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この社説が気になる(2025.1.30)

今日の気になる社説

発足して10日近く経つ米国新政権の動きに言及する社説が多い。

朝日は、その全般の動きを見渡し、強権政治に向かうのではとの懸念を表明する。

毎日は、WHOからの脱退表明に焦点を当てた言及を行い、国際的な協力の重要性を説いて残留するよう、日本などの働きかけが必要と訴える。

日経は、EV促進策を廃止する大統領令への署名に注目し、それに自動車業界がどう対応していくかに言及している。

読売は、大統領への言及ではないが、政権運営に大きな影響を与えるイーロン・マスク氏に焦点を当て、氏が欧州の右派勢力への指示をSNSで表明したことに触れている。他国への政治介入と取られる行為を行っているのは、日本の隣国特有のことではないのだと思い知らされる。

注目するのは、海底ケーブル破損に言及した毎日の一本。

バルト海で海底ケーブル損傷が相次いでおり、最近は意図的な攻撃も疑われるケースが目立つと書かれている。ケーブルを損壊した自国の船舶や乗組員を処分する法令の制定を、国連海洋条約が求めているが未制定の国が多いとも指摘する。

気になるのは、この社説が触れていない点である。

海底ケーブルの切断は、バルト海だけで起こっているのではない。日本にほど近い、台湾近海でのケーブル切断が起こっている。そこへの言及がない。中国の意図的な行為という憶測も流れる件だけに、一定の配慮をしたのだろうか。

[抜粋]国連海洋法条約は、公海で海底ケーブルを損壊した自国の船舶や乗組員を処罰する法令の制定を加盟国に求める。だが多くの国が未制定で、破壊行為の歯止めの役割を果たせていない。↓

その他の各紙の社説

[抜粋]EVかガソリン車かの選択は自動車大手だけの問題ではない。サプライチェーンを支える企業の意思決定に多大な影響を与える。体力に劣るこれら部材メーカーにとって、投資や開発の面での判断ミスは経営を揺るがしかねない。完成車メーカーには可能な範囲で情報を共有してもらいたい。↓

[抜粋]次のパンデミックが、いつ起きてもおかしくない。WHOを中心とした国際的な協力体制の強化が不可欠だ。日本や欧州はその意義を訴え、米国に残留を働き掛ける必要がある。↓

[抜粋]世界は多極化しつつも、今なお米国の影響力は大きい。米国が培ってきた寛容で開かれた民主政治の盛衰は、世界に波及する。異論を許さぬ大統領が政権を担う今こそ、活発で多種多様な論議を米国の政界と市民に期待したい。↓

[抜粋]欧州各国の選挙では、欧州統合や移民の受け入れに反対する右派勢力が躍進し、政権政党を脅かしている。そうした中でのマスク氏の言動は、フランスのマクロン大統領が指摘するように「選挙介入」と取られても仕方あるまい。↓

[抜粋]先送りの背景には自民党の意向がある。40年度までの厚生年金は現行制度よりも減るので会社員らの反発が予想される。同党は成長型経済に移行すれば将来の年金水準は改善するとして早期実施を拒んだが、楽観的なシナリオを頼りに難路を避けるべきではない。↓

[抜粋]国内の水道管は各地で老朽化が進んでいるが、自治体の財政難で交換が追いつかない状況だ。このままでは道路の陥没に歯止めがかからない。自治体は更新作業を急がなければならない。↓

[抜粋]死刑事件では、弁護人が控訴取り下げの効力を争うことがある。だが、それよりも弁護人に望むのは、事件の教訓を社会全体で生かせるよう、被告の今を適切に発信することである。↓

[抜粋]今後は高いレベルでの優勝争いを牽引(けんいん)するだけでなく、最高位にふさわしい品格が一挙一動に求められる。↓

[抜粋]事件の行方を注視してきた現地の日本人社会、さらに日本の社会から見れば、司法手続きのあまりの粗雑さが際立つばかりだ。このまま裁判が終わるのであれば、日本側としては、事件の真相についてさらに当局者に説明を求めていく必要がある。↓


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