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舘岡誠二俳句集 No1

俳人「舘岡誠二」の作品を毎回少しずつ綴っていきます。

舘岡の師は故・金子兜太先生です。

現在は、現代俳句誌「海原」同人

八郎潟町俳句会「寒鮒」同人

現代俳句協会名誉会員等。

秋田県八郎潟町在住。

句集「茄子の馬」より


  うしろの雁

雪吊のように踏んばる農一家

雪ほのぼのまぶたにのこる喪の提灯

雁が音や迷信で身を守るくせ

漂流仏たしかめ海女らの十二月

母が老い箸みじかめに持って冬

測れない雁の高さや喪を悼む

雪の夜のふるさとうろつく疣の神

しずかな闇ひとかたまりの寒立馬

遠い日の母は冬中割烹着

うしろの雁が大きくみえる港町

わら細工の神つくりあう氷点下

みちのくは雁の別れのめまいして

海の絵ハガキぬらしてみたい弥生かな

頑固者さくら吹雪のなかで酒


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舘岡誠二(たておかせいじ) 俳歴

1939年(昭和14年)10月14日生まれ 

19才より 俳句の道を志す

24才より 金子兜太先生に師事

     「海程」入会。

昭和40年 海程新人賞受賞

昭和62年 海程賞受賞

平成21年 秋田県芸術文化章受章

平成26年 秋田県文化功労者受章

平成27年 海程「海隆賞」受賞

平成27年 句碑建立

     (秋田県八郎潟町塞ノ神)

令和3年 文化庁「地域文化功労者」表彰

秋田魁新聞「さきがけ俳壇」選者

現代俳句協会 名誉会員

現代俳句全国大会 特別選者

地元の週刊新聞「湖畔時報」を発行中 

秋田県南秋田郡八郎潟町大道1-1 在住