コースケコーチの出来るまで。16
相変わらず親父は早く帰って来て練習を続けた。
毎日が合宿の様な日々だった。
そのかいあってか…冬を越えて春になる頃には「HISASHI」君のボールを逸らす事は減っていた。
冬の間に新戦力の「ヨシハシ」君も入り戦力も厚くなった。
春の大会ではブロックを勝ち進み本大会でもベスト8まで勝ち上がった。
しかし、当時のリトルリーグも連投は許されておらずダブルヘッダーの試合は最低でも2人ピッチャーが必要で絶対的エース「HISASHI」君と新戦力「ヨシハシ」君が投げていた。
「ヨシハシ」君はストライクが急に入らなくなる「突発性四球症候群」に悩まされており発作が起きると手がつけられずなす統べなく敗れる事があった。
春の敗北もそうだった。
まぁ、しかしそこは子供だ。
ベスト8に勝ち進めた満足感と夏もなんとかなるって甘い考えは少なからずみんな持っていた。