nana

日常と音楽と猫🐈 やや頻繁に草野マサムネ

nana

日常と音楽と猫🐈 やや頻繁に草野マサムネ

マガジン

  • 美しい癒しの風景

最近の記事

  • 固定された記事

人として残念に思うのはエロ垢でも金ばら撒き垢でもない 相互になったとたんに相手を空気のごとく透明化して、数字の一部にしてしまうアカウントだ それは結婚をゴールと思う人か、始まりと思う人かの違いによく似ている その関係がかならずしも永遠とは限らないところも

    • グリフィスの傷

      ガラス表面には、他の物質と接触した時にできる極めて微小な傷が存在する。『グリフィスの傷』と呼ばれるそれはゆっくりと、しかし確実に表面に広がり、やがて何かの衝撃をきっかけに全体を破壊してしまう。 まるで人間の心と同じだね。 知らないふりをしてそっとかけらを拾い集める。

      • あなたへの手紙

        先日はあなたとお話できて良かった。SNSという繋がりの中で、いつも静かに優しく見守ってくれる人。 あなたは誰かのお母さんでもあるのですね。 画面の向こうにいるあなたの顔を声を、私は知らない。でも出会って2年の月日、いつもあなたがそこにいてくれたことを知っています。 信じていた人への信頼や好意が損なわれる日もあります。いろいろな思いを自分の中で消化していく毎日。 私は以前より少しだけ強くなった気がします。 それはきっと変わらないあなたの存在があるからなのでしょう。 あ

        • 『自分のことは話すな』

          というタイトルの本が話題のベストセラーになっているらしい。 私も最近タイトルと同じようなことを感じていたところだったのでタイトル買いしてしまった。 基本、他人に対してそこまで関心を持っている人は少ないと思う。むしろ個人のごく日常におけるプライベートな詳細は大半の人にとっておおよそ興味のない話題なのかもしれない。もちろん仲の良い者同士ならコミュニケーションとしての1つの話題になるのだろうけれど。 ただ、話す内容によってはあまりよろしくない方向で意外性を感じることがある。それは

        • 固定された記事

        人として残念に思うのはエロ垢でも金ばら撒き垢でもない 相互になったとたんに相手を空気のごとく透明化して、数字の一部にしてしまうアカウントだ それは結婚をゴールと思う人か、始まりと思う人かの違いによく似ている その関係がかならずしも永遠とは限らないところも

        マガジン

        • 美しい癒しの風景
          17本

        記事

          あなたの咲く場所

          「ななさん、ちょっとほら、これ」 パソコンのメールチェックから目を離して隣の席に座る上司のおじ様を見ると、自分のタブレットをこちらに向けてにんまり笑っている。 「この料理作ってみたんだけど、時短で美味いんだよ」 そこには美味しそうな料理レシピの画面が開かれていて、サッとスクロールすると昨晩彼の作った料理写真が現れる。ほぼ完璧なコピーに感心して思わずタブレットを覗きこんだ。 「えー、すごいじゃないですか。同じ盛り付けで美味しそうですね」 「うん、うまかったよ。簡単だからサッと

          あなたの咲く場所

          撫でてもらうの 週末 だから

          失礼だと感じるハードルの高さや基準は人それぞれで、それがわかっていてもモヤッとすることがたまにある。顔の見えない相手ならなおさらに。 職場などの実生活では、今は人に恵まれているようでお互いに自然な気遣いの中、気持ちよく働いている。何より信頼できるのは、職場内で誰かの悪口や愚痴を言わないこと。噂話をしないこと。笑顔で挨拶すること。この大人の対応だけで同僚、上司に好意と信頼が持てる。 というわけでモヤッとするのは大抵SNSによるものが多い。腹を立てるほどではないけれど、小さな

          撫でてもらうの 週末 だから

          本当に傷ついている人は沈黙するんだよ。 自分を大切にしてくれる人を大切にする前に、あなたは誰かを自分から大切にしてきたのかな。 言葉は時に思いもよらない意味を持ち、相手を傷つける。そう、なにげない善意にすぎなくても。 私は自分の心の弱さを人に晒さないだけの強さが、今欲しい。

          本当に傷ついている人は沈黙するんだよ。 自分を大切にしてくれる人を大切にする前に、あなたは誰かを自分から大切にしてきたのかな。 言葉は時に思いもよらない意味を持ち、相手を傷つける。そう、なにげない善意にすぎなくても。 私は自分の心の弱さを人に晒さないだけの強さが、今欲しい。

          心の中の椅子

          彼の訃報を知ったのは偶然目に入った新聞のお悔やみ欄だった。 仕事で何種類もの新聞を受け入れする。その中には私の地元のごく狭い地域にしか配達されない新聞も含まれており、地元から遠いこの職場には郵送で届く。 いつもはそのまま受付して配架するのに、その日は何となく気になり地元新聞をめくっていた。地域色豊かで小さな頃から慣れ親しんでいた夕刊。懐かしい洋菓子店の広告や高校生の頃に通った小さな映画館の上映案内などをさらさら読み流しているうちに、ふと目が留まる。心臓がざわざわと波打ってく

          心の中の椅子

          猫を待つ書斎の窓

          いつも少しだけその窓はあいている。晴れの日も雨の日も、冷たい風の通り抜ける冬の日も日差しのふり注ぐ夏の日も。 毎日の散歩道にある家の一階窓。ひっそりとあいた窓の向こうには飴色の書棚に几帳面に並べられた本が見える。 どんな方が住んでいるのだろう。網戸ごと開けられた窓を横目に何となく違和感を覚えながら通り過ぎる。数ヶ月後にその住人と本の話をすることになるとは夢にも思わずに..... 少し肌寒くなってきた秋の日、大事な猫が家からいなくなった。その日から『猫を追いかけて』で書い

          猫を待つ書斎の窓

          #私が一番恐ろしかった本

          Xで『 #あなたが一番恐ろしかった本 』がトレンド入りをした。 恐ろしかった本と言われて真っ先に思い浮かぶのは小野不由美さんの『残穢』というドキュメンタリーホラー小説だ。 『残穢』は造語のため辞書には載っていない。しかし漢字から推測できるよう、『残った穢れ(けがれ)』を表す。 家、または部屋に残された穢れ。簡単に言うと事故物件ということなのだろうか。小説のあらすじをかいつまむと... あるミステリー作家のもとへ1通の相談の手紙が届く。それは彼女の住むアパートの一室の和室

          #私が一番恐ろしかった本

          ひとを好きになるのには時間がかかるけれど、そうでなくなるのには... とぼんやり思う真夜中 変わらないものなんてないのだけれど 少し寂しいね 〜時間は流れていくし、人も流れていく。  変わらずにはいられないんだよ     江國香織『きらきらひかる』

          ひとを好きになるのには時間がかかるけれど、そうでなくなるのには... とぼんやり思う真夜中 変わらないものなんてないのだけれど 少し寂しいね 〜時間は流れていくし、人も流れていく。  変わらずにはいられないんだよ     江國香織『きらきらひかる』

          永遠解く力をください

          26年間の命から溢れ出る言葉はキラキラと涙の雫となって心の深い部分へ染み透っていく。   切れやすい糸でむすんでおきましょう   いつかくるさようならのために 作者の笹井宏之さんは26歳という若さで2009年に夭折した歌人。身体表現性障害という病で療養されていた。 身体表現性障害とは、自分以外のすべてのもの、例えば本や音楽、街の風景、誰かとの談話、木々のそよぎ...どんなに心地よさや楽しさを感じていても、それらは痛みや吐き気、痺れなど耐え難い症状をひき起こし、心身に苦痛

          永遠解く力をください

          猫を追いかけて(2)

          2024年、元日早朝に家のインターフォンのベルが鳴った。静かな朝の住宅街、もしかしてという胸騒ぎに階段を駆け降りる。 玄関を開けると知らないご婦人が車を停めて立っていた。 「あの、探されていた猫は見つかりましたか?」 あの子の情報⁉︎ひょっとして保護して連れてきてくださったのだろうか。 「いいえ、まだ...」車の方に思わず視線が走る。ご婦人の方も興奮気味にスマホをなぞり、画像を探っている。 「今朝うちの庭にね、似ている子がいて写真を撮ったんです!」 スマホを覗き込むとそこには

          猫を追いかけて(2)

          猫を追いかけて(1)

          あの日から私の生活は一変した。我が家の大切な家族だった猫が突然姿を消したのだ。何の手掛かりもないまま、昼夜の区別なくひたすら捜索する日々。あの子を再びこの胸に抱きしめることを信じて、そして今、またこれから同じ思いをするかもしれない猫飼いさんへの共有として捜索の日々を記録しようと思う。 あの日の午後、私は買い物に出かけた。いつものように玄関で見送ってくれた2匹の猫達に「すぐ帰ってくるからね。美味しいものを買って帰るよ」と頭を撫でて。 2時間後に帰宅した時、しばらく旧実家に戻

          猫を追いかけて(1)

          ある昼下がり

          「美味いチキン南蛮といえば◯◯なんだよね」 話好きの先輩の声がする。パソコンから顔を上げるとどうやら私に話しかけているらしい。 「◯◯ってどこにあるんですか?」 聞けば毎日通っている通勤路、そんなお店あったっけ...?と思い巡らしつつも店名をメモる。 「いや、汚い店なんだけどさ、美味いんだよ。ラーメンもあってさ。ただ量が多すぎるんだよね」 帰り道、教えられた場所には看板が剥げて店名もよくわからない小さなアジトのような建物が佇んでいた。 そして日曜日の昼、私はこの列に並ん

          ある昼下がり

          コトバ以上のもの

          いつも見てくれてありがとう 本の感想も 小さなタグさえも肯定してくれるあなたへ 心が痛む日があっても 私の小さな呟きに 気づいてくれるあなたがいるから 私はまた前へ進める あなたは今 幸せでしょうか 私の知らないあなたの日常のなかで あなたの見ている風景を いつの日か また一緒に眺められたら コトバは大切だと思って生きてきたけれど コトバ以上に人の心を温かく包み込み または傷つけるものがあることを知った 魔法のコトバ / スピッツ

          コトバ以上のもの