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円周率について思うこと

円周率=円周÷直径=3.141592…

これは、小学生で習う基本的な概念だ。

高校数学や物理、工学などを学んでいくうちに、この円周率という概念はあらゆる場面で登場し、より深く理解する必要が出てくる。

高校生の頃、微分積分や三角関数を学び始めたとき、ふと疑問が湧いた。
なぜ、円周率は「直径」で定義されているのか? 
「半径」で定義した方が直感的ではないのか?と。

調べてみると、やはり同じ疑問を持つ数学者たちが存在していた。
彼らは、半径を基にした定義の方が法則が直感的で美しく整理されると主張しており、そのために τ(タウ) を提唱している。
τ = 6.28318… 、つまり、現在の円周率 π の2倍の値だ。

なるほど、自分の感覚は間違っていなかったのか。
自分は数学の専門家でもなんでもないが、同じ考えを持つ数学者はいるものなのか。
そのように思った。

前々から気になっていた有名な式がある。

e^iπ + 1 = 0

これは「オイラーの等式」と呼ばれ、数学史上最も美しい方程式とされている。
自然対数の底であるネイピア数 e、二乗すると-1になる虚数単位 i、そして円周率 π という、直感的には無関係に見える3つの重要な定数が、ゼロとイチとともに一つの等式に収まっている。
確かに、美しいと言われれば納得できる。

しかし、この美しさは本当に「真実」なのだろうか?
もし、数学の世界が τ を使っていたなら、どうなるだろう。

e^iτ = 1

となる。非常にシンプルだ。
そして、個人的にはこの式の方がより美しいと思う。
先に挙げた等式は、 e^iπ = -1 という式の右辺-1を無理やり持ってきて左辺に置いているように感じる。
そこに、何らかの人為的な「美しさ」が加えられているように見えてしまうのは私だけだろうか。

現実には、π は長い歴史を経て標準として広く受け入れられており、数学や科学の多くの分野に深く定着している。
これをいきなり τ に置き換えるのは膨大な修正を要するため、現実的にはまず不可能だろう。

ただ、もし地球外の知的生命体が地球を観察し、我々の数学の発展を俯瞰していたら、こう思われるかもしれない。
「あれ? この星の人たちは、なぜ直径で定義しているんだろう?」と。
それどころか、彼らはさらに「そもそも10進数を使っているのもおかしい」とツッコミを入れてくるかもしれない。
10進数が広く使われている理由は、人間の指が10本だから、という説が有力とされている。
指の数が違うか、別の数え方を考案していれば、今当たり前に使っている0~9とは別の数え方が一般化していてもおかしくはない。

常識だと思われていることを少し疑ってみると、面白い。

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