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仮面をつけた姿がだんだん様になっていく

職場では役割を演じている。仕方のないことだ。組織の性質や与えられた職務、役職、そして社内外の関係を考慮しながら行動を選択していかなければならない。それが組織で働くということだと割り切っている。

そんな考えで入社1年目を過ごし、気づけばもう10年以上が経った。いまだに仮面をかぶり続けている。年齢を重ねても自由に振る舞えるわけではなく、むしろ後輩が増えるにつれて、彼らにも気を遣う必要があり、仮面を外せる気配はない。

仮面をつけた姿がだんだん様になってくる。それどころか、自分が仮面だと思っているものが実は素顔なのだろうか。この今のキャラクターこそが、自分自身なのかもしれない。

職場に在籍する時間が長くなるほど、そのキャラクターが定着してしまい、変えるのは難しくなる。「自分」とは、自分の内面に蓄積されているものだけでなく、他者との関係性の中で定義される部分の方が多い。関係が深くなりすぎて、その人となりが組織内で共有化、定着化してしまえば、変化はますます難しくなる。同じ組織で同じ人たちと働く時間が長くなればなるほど、「自分」を変えるのは難しくなるのだと思う。

もはや仮面が様になるというより、仮面をかぶった姿が「真の姿」なのかもしれない。デーモン閣下はあの状態が素顔で、人間の状態が「世を忍ぶ仮の姿」だという。それと同じなのかもしれない。

転職など、環境を変えることの大きなメリットの一つは、この「仮面」を外すチャンスが得られることではないだろうか。転職の際には、仮面を外すのか、新しい仮面を選び直すのか、じっくり考えて行動したい。せっかくのチャンスなのだから。

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