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空間AI白書

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AI×建築の実験記録をまとめた「空間AI白書」の各章をまとめたマガジン。
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2025年1月の記事一覧

AI設計論|喋る画像と集団芸

AIによって切り開かれる空間デザインの可能性について考えるノート。4回目の切り口は"意味"。「生成画像の特徴は集団デザインの在り方も変わるんじゃないか?」という話し。 分散型クリエイティブの難しさ分散型で働くことが一般的になり、個人の働き方の自由度が増した一方で、共同作業の難易度は上がったと思います。特に、感覚的な共有が必要なクリエイティブ業界では、難易度の高い課題で、どう向き合っていくか個人的な興味があります。それについて考えます。 生成画像は喋る画像さて、AIの話しで

AI設計論|広域越境デザイン

AIによって切り開かれる空間デザインの可能性について考えるノート。3回目の切り口は"解釈"。「AIの理解力と統合力がデザインジャンルの横断を加速させるんじゃないか?」という話し。 空間デザインにおける越境の歴史たとえば、ル・コルビュジエは美術や彫刻の要素を空間に取り入れ、フランク・ゲーリーがコンピュータサイエンスを設計に取り入れたように、空間デザインは、これまでもアートや多様な異なるジャンルからの影響を受けながら進化してきました。建築に限らず、デザインは昔から領域を横断して

AI設計論|超並列プロセス論

AIによって切り開かれる空間デザインの可能性について考えるノート。2回目の切り口は"幅"。「不可逆性の高いデザインでも、並列の思考の重要性が増すんじゃないか?」という話し。 不可逆性の高さから生じる線形思考他のデザインと比べて建築デザインが持つ特徴の1つが不可逆性の高さだと思います。多くの場合、スケッチのような抽象的な検討から徐々に具体化に積み上げていくデザインプロセスを踏むのは、この不可逆性に起因している気がします。藤村龍至先生の「線形プロセス論」はこの思考を体系化したも

AI設計論|量から生まれる質

AIで切り開かれる空間デザインの可能性について考えるノート。初回の切り口は"量"。「AIが生み出す"量"を巧みに扱えば非言語なデザイン業務ができるんじゃないか?」という話し。 コンセプトを決めないでデザインをするAIの"量"を活用したデザインを実践した例の1つが、昨年公開した家具"NO NAME"です。 ざっくりサマると といった感じ。今回はここから踏み込んだ内容です。 これまでにもあった"量"から生まれたデザインNO NAME取り組み時に「小さな風景からの学び」が脳