枕で紹介したうえで本題に言及している。その中で、一時中国系カジノが林立したが政府の規制強化で多くが姿を消したことに触れているのは、日本でのIRへの反対姿勢を暗に示したものだろうか、とも思える。

日本経済新聞「春秋」は、江戸時代にかの地に訪れた武士が残した「落書き」を枕にしている。古くから交流があったことを書きたかったのだろう。もちろん、落書きについては「ほめられたものではないかもしれぬが」と、時折ニュースにもなる文化的価値がある者への落書き行為を念頭に置いた言葉も添えられていることは忘れてはならないこと。

ニュースになっていることに直接触れるだけでなく、その周辺で織り交ぜてくるエピソード。新聞のコラム読み比べは、そこが面白い点である。

社説は各紙会員登録せずとも無料で読むことができるが、コラムについては会員登録が必要。日本経済新聞は紙・電子版で購読しているから別として、産経と毎日は、会員登録をしたとしても無料で読むことができる(あれ、毎日は会員登録もしてなかったかな?)。

朝日の「天声人語」と読売の「編集手帳」も無料で読めるようにならないかな?

いいなと思ったら応援しよう!