配属ガチャの次は上司ガチャか
これだけ若い人に気を遣って配属しても、結局現場での人間関係が合わなければ「ガチャに外れた」などと言われてしまう。
上司もたまったものではないだろう、とつくづく思う。
仮に上司ガチャが「当たり」だったとしても、先輩ガチャ、同期ガチャ、取引先ガチャ、何だってガチャの要素はある。それらすべてに当たりが出るなんてことはありえない。
世界の創造者でもない限り、自分でコントロールできない領域があるのは当たり前の話だ。人間関係しかり、与えられた仕事もしかり。
そもそも、個人のやりがいや思いと組織の方向性が完全に合致することなんて、ほとんどないと思う。
長く組織に勤めている人というのは、その塩梅を理解しているものだ。やりたくない仕事が目の前にあるのは、みんな一緒。
上司はそうした現実を受け入れ、仕事をこなしてきたからこそ評価され、今の立場にいるのだろう。
組織なんてどうしようもないことだらけで、その中でどう行動するかが大事なのだ。
もちろん、人手不足の中で若手世代に配慮した環境を整えなければ、人が集まらないし、すぐに辞めてしまうという現実もある。それはわかる。
ただ…自分のやりたいように働けるのが当たり前という考えには、正直違和感がある。
やりたくない仕事や意味の乏しい雑務も存在する。それを含めて、上司は現実を受け止め、仕事を差配しなければならないのだ。
そして、世代も違えば、就職時の採用市場も異なる。これまでに置かれた環境に依存して、考え方のバイアスはある程度かかってしまう。
今でこそ徐々に減りつつあるが、筆者が就職した2010年代初頭はパワハラ気質の人は普通にいた。
法に触れる行為は別として、上司から細かい指摘を受けるのは当たり前だと思っていたし、正直それは今も変わらない。
ある意味、上司にとっても部下はガチャだろう。人間、合う人と合わない人がいるのは当然だ。
それを前提に、仮面を被って仕事をしていくしかないのだろう。上司にしても、部下にしても。