セファロスポリン系抗菌薬の供給状況(6月3日現在)
医療用医薬品の供給困難問題は以前から継続していますが、抗菌薬の製造、及び、他の製薬企業に対して原薬供給(製造委託)をしていた工場において、不適切製造の事実が発覚したことも重なって、抗菌薬の供給が非常に困難を極めている現状にあります。
そこで、厚生労働省が取りまとめて公表している医療用医薬品供給状況(6月3日現在)のデータを見てみましょう。
薬効分類ごとにまとめます。抗菌薬に関連する薬効群を見てみましょう。
薬効分類ごとの医療用医薬品供給状況
抗菌薬に関連する薬効群について、薬効群ごとに、製造販売業者の「出荷対応」の状況を、通常出荷・限定出荷・供給停止の3つに分けて示しています。
内服薬では、特に、「613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの」「614 主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用するもの」の供給が困難である状況が見えます。
内服薬の「613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの」は、製造販売業者の「出荷対応」の状況が、通常出荷である品目は、10%未満です。
注射薬の方は、内服薬と比較して出荷状況が安定しているようにも見えますが、「613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの」のうち通常出荷されているのは1/3と、制限がある状況には違いありません。
セファロスポリン系抗菌薬の供給状況
世代別
次に、セファロスポリン系について、見てみます。
内服薬の出荷状況は、極めて厳しい現状にあります。通常出荷はごく一部の品目のみです。しかも、これは製造販売所の出荷対応の状況であり、卸からの出荷状況とは異なります。
成分別
次に、内服薬について、成分名ごとに状況を見ていきます。表は、世代ごとに記載し、AWaRe 分類も併記しています。
医療用医薬品の供給困難に際し、患者様はもちろんのこと、医療に多大な影響を及ぼしています。その中でも最前の医療が提供できるよう、努めてまいります。
供給状況は引き続き注視していきます。
これまでの、医療用医薬品供給状況をまとめた記事です
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