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知らないと損をする言葉のお話「バーナム効果」

星座占いなど個人の性格を診断するかのような準備行動が伴うことで、誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分、もしくは自分が属する特定の特徴をもつ集団だけに当てはまる性格だと捉えてしまう心理学の現象。

コールドリーディングやフォアラー効果、血液型占いなどなど、関連した事例を挙げればきりなく出てくるでしょう。

特にどこの馬の骨ともわからない私のような人間の、こういった文章をnoteで読んでいる方の特徴は大きく分けて以下の2パターンになるでしょう。

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「あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それにかかわらず自己を批判する傾向にあります。」

「あなたはある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱きます。」

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当たりましたか?

こういった実験を学生に対してして、0(まったく異なる)から5(非常に正確)の段階でそれぞれに評価させた。このときの平均点は4.26であったとのことです。

それっぽい雰囲気を作ってタロットカードといったそれっぽい雰囲気の道具を使えば信頼度は高まるでしょう。

今生きていられる私たちの種族は未来に対しての危機察知能力が高かったから生き残ってきた人種の様です。未来に対して常に不安を持っているのですね。だから何かしようとする。
それはいいのですが、やっぱり不安は不安です。

そういった時に信頼できる、自分の指針を示してくれる何かが欲しくなるものでしょう。そういった時にこのバーナム効果を使って悪徳商法の人は信頼を勝ち取ったりします。

「この人は私のことを理解してくれている。こういった人のいう事であれば信じていいかもしれない」
そうやって物事を売りつけていくわけですね。そんな単純な…と思うかもしれないですが、身近で使うと効果的な(というか無意識にやっている)こともあります。

「君の未来のことを思ってこう言っているんだよ」

未来のことは誰にもわからないですが、将来について不安を抱えている人に対しては刺さるでしょう。先ほどの「あなたはある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱きます。」と組み合わせてみましょう。

もし部下やバイトの子が「自分にとって望ましくない提案(めんどくさいなぁ、やりたくないなぁ)」をしてきたときに、単に「ダメだ」と却下するのではなく、こんな表現で止めることができるかもしれません。

「あなたはある程度の変化や多様性を好む人だと思うからこういったことを言ってくるのもわかる。でも会社の決まりが結構ややこしくてそういったものに直面したときには不満を抱いて、もともとやりたかったはずのことも文句に変わってしまうかもしれない。だから冷静にもう少し場面を見てみよう。君の未来のことを思ってこう言っているんだよ」

即席で作ったのでいびつかもしれないですが、先ほどの誰にでも当てはまる言葉を添えることで「ダメだ」相手の意見を却下するより効果的にやらなくて済む可能性があります。
さらに結果としてその案を却下することには成功しているのに、部下やバイトからは「この人は俺のことをちゃんと考えてくれてるんだ。うん、ちゃんと指摘してくれてありがたい。やめておいた方がいいな。」なんてポジティブにとらえてくれるかも知れません。

こういった誰にでも当て嵌まるような武器を持っておき、ケースに対して使い分けることで全員にとって幸せな状況を作り上げることもできるかもしれません。

そして、「この人私の事よくわかってくれてる!」と思った時は、自分がこういった「バーナム効果」を使っていないか、一度冷静に立ち止まって考えるためにも、ぜひ知っておくといい単語かと思います。

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