きみがいてくれたから
あまり他者との間に強い依存関係を持たずに生きてきた。
学生時代の友人や先生、バイト先の同僚、職場での同僚、同じ趣味の知人、地域での知人。
こうした人たちとは、良くも悪くも適度な距離感を保ってきた。
その結果、自分が「友達」だと思える人は一定数いるが、「親友」と呼べる人はほぼいない。
ただ、それでも家族は別だと思う。
自分の親と兄弟、そして、妻と子供。
自立してからは親や兄弟と会う機会や連絡を取り合う機会は減ったが、それでも連絡したときには、自分のことを無条件で受け入れてくれる。
そして、今現在共に暮らしている妻と子供もまた、無条件で自分を受け入れてくれている(というか、依存されているのかもしれない)。
こうした関係の人が自分の周りにいることは、やはり幸せなことだと思う。
友人関係に深い付き合いを求めないでいられるのは、家族のように無条件で受け入れてくれる存在がいるからなのかもしれない。
もともと自分は1人でいるのが好きで、休日はゆっくり本を読んだり、1人で行動することを好んでいた。
しかし、子供が生まれてからは生活が一変し、大部分は子供と過ごす時間に費やしている。
公園に行ったり、一緒にテレビゲームをしたりと、かつての1人時間とは全く違う日常だ。
自分の時間が持てず、フラストレーションを感じる時期もあったが、今ではその生活に慣れた。
子供は時間の経過とともにどんどん自分の手から離れていく。
だからこそ、一緒に過ごせる時間はなるべく大事にしたいと思うようになった。
今は、家族を養う責任がある。
時折、仕事に対して「なんでこんなことをやらなきゃいけないんだ?」と思うこともあるが、そうした悩みも家族のためと思えば自然と受け入れることができるようになった。
なんだかんだ、家族は大切だ。
守るべき存在がいることで、生きる意味が少なからず自分の中に生まれているのだから。
話は変わるが、スピッツの名盤『空の飛び方』が、発売から30周年を迎える(本日、30周年を記念したアルバムが発売された)。
このアルバムは、小学生から高校生までの間に何度も繰り返し聴いた思い出深い作品だ。
アルバム名を知らなくても、「空も飛べるはず」という曲を知らない人は少ないだろう。
家族を持った今、改めてこの曲の歌詞を読むと、その真っ直ぐなメッセージが心に響く。
ちなみに、個人的には同じアルバムに収録されている『ラズベリー』が一番のお気に入りだ。
ドストレートにド変態な歌詞をポップに唄う姿が、スピッツの魅力だと勝手に思っている。