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この社説が気になる(2024.1218)

今日の気になる社説
新聞社によるスタンスの違いがはっきりわかる話題が2つあった。

一つは、エネルギー基本計画。
経済産業省の審議会が、見直しの原案を示した。
再生可能エネルギーと原子力発電をともに最大限活用するとの内容で、特に原発に関する位置づけが注目された。
この話題に毎日を除く4紙が言及。原発の最大限活用を支持する産経、読売、日経に対し、朝日は批判した。言及しなかった毎日は朝日と同じ立ち位置。明日以降に言及するだろうか。

もう一つは、政治資金規正法の改正案に関する審議。与党だけでなく野党第一党を含む幅広い合意を得て衆議院で可決された。
この話題には読売、朝日、毎日が言及した。
先送りされた論点が残る一方、与野党歩み寄っての合意は評価できる。
毎日が前者に力点を置いた書き方になっているのに対し、読売は後者に力点が置かれている。朝日はその中間、といったトーンでの言及になっている。

エネルギー基本計画に言及した社説
[抜粋]再生エネを最大の電源と位置付けるのは妥当だ。加えて運転中は温暖化ガスを出さない原発の役割は重要だ。原発への依存度を「可能な限り低減する」としてきたこれまでの表現を削除し、安全の確保を前提に最大限活用する。↓

[抜粋]世界的に異常気象が頻発し、脱炭素の重要性は増している。ロシアのウクライナ侵略を受け、エネルギー安全保障も切実な課題だ。基本計画は、そうした観点から考えていくことも大切になろう。↓

[抜粋]日本では福島第1原発事故後に原発の新増設やリプレースの動きが止まり、関連企業の間で事業からの撤退や廃業の動きが顕在化していた。原発の活用方針が新計画に盛り込まれることで、原発技術の維持につながる効果も期待されよう。↓

[抜粋]事故の「深い反省」の上に歴代政権が維持してきた基本姿勢を、原発推進派が大多数の審議会の議論だけで変えることは許されない。政府はより多様な声を踏まえ、計画のあり方を熟慮すべきだ。↓

政治資金規正法改正案に言及した社説
[抜粋]改革に不十分な面は残っているとはいえ、与野党が互いに歩み寄り、合意にこぎつけたことは評価できる。政治資金を国民の監視下に置き、政治活動の公正さを確保することは重要だ。↓

[抜粋]野党も、来夏の参院選での争点化を狙って、議論をいたずらに引き延ばすようなふるまいは避けるべきだ。与野党が協力し、来年の通常国会で結論を出さなければならない。↓

[抜粋]自民の裏金問題が招いた政治不信を払拭(ふっしょく)するには、ここで手を緩めず、改革の確実な実行と、先送りされた企業・団体献金の見直しに向けた議論が不可欠だ。↓


その他の各紙の社説
[抜粋]組織として事後対応にも問題がある。不祥事が発覚した10月末から記者会見まで1カ月半かかった。被害状況の把握などに一定の時間を要したとはいえ、不安を感じる一般顧客や株主への説明責任を考えれば、迅速に説明の場を設けてしかるべきだった。↓

[抜粋]日本国の首相として真っ先に会談すべきだったにもかかわらず、外国の首脳や日本の私人に後れを取ったわけだ。石破首相や外務省は猛省し、外交力をもっと磨いてほしい。↓

[抜粋]ウクライナや中東での戦争により、国際秩序が揺らいでいる。自国第一主義の風潮が強まる欧州で政治が漂流し、自由や民主主義といった規範が損なわれる事態を懸念する。↓


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