第2回 精神科の上手なかかり方【無料】
うつ病シリーズ第2回のテーマは、どのように精神科にかかるのが良いか?です。精神科を受診しようか迷っている方、すでに精神科にかかっている方にも楽しんで頂ける内容です。
まず、精神科にかかるとなると、真っ先に不安になるのは経済的な負担かと思います。精神科は内科や外科とは違い、ある程度長期間通うことになることが多いです。というのも、うつ病は治るのに時間がかかることや、抗うつ剤の効果がすぐには出ないこと、そして再発しやすいこと。この3つが精神科治療の期間を長くさせているのです。
そうしますと経済的負担はそれなりに大きいものになります。薬の種類や受診頻度にもよりますが、2週間に1回受診し、薬を3種類くらい出してもらった場合、概ね月の出費は8,000円程度でしょう。しかしこれには対策方法があるので、詳しく知りたい場合、第1回の記事(100円の有料部分になってしまうのですが)をご参照ください。
次に診察はどのように進められるかという事ですが、初診の時は30~60分かけて、症状や生い立ち等の疾患に関することを医師から尋ねられます。このとき、きちんと医師に自分の症状や困っていること、こういう風に治りたい、と言ったことをうまく伝えることが大切です。
医師にきちんと症状を伝えられるか不安な場合にお勧めなのは、A4用紙表1枚分くらいを使って、医師に伝えたいことを簡潔にまとめて渡すといいでしょう。そうすればありがちな「あの事も診察で言えばよかった」と後悔することがありません。医師に伝えたいことはどのように書いたら良いか、例を記します。あくまで例ですので、参考程度にして下さいね。
まず、タイトルに「困っていること」「お伝えしたいこと」などと書きます。そして、箇条書きで名前と性別(LGBT等あればそれも書いても良いです)と年齢、既往症・飲んでいる薬(なければこの項は無くても良いです)を記します。
ここから症状を書きます。ポイントはいくつかあります。まずはいつから症状が出たのか、1か月前なのか1年前なのか、時間的な事を書くのがポイントです。例えば「1か月前に昇進したときから~」「幼少時から~」などと書きます。
次に症状を書きます。ここは、自分の苦しみがどのようなものであるのかを詳しく書きます。専門用語などは控えて、ご自分の言葉で書くのが良いでしょう。例えば「抑うつ状態が続いている」「希死念慮が強くなっている」などではなく、「気持ちが落ち込んで物事をすることが億劫になっています」「死にたいという気持ちが強く出てきて、普段何でもない時に涙が出てきます」などの様に書くと良いでしょう。
症状を書いたら次は、どんな風に仕事や生活に影響が出ているかを書きます。例えば「仕事でミスが増えるようになって叱られるようになりました」「食欲が減って体重も1か月で5㎏減りました」「歯を磨いたりお風呂に入るのもしんどいです」「夜中寝付かれない日が多いです」「夜寝られないので日中に眠気が来て運転が危険です」などと、症状が生活にどれほど影響しているかを書くことで、症状の重症度を伝えることが出来ます。
それを書いたら、次はどうなりたいかを書いておくと良いでしょう。この時も自分の言葉で書きます「うつ状態を治したい」ではなく「気持ちの落ち込みを治して仕事に集中できるようになりたい」、「希死念慮を消してほしい」ではなく「死にたい気持ちが辛いので軽減してほしい」などです。
あとは、治療方針の希望があれば書いておいても良いでしょう。「夜眠れるようにしてほしい」「昼間眠くならないようにしてほしい」などです。あまり多く書くと治療の選択肢が減るので気を付けましょう。なお、専門的に薬を指定して、これこれを出してほしい、と書くようなことは避けたほうが良いです。どうしても薬の希望を伝えたい場合、「同じ症状の友人から聞いたのですが、エビリファイっていう薬がすごく効いたっていうので、私も気になっています」などやんわりと言いましょう。
うまく病院にかかると、治療はうまく生きやすいです。その為にも、症状をきちんと伝え、困っていることを医師に知ってもらい、医師との良好な関係を築くことが大切です。
困っていること、つまり症状を書きます。症状は「いつから」始まって、症状が出る「きっかけ」があればそれも書いたうえで、