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【発達障害・サイコパス】性格特性論というスカウターを外すか、つけるなら絶対値スカウターに改造せよ

性格特性論とは

MBTIの前提である性格タイプ論を理解しようとするときに、先に対極となる性格特性論を理解するための質問があります。

「身近な誰かを思い描いてください、その人の性格を3つ挙げてください」

「明るい」「優しい」「積極的」「我が強い」…といろいろありますが、これらの共通点にお気づきでしょうか?

そうです、すべてなんらかの基準値に対する相対的な程度です。では「なんらかの基準値」とは何でしょうか。

そうです、あなた自身の中でなんらか定義された「普通」に対してどれだけその人の性質が乖離しているか。では「なんらか定義」とはどんな定義でしょうか。

これは人それぞれですかね。その人のこれまで出会った総数の中央値かもしれないし、社会的に普通とされるものを自己解釈した結果としての普通がそれかもしれない。また同じぐらいの「優しい」でも、その人への期待値バイアスが混ざると「意外と優しい」みたいになって、他の人よりもビューンって跳ね上がったりもします。

要するに、多分に時代や文化、各人の記憶を反映した相対的で主観的なものなのです。そして私たちはその相対的で主観的な概念で人を評価しているということです。

これが性格特性論です。

性格特性論という得点制スカウター

性格特性論には社会的人気度(Popularity)が存在し、性格の内容によって「高ければ高いほど良い」「高すぎると良くない」などが集合的無意識として形成されます。

「明るい」「優しい」などはなんとなく高ければ高いほど良い感じがしますよね。一方で「我が強い」なんかは高すぎると良くなくてバランスが大事だ、みたいになりますよね。

社会はこの集合的無意識の中で、それぞれの性格の常識としての「普通」を定め、それに対してポイント制で「あなたのその性格は+5点」「あなたのこの性格はあまりに高すぎると良くないから-2点」みたいにしてきました。

そして、-10点を超える性格が発達障害やサイコパスのような診断結果として表れます。

ところで先日、健康診断でこう言われました。「ギリギリでメタボには該当しませんね、あなたぐらいの歳なるとほとんど該当するんですよ、良かったですね。」

よく考えてください。「ん??」って思いません?ほとんどの人が該当するという症状の基準値にギリギリ入らないってつまりどゆこと?顔面偏差値でいうと雰囲気イケメンぐらいの偏差値?それって基準なの?というか私はその基準値を超えてメタボという世界の扉を開けたときに身体に何が起こるというの?

社会を構成する基準というのは実に曖昧なものです。

発達障害やサイコパスの正体

さて、-10点だとあなたは残念ながら発達障害らしいです。-6点の人は要注意とのこと。

ではもし、「えっ、1つのことに5時間以上集中できないってマジ!?」「組織でリストラクチャリングをするときに部下の家族のことを考えてしまうって社会人として何を教わってきたの!?」という文化土壌で育っていたらどうだったでしょう?

こうやって考えていくと、見えない首輪に繋がれているような、色のついたスカウターを眼球に埋め込まれているような、感覚に少なくとも私は襲われます。

「個性はいいけど度がすぎると良くない」というのは軍隊を管理するときには良かったのかもしれません。

スカウターを改造せよ

特性論が悪いという感じにならないよう、ここから弁明します。

特性論は素晴らしいです。その人の個性を何よりも表します。相対的でも主観的でも、誰かがあなたをそう思うんだったら、それがその人の世界にとってのあなたなのだから。

前提があります、ポイントは絶対値であること。

特性は表裏一体です。マイナスにマイナスをかけたらプラスになります。誰かにとっての-10は、誰かから見たら+10です。

1万人の組織を変革するリーダーは多少なりともサイコパスでなければ、1万人それぞれの声を聞いてまわっていたら、きっと気が狂ってしまうでしょう。

目の前のその人の性格がどうしても憎らしくてたまらなかったら、いっそ自分が反対を向いてみたらどうでしょう。そもそも憎らしいというのは関心があるということ。ゼロにゼロをかけてもゼロです。良く言われる愛情の対義語は憎悪ではない、無関心だってやつ。

特性論を活かすならば、日本人につけられたスカウターを改造し、絶対値表記にしてしまいましょう。

MBTIとは異なる診断ツールで、この思想に基づき私がMBTIほどの敬愛はないが実務的に有用と感じているのがストレングスファインダーです。

これは各自の強みとなりうる資質を見極め、そこに投資していこうってものです。マイナスを見るのではなくプラスを追いかけていくスタンスは時代に整合していてこれから日本でも企業とかで浸透していくと思います。MBTIの性格タイプ論より日本人への導入難易度が低いのもいいですね。どこかのタイミングでストレングスファインダーについても解説したいと思います。





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