この社説が気になる(2024.9.1)
関東大震災が発生したことに因んで定められた「防災の日」。
それに関する話題を、朝日を除く4紙が採り上げた。
朝日は、8月30日の社説で、震災時に発生した朝鮮人虐殺、その追悼式典に追悼文を出さない東京都知事への批判を展開している。
産経が、「気象と防災の日」の設定をと、6月1日の社説に引き続きの主張を添えた。
この夏は地震と台風に翻弄された。台風に関しては現在進行形での警戒が必要である。
注目するのは、NHK国際放送での「電波ジャック」に言及した読売の一本と、兵庫県での百条委員会に言及した朝日の一本。ガバナンス(統治)の点から気になった二本である。
NHKの件では、電波ジャックした者が中国籍、かつ中国系メディアに出演していたとのこと。生放送で発言を制止できなかったことに読売は批判しているが、そうした不測の事態への備えができているメディアはあるのだろうか。スタッフ個人の判断でやったことなのか、実は裏で何かの力が働いての行為なのか、という想像をしてしまう。
兵庫県の件では、連日知事の行為が取りざたされている。そこも問題の一つだが、そもそも公益通報制度を適切に運用できなかった県庁の組織としての問題にもメスを入れてほしい。そこにも知事からの圧力があったのかもしれないが。
[抜粋]国際放送は、日本の政府見解や文化を外国や在外邦人に伝えるのが役割だ。放送法でNHKの本来業務と定められ、国から交付金も出ている。男性の発言は、放送の趣旨に反し、極めて不適切だ。↓
[抜粋]知事は30日の百条委で、処分について「必要な手続きはちゃんとやった」「今も適切だと思っている」と、従来の主張を繰り返した。だが、当初から処分に前のめりだった知事の姿勢が、調査や決定に影響したのでは、との疑いは解消されていない。↓
その他の各紙の社説
[抜粋]気がかりなのは、台風被害の目立つ地域が南海トラフ地震の警戒区域に重なることだ。巨大地震と風水害が相前後して起こる複合災害の対策は、具体的な議論がほとんどない。風水害が頻発する今、真剣に考えるべきだろう。↓
[抜粋]地震に加え、近年は、夏場の酷暑や豪雨、台風などによる複合災害の危険が高まっている。このため防災気象情報は年々、拡充されてきたが、逆に情報過多となり、受け取る側の住民や自治体が消化しきれない問題も生じている。↓
[抜粋]大地震と気象災害が重なる「複合災害」の危険度が極めて高い状況にあるという認識を共有し、政府、自治体、国民が連携してリスクの最小化に取り組まなければならない。↓
[抜粋]危機意識の高まりを一時的なものに終わらせず、日ごろの心構えと行動につなげることが肝要だ。鍵を握るのは防災訓練である。↓
[抜粋]大事なのは、共働き家庭も専業主婦家庭もみな安心して子育てでき、子どもが様々な経験や交流を通じて成長できるようにすることだ。待機児童対策から踏み出し、地域の保育基盤をどう整えていくか。国も自治体も新たなグランドデザインを考えるときだ。↓
[抜粋]金利が付かない世界に浸っていては、企業の新陳代謝が進まず、賃上げの動きも広がらない。日銀は金利を復活させなければ、経済が活性化しないと考えている。行き過ぎた金融緩和の修正を引き続き進める構えだ。↓
[抜粋]防衛省・自衛隊では、川崎重工業からの裏金接待疑惑や潜水手当の不正受給など、不祥事が相次いでいる。徹底した綱紀粛正と再発防止策が明確に示されなければ、膨張予算への幅広い国民の理解は得られまい。↓