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コースケコーチの出来るまで。12

書き始めて昨日、はじめて休んだ。
なぜなら5月29日は親父の誕生日なのだ。

親父は誕生日や父の日などのイベントが滞りなく行われないとぶちギレる。
「この歳の誕生日は今日しかねぇんだ!」小さい頃に何度も聞いたフレーズだ。
母の事だ親父の誕生日を忘れるなんてミスはする筈ない。
じゃあなんでか?
食べたい物が出なかったか、ビールが冷えてないか、特別な酒がプレゼントとして用意されてなかったか…。多分そんな所だ。

誕生日なんだから「親父の食べたい物を出してあげれば良いじゃない」って思うかもしれない。
母は「何が食べたい?」って聞いてるんだ。でもだいたい親父は「何でもいい」って言うんだ。
この親父の「何でもいい」がマジで「罠」。
母が親父の好きそうな物を用意しても「今日はこの気分じゃないからいらない」と言い、終いには「食べる物がない」と不機嫌になったり買ってきて皿に盛り付けたばかりの刺身を「生臭い」と言って箸をつけなかったりする。
もちろん「何でもいい」を真に受けて適当に用意なんてしたら大変だ。大きめなお膳がひっくり返る。

母はその日の気温、親父の仕事の入り具合、なんとなく話した会話の中から情報を集めて毎日の夕食を用意している訳だ。
イベントの日は母のプレッシャーったらない。僕もプレゼントに毎回頭を悩ませたものだ。
だが、だいたい何を渡しても何かしら文句を言うので諦めた。

そんな親父も66歳だ。
子供達にそのパートナー、孫に囲まれて誕生日を祝われて嬉しそうだ。
相変わらず酒なんかをプレゼントしても「良い酒は口に合わねぇ」と言っているが…。

明日は僕の野球人生に戻る。
爆裂親父の特訓だ。心臓が弱い場合は見る事をご遠慮願いたい。

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