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同じ方向を見る人

私は作家サン=テグジュペリが好きで、日常で色々なことが起きると、よく彼の言葉が頭に浮かぶ。

ひとりひとりの個人は、それぞれひとつの世界なのだ 

 〜サン=テグジュペリ『人生に意味を』出典

ありがちなのはTwitter界隈でもよく悩みとして呟かれている『人との距離感』。親しくしていた人が急に冷たくなったとか、リプライしても返信がなく、ただおざなりにいいねの印だけつけられるとか。

こうして文章にしてみると、そうたいしたことじゃないように思えるけれど、実際にその立場を想像するとあまり気持ちのいいことでもないし、ましてそれが自分にだけ..となると微妙な面持ちがするのもうなずける。

学生の頃ならちょっとウェットに悩んだりもしたかもしれないが、今はわりとサクリと心を切り替えてしまうようになった。

それまで親しくしていたのに急に冷たくするには何らかの原因はあるのだろう。でもそれを相手に感じさせるのは少し大人げない。毎日顔を合わせる相手であればなおさらだ。

距離を置くのは心の中だけ、自分だけがわかっていれば良いのだと思う。
そもそも相手のことをほとんど知らないのに何を求めて責めることができるだろうか。

ぼくがこれほどあなたに執着しているのは、たぶんあなたを自分で勝手につくりあげているからだ

 〜サン=テグジュペリ『星の王子さま』出典

本当にそういうことだと思う。(こうして人は恋に落ちるのかもしれないけれど...)
だから相手に対して自分の理想を思い描いて、期待して、そうではなかった時に失望する。失望を相手の非のように感じてしまうことすらあるだろう。

いくつかの失敗を重ねながら私が思うのは、誰に対してもフラットな気持ちでありたいということだ。お互いに知り過ぎないくらいでちょうど良い。
そしてそんな中で同じ方向を見られる人と出会えたなら、それはとても幸せなことだと思う。

愛するとは、互いに見つめ合うことじゃない。ふたりで同じ方向を見ることだ。 

  〜サン=テグジュペリ『人間の土地』出典

ちなみにこの言葉は、砂漠で墜落した際に一緒に遭難した飛行家の僚友へ向けたものだ。
恋愛にしても友情にしてもこの言葉は私の指標になっている。

最後に、伊坂幸太郎氏の『砂漠』という小説にも登場するこの言葉を。

本当の贅沢というものは、たったひとつしかない。それは人間関係に恵まれることだ。  

  〜サン=テグジュペリ『人間の土地』出典  










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