ペニシリンがない!
今医療界では、「ペニシリンがない」という深刻な事態に直面しています。それは、政府がペニシリン(アモキシシリン)一個の公定薬価を10.1円、ざっと10円に下げたからです。ペニシリンの原料は主に中国からの輸入です。原材料中国から輸入して、国内で製材してカプセルに詰めて、流通に乗せて問屋を介して全国の薬局に配って薬局がそれを売る。その価格が10.1円。
10.1円で買えるものってあります?あめ玉一個だって買えません。ところが人の命に関わるペニシリンが一個10.1円なんです。作れないのです。
政府はペニシリンというものは10.1円という価格では作って提供出来ないと知らないわけではありません。知ってるんです。知っていてこう言うことをしています。
おそらく政府の狙いは、こう言う安くて日常的な薬は医療保険から外したい、と言うことなのでしょう。政府は何回も漢方薬や湿布を医療保険からはずそうとしましたが、そのたびに国民から大反対が起き、出来なかった。
でも薬価なら、毎年政府が非常に事務的に決められます。役人レベルで決められる。そこに目を付けたんだと思います。保険薬価では作れない位薬の公定薬価を下げれば、なし崩し的にそういう薬は保険から外れると考えついた「頭が良い」役人がいたんでしょう。
しかしですよ、咳止めならまだいい。咳止めも今保険診療では出せません。それは咳止め一錠が5.7円だからですが、咳止めならドラッグストアで実費で買ってくれと言えます。買うか買わないかは患者本人の判断ですが。
しかしペニシリンは違う。抗生物質であるペニシリンが手に入らなければ、肺炎の患者は治せない。肺炎治せなければ患者は死ぬんです。
いくら何でも、度を超えています。これはない。こういう政府は、ともかく引きずり下ろすしかない。ペニシリンが無いから肺炎の患者が死ぬって、戦前の世界ですよ。いくら何でも、こういう政府はダメだ。
人生初の街頭講演「ペニシリンがありません」。お聴き下さい。