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星獲りの遊び
僕たちは彼等を失明させることにした。
もともと目が開いていても見えていないようなものだったのだから、失明させても問題ないだろうという判断だった。
一部からは、それはやりすぎではないかという声も上がった。
ただ、それを押しのける形で強硬的に失明の判断が下ったのだ。
彼等はやり過ぎた。
だから彼等は光を失うことになった。
それだけのことなのだ。
それでも彼等の守護者たる僕たちが、彼等を見捨てるようなことをするという行為が非難されている。
見捨てるという言葉は、僕たちにはとても苦いものだ。
しかし、僕たちよりも前に彼等を見捨てたあの人たちから言われる筋合いはない。
そしてあの人たちも、既に手放した彼等について口を出すべきではないのだ。
僕たちが彼等をどうしようが、それはあの人たちには関係がない。
育てるのを放棄した者たちに、口を出す資格はない。
それがこのゲームのルールだ。
千年単位で勝敗が決まり、ゲーム中に手放したものは二度と手に入らないし次のゲームでも手に入らない。
あの人たちは七回前のゲームで彼等を手放した。
それを僕たちが拾った。
そして僕たちは以降のゲームでも彼等を育て上げた。
今回だってそうだ。
僕たちは彼等を失明させるだけであって、彼等を手放すわけではない。
あの人たちとは違う。
そもそもこの判断が下ったのは、彼等自身のせいなのだ。
目が見えているのに、見えていない。
見なくなったと言ってもいい。
増えるだけ増えて、その後のことを考えていなかった。
何が起こるか予測できる頭脳があるにもかかわらず、賢明な判断をしない。
手を差し伸べることは出来たのに、それをしない。
下だとみると叩き潰す。
恩恵は侮辱と受け取る。
違いを強調するわりに全てを同じにしたがる。
余計な物ばかりに目がいっている。
だから僕たちは彼等の目を閉じるのだ。
見えなくなれば彼等も少しは変わるだろう。
もちろん、良い方に。
僕たちはそれを願って彼等を失明させた。
このゲームはまだ折り返し地点だ。
僕たちの判断が間違っていなかったことは、百年も経てばわかるはずだ。
間違っていない。
僕たちは、きっと間違っていない。