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セファロスポリン系抗菌薬の供給状況(9月2日現在)

こんにちは。
以前に、特に医療用医薬品の供給困難問題が深刻であるセファロスポリン系抗菌薬について、製造販売元からの供給状況をまとめました。

現在の状況を比較しましょう。

今回も、情報元は、厚生労働省が取りまとめて公表しているものを参照し、それを集計して、グラフを作成しています。

セファロスポリン系抗菌薬の供給状況

情報源から、9月2日現在として公表されているデータを用い、セファロスポリン系抗菌薬のうち、注射薬と内服薬について、世代ごとに供給状況をまとめました。(外用薬やジデロフォアセファロスポリン系注射薬は少数であるため、含めていません)
製造販売業者の「出荷対応」の状況を、通常出荷限定出荷供給停止の3つにまとめています。

図1. セファロスポリン系抗菌薬の出荷対応状況(令和6年9月2日現在)

ここで、前回の7月1日現在のデータと比較してみます。
第1・2・3世代のセファロスポリン系抗菌薬の注射薬については、通常出荷数が増加しているなど、若干供給状況が増加してきているようにも見えます。8月26日にセファメジンの複数規格が「通常出荷」になったなどの影響があると思います。
注射薬は、急を要する事態に必要ですので、若干の改善傾向がでてきているのは、非常に嬉しいニュースです。

このデータは製造販売元からの供給状況であり、卸からの出荷状況でもなく、それぞれの医療機関への入荷状況でもありません。通常出荷になれば、即、容易に入手できるわけではないことを、ご理解ください。

このデータを見る際の注意事項・お願い

内服薬については、相変わらず「通常出荷」は0というきびいしい状況です。一部、第2世代が1銘柄だけ「供給停止」から「限定出荷」になっていますが、その他は変わりありません。相変わらず、供給困難な状況が続いていることがわかります。

8月5日に「供給停止」から「限定出荷」に変更された品目もあったため、今後は、供給状況が徐々に改善するのではないかという希望的観測を持っているのですが、まだまだ、時間がかかりそうです。

図2. セファロスポリン系抗菌薬の出荷対応状況(7月1日(左)・9月2日(右))


日々の情報はこちらにまとめています。

https://ph-info.info/iyakuhinkyoukyu

どうか少しでも医療用医薬品の適正使用のために、状況が改善されますよう。

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