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人下関係と正規分布




あゆみ野クリニック心療内科には、パワハラなどとは別に「職場の人間関係」で傷つく人が結構いる。そういう人にいつも私が示すのが、「正規分布グラフ」だ。




さて、これは正規分布というものです。およそ集団は、一定の数以上になると、大抵このように正規分布します・・・人間の集団も工場で生産されるネジであっても。


無論今私はネジの話をするわけではないから、これをあなたの職場の人間集団だと思ってください。さて、このグラフの左右に2本、このように縦線を引き(だいたい上の図だと-2と+2のあたりに縦線を引く)、この山を三分割します。



左端と右端の面積は狭く、真ん中は広い。



この左端は、「あなたと馬が合う人々」です。この人々とあなたとは、自然に馬が合う、仲がよくなれる。この人々は何かあれば、あなたを守ってくれる人々だから、大切にしなさい。



山の真ん中のこの一番面積が広いところは、あなたにとって「どーでもいい人たち」です。人間集団の大半は、あなたにとって「どーでもいい」のです。この人達は、敵に回さなければ良い。愛想笑いを浮かべて「そだねー」と言っておきなさい。それでいいんです。



では右端は何か?それは、もうおわかりと思うが、「あなたとは一切気が合わない人々」です。この人達に対して、あなたは一切気を遣わなくて宜しい。なぜなら、いくら何をあなたが努力したところで、この人々とあなたは絶対に、気が合わないからです。出来る限り無視しなさい。できる限り離れること。もしどうしても職務上情報伝達が必要なら、出来ればメール。あるいは門切り口上の事務的連絡に留め、それに対して向こうが何を言おうが、無視するんです。なぜならこの人々とあなたとは、何をどうやってもお互いに馬が合わないし、必ずお互い嫌いあうんですから。



と説明して私は患者の顔を見、



「思い当たるでしょ?」とにやりと笑う。



これで一件落着してしまう、と言うことも良くある。特に、40以降の人だとそう説明した途端、



「ああ、そうだった」と気がついて、治療終了と言うことは多い。



だが実は患者に対する説明はここまでだが、私の腹の内にはまだその先がある。「自分と絶対馬が合わない、何をどうやっても意見も感情も合わない相手」は私の敵だ。向こうが向かってこない限り無視するが、いったん向こうが刃向かってくれば、私は遠慮会釈一切なく、その敵をたたく。「叩き潰す」のだ。



どのみち奴らと私は、「生まれながらの敵」だ。だから絶対、上手くなどやれない。しかし彼らが私に刃向かってこなければ、私はなるべく彼らとは関わらない。しかし奴らがもし私に刃向かってきたら・・・?



叩き潰すのだ。


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