10歳離れた兄妹の子育てメリット
私には9歳と19歳の子どもがいます。最近よく「10歳離れた兄妹の子育てってどんな感じ?」と聞かれることがあったので、メリットと少しのデメリットをご紹介します。
まずはじめに・・・・
私は離婚経験があり、息子は私の連れ子です。10歳の年の差になった経緯として、流産の経験や、経済的に出産するのが難しい時期があったこと、わたしが30代後半になり、さまざまな状況の中、このタイミングでやっと授かったことも先にお伝えしておきます。
①兄は小さなお母さん
長いこと一人っ子だった息子でしたが、10歳の時に主人と一緒に出産に立ち会い出産に臨みました。娘が生まれた瞬間に「なぜか涙が出る」と感動してくれたのは息子でした。私も助産師さんもその純粋な涙に思わず泣いてしまうということも。
しかし彼の「赤ちゃんは可愛いもの」という純粋な気持ちはすぐに打ち砕かれてしまいます。さすがに赤ちゃん返りとまではいきませんでしたが、今までは自分中心だった家族の生活が一変したので不満もあったのでしょう。
特に妹が2歳になってイヤイヤ期が始まると、つい手が出てしまうこともありました。年長者として弱者に手を上げることはあってはならないと、こんこんとお説教することもあったのです。
そんな息子でしたが、娘のおむつ替えはもちろん、私の体調が悪いときには一緒にお風呂に入れてくれたり、ご飯やおやつを食べさせてくれたり、立派な育児の戦力になってくれました。
保育園にお迎えに行ってくれることもあり、当時鬱病を患っていた私にとって、息子は小さなお母さんになってくれたのでした。娘がしばらく私のことを「ママ」息子のことを「お母さん」と言い間違えていたことも付け加えておきます。
②宿題を見てくれる
娘が小学生(6歳)になると息子が高校生(16歳)です。週末や長期休暇時などの小学校の宿題は、在宅で仕事をしていてもじっくり見る余裕がないこともあります。
そんな時には息子が、にわか家庭教師となって娘に勉強を教えることもありました。もちろんその後はお小遣いやジュースなどのご褒美付きです。ただし彼がお小遣いや対価(ジュースやアイスなど)を求めるなら
・わかりやすく教えること
・途中で問題が難しくて娘が不機嫌になっても上手に機嫌をとる
・その日こなすべき課題を最後まで仕上げること(丸つけまで)
・ジュースやアイスを買いに行くなら当然妹の分も買う
という条件を出してお願いしていました。在宅で仕事をしていると学校の長期休暇中は集中する時間が取れないので、彼が妹の宿題を見てくれている間は仕事の時間に充てることができました。
③進学の道しるべになる
息子が高校生や大学生になったことで、小学生の娘にとって兄がどのように進学していくのか明確なビジョンになりました。
息子は県内の中高一貫校に通い、県外の大学に進学しました。中高一貫校を受験するなら小3~4年生から、進学塾に通い受験に備える必要があります。
彼の通っていた学校は、高等部の修学旅行先が海外だったこともあり、娘は「絶対お兄ちゃんと一緒の学校に行きたい」という漠然とした憧れがありました。
しかし彼が高等部3年生になり、土日の休みもなく学校に通う姿を見て娘は「無理だ」「そんなに勉強したくない」と言いはじめ、最終的に「修学旅行が海外でなくてもかまわない、土日学校がお休みのほうがいい」と中学受験は辞めることになりました。
中学受験は子どもによっては向き不向きもあります。本人が行きたければ全力で応援しよう、辞めたいと言えば無理強いしないでおこうと主人と決めていたので、彼女の意見を尊重することになりました。
小学生ながらも彼女は、高校生になった後に大学生や専門学校生になる道もあるし、働く道もあることを知っています。今は兄が県外で大学生活を謳歌している姿を見て「私も大学生になる」「一人暮らしもしてみたい」と話すこともあります。
年齢が離れているからこそ、遠い自分の将来の姿を重ねて描くことができるのだと思っています。
④お金のこと
子どもが学校に進学すると、何かとお金がかかります。
特に息子の場合、私立中学~私立大学に進学したので想定以上に本当にお金がかかっています。(私は彼に大学進学は県内の大学、もしくは国公立進学を哀願したのにも関わらず)
中学生から文系私立大学を卒業するまでの学費だけでも、ざっくり1千万円くらいかかっており、県外の大学に進学したので仕送りを入れるとさらに増える計算になります。
中学受験をする際にも、進学塾代や塾に通う交通費、塾弁のかわりにパンや軽食を買うお金など、細かな出費が続きます。中学に入学したら学用品以外にも交通費、自転車代、部活にかかる道具代や小遣い、模試など細かな出費は枚挙にいとまがありません。
私自身、高校~短大(地元)が私学で、2歳年上の兄が同時期に理系私立大学(県外)へ進学したので、兄妹2人が大学に在籍した2年間は、家計が火の車だったと母からよく聞かされていました。
10歳の年齢差は、彼女の進学を考えたり、進学に備えてお金を貯めたりする時間もあるはずです。入学や進学のタイミングが重ならないので、学用品や制服購入などのお金が立て続けに必要になることはありません。
何にどのくらいお金がかかるか、進学するまでの道のりを経験しているので、娘の進学をどうしたらいいか、情報収集にも時間が掛けられるメリットがあるとも考えられます。
④デメリットは親のいろいろな体力
10歳差の子育ては正直「一人っ子を2人育てる」という感覚です。10年も経過すると子育ても一世代異なります。育児に関する便利なグッズも増えた半面、息子の子育ての時の見解と異なることもしばしばありました。
20代~30代の前半の子育ては比較的体力があったので、息子のサッカーの練習にも付き合い、一緒に汗を流して遊ぶことも楽しめました。しかし30代後半から始まった娘の子育ては体力的にきつく感じることも少なくありません。正直仕事のない日は身体を休めたいと思うことも多くなりました。
また将来的に家計の体力も厳しくなってくる可能性も大いにあります。娘が仮に大学に進学した場合、卒業する頃には私が還暦を迎えます。フリーランスで生涯働く覚悟ではいますが、おそらく徹夜で執筆したり、たくさんの案件を並行して進行することが厳しくなることが予想されます。
主人に至っては定年退職を迎えることも想定されます。主人はエンジニア職なので退職後も何とか職を探してもらい、二人とも働き続けなくてはならないかもしれません。会社員時代よりも収入が不安定に、あるいは額面が下がってしまうことは否めません。
2歳~3歳差で子育てをされているなら20~23年で子育てが終了される方もいらっしゃるかもしれませんが、10歳差の兄弟の育児となると少なくとも約30年間は子育てをし続けなくてはなりません。同世代が悠々自適な生活を送る中、娘はまさに反抗期や思春期を迎えるので、精神的にもキツくなることもあるでしょう。
しかし10歳差だからこそ、娘は息子の時よりも俯瞰で見られる部分もあります。(その話はまた後程記事にしていきたいと思います)
また10歳離れた兄が娘の将来について考えてくれていたり、娘は県外で暮らす兄の心配をしたりする姿は、私にとって何ともほほえましく、胸がきゅんとする瞬間です。
コロナ禍で頻繁に息子に会いに行けないからこそ、娘は兄に手紙を書き、また受け取った手紙を兄は大切に持っているという話を聞いて、年齢が離れていても互いのことを思いやる気持ちを持つ子どもたちに育っていることは、私にとって代えがたい宝物なのです。
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