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【公務員の転職】〜侮るなかれ、民間でも生きるロジ能力〜

こんにちは。
今回は、「公務員のロジ能力が民間の仕事でどのように生きるか」について、私の経験から書いてみたいと思います。

公務員業界用語?「サブ」「ロジ」

さて、公務員ではない方、公務員と一緒に仕事をした経験がない方にとっては、そもそも「ロジ」ってなに?路地?ロジックの略?…???
という感想だと思います。

これはおそらく公務員の業界用語、あるいは霞ヶ関用語でして、
「段取り、運用、デリバリー、事務処理…」といったニュアンスの言葉だとご理解いただければと思います。
一方で「サブ」という用語もあり、
こちらは「方針、戦略、施策、コンテンツ…」といったニュアンスの言葉になります。
たしかlogisticssubstanceを略したのが語源だったはず…。

例えば、
「明日の国会答弁のサブはA課長とB課長補佐で詰めていくので、C係長とD君はロジをよろしくね」
といった会話が霞ヶ関ではよくされるのですが、
これを翻訳すると
「明日の国会答弁の応答内容や根拠資料などの内容面(=サブ)はA課長とB課長補佐で詰めていくので、C係長とD君は応答内容の省内決裁や関係者へとの情報共有、調整、答弁者へのインプット時間の調整等(=ロジ)をよろしくね」
といった具合です。

なんとなくイメージは掴んでいただけたでしょうか…?

「ロジ」業務に対するイメージ

ところで、この「ロジ」業務、公務員界隈ではとにかくみんながやりたくない仕事の代名詞といっても過言ではありません。

かくいう私も、公務員時代に上司から「ロジは宜しくね」と言われる度に憂鬱な気分になっていました。

公務員、特に霞ヶ関で働こうとする方は、やはり政策の中身や方針の策定に携わることこそ本懐であるという方が多く、且つ役所にはありとあらゆる業務において細かなルールが本当に多いため、出張の旅費一件を精算するにもかなり煩雑な手順や手地続きを経ねばならないというのが常です。

そんなわけで、公務員の中で「ロジ」というのは、
「仕事の本筋ではない上に、ただただ面倒な仕事」
というイメージを持たれることが大多数だと思います。

ロジ能力は意外に民間企業の仕事で「生きる」?

公務員界隈、役人自身にはそのように思われている「ロジ能力」ですが、自分自身が民間企業に転職した経験から申し上げると、
「そんなに捨てたもんじゃないぞ」
というのが率直な意見です。

私自身も、役人時代は「こんな何のスキルアップにも経験値にもならなそうな面倒なだけの仕事…」と常々思っていましたが、
こうした段取りや運用能力は民間企業での仕事でもとても重要です。

むしろ、ポジションや職種によってはロジ能力如何が、仕事ができるか否かに直結する場合もあります。

自分自身の例ばかりで恐縮ですが、
私は現在社内で「業務設計」という類の職種に就いていますが、これは「ロジを徹底的に詰め切る仕事」と言っても過言ではありません。
例えば何か社内で新たなサービスを打ち出そうとした場合、

…なコンセプトで
お客様の…を改善するために
……を提供するサービス立ち上げる

といった企画戦略・方針の部分が最も大事に思われますが、
いくら理想や綺麗ごとを並べて新サービスを企画しても、それがしっかりとお客様のもとにあるべき姿で届き、意図した効果が発揮されなければ何の意味もありません
ここで肝になってくるのが、
それをどのような体制やツール、業務フローで運用していくかという業務設計の部分です。

役人の仕事に引き戻して表現すると、
作成された国会答弁や想定問答、参考資料といったコンテンツ(=サブ)を、

  • 限られた時間の中で

  • ミスなく(修正の反映や資料のバージョンの管理など)

  • しかるべき人間の決裁を経て

  • 完成し、翌朝答弁する人間の手元に届く(さらに言うと頭に入り)

ためにはどうすべきかということを徹底的に考えなければなりません。

一見すると、
「答弁内容を記載したワードファイルをメールで添付して順番に決裁者に回していけばいいや」
くらいに思えてしまいますが、

  • 途中で修正が入ったら誰がどうやって反映し、どこに保存して次の決裁者に回すか

  • 修正内容の履歴は残すのか残さないのか

  • 決裁者が不在の場合はどうするか、またどうやって決裁者不在を検知するか

…などなど、
限られた時間の中で国会答弁というコンテンツ答弁者という名の顧客にミスなく遅滞なく届けるためには、どこにどんな罠が潜んでいて、それをどうやって事前に回避するかということを考え抜いて、運用ルール等を決めていく必要があります。

これっておそらく民間企業において自社のサービスをどのように顧客に届けていくか。
あるいは社内の情報共有や経理処理等をいかにミスなく効率よく進めていくか。
といった話を根本的には同じであり、
私のように業務設計を主とする職種でなくとも仕事の至る所に必要な発想ではないかと思います。

ですので、ただのロジ業務だと侮ることなかれ、
日々の仕事の中で
「もっと効率よくできないか」
「いつも同じところで遅延やミスが起こるのはなぜか」
「もっとここをこうしたらうまく仕事が回るのではないか」
といったことを常に考えながらロジ業務に臨むと、
民間でも生きるポータブルスキルを磨いていくことができると思います。

それでは今日はこのあたりで。
また次回の記事もよろしくお願いします。





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