四苦八苦 見事に苦しみを体系化している
先日、私の応援しているアイドルの新曲披露イベントで、メンバーが「レコーディングは本当に四苦八苦で…」といったコメントをしていた。
慣用句的に使っているときは言葉の意味なんてそこまで深く注意を向けないが、この言葉はもともと仏教の用語からきている。
まず、生、老、病、死の4つ。
生まれること、老いること、病になること、死ぬこと。
これが四苦。人間として生まれた以上避けることの出来ない苦しみとされる。
これにさらに、以下の4つの苦しみを加えて、八苦。
愛別離苦(あいべつりく):
愛する人と、必ず別れがくる苦しみ。
怨憎会苦(おんぞうえく):
嫌いな人に会わないといけない苦しみ。
求不得苦(ぐふとっく):
欲しいものが手に入らない苦しみ。
五蘊盛苦(ごうんじょうく):
自分の心や体が思い通りにならない苦しみ。
前段の四苦4つは人間という生命の避けられない枠組みに着眼されており、八苦の4つは人間関係が2つ、物質との関係が2つ、が1つ。
そんな感じに私は理解している。
うまく体系化されている。
抜けてるものがあるとすると、孤独感からくる苦しみとか、過去のトラウマから逃れられない苦しみとか、そんなところだろうか。
でもそれらも、結局は五蘊盛苦に集約されるのかもしれない。
生きていると苦しみの連続である。
どの時代も、どのような立場にあっても。
釈迦の時代からこのような概念が整理されて、2000年以上もこの考えが語り継がれてきているのだから、そういうものなんでしょう。
人間とは苦しむもの。そう諦めて過ごすと、多少気持ちはラクになる。