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Python × Excel 業務効率化シリーズ #2 ─便利な「ライブラリ」で作業をもっと楽にしよう!

こんにちは!前回は基本的な3つの魔法(順次・選択・反復処理)についてお話ししました。
今回は、その魔法をさらにパワーアップする「ライブラリ」についてご紹介します。

「ライブラリ」とは

ライブラリは、よく使う機能がまとめられた「便利ツール集」です。スマートフォンでいえば「アプリ」のようなもので、必要な機能を簡単に追加できます。たとえば、Excelファイルを開いて編集する作業も、適切なライブラリを使えば数行のコードで実現できます。

Excel作業における主要なライブラリ

pandas(パンダス):最も多機能なExcel処理ライブラリ

pandasは、Excel/CSVファイルの読み書きから、データの集計・分析、グラフ作成まで幅広い機能を提供します。以下が基本的な使用例です:

# インストール方法
pip install pandas

# 基本的な使い方
import pandas as pd

# Excelファイルを読み込む
データ = pd.read_excel('売上データ.xlsx')

# データの集計
月別集計 = データ.groupby('月').sum()

# 新しいExcelファイルとして保存
月別集計.to_excel('月別集計.xlsx')

openpyxl:Excel形式の詳細な制御

openpyxlは、セルの書式設定やグラフ作成など、Excelの見た目に関する細かい制御が可能です。

from openpyxl import Workbook

# 新規ワークブックの作成
wb = Workbook()
ws = wb.active

# セルに値を入力とスタイル設定
ws['A1'] = '商品名'
ws['A1'].font = Font(bold=True)

wb.save('新規ファイル.xlsx')

xlrdとxlwt:古いExcelファイル対応

古い形式(.xls)のExcelファイルを扱う場合に使用します。

import xlrd
book = xlrd.open_workbook('古い売上データ.xls')
sheet = book.sheet_by_index(0)
値 = sheet.cell_value(0, 0)

実践例:売上データの自動処理

以下は、複数のライブラリを組み合わせた実践的な例です。

import pandas as pd
from openpyxl import load_workbook
from openpyxl.styles import Font, PatternFill

def 売上レポート作成(ファイル名):
    # データ読み込みと集計
    売上データ = pd.read_excel(ファイル名)
    部門別集計 = 売上データ.groupby('部門').agg({
        '売上': 'sum',
        '利益': 'sum'
    })
    
    # 保存と書式設定
    部門別集計.to_excel('部門別集計.xlsx')
    wb = load_workbook('部門別集計.xlsx')
    ws = wb.active
    
    # スタイル適用
    for cell in ws['1']:
        cell.font = Font(bold=True)
    
    wb.save('部門別集計_書式付き.xlsx')

まとめ

Pythonのライブラリは、Excel作業の効率化に大きく貢献します。作業内容に応じて適切なライブラリを選択することが重要です。
pandasは日常的なデータ処理に、openpyxlは見た目の調整に、そして古いファイル形式にはxlrd/xlwtを使うという使い分けを覚えておくと良いでしょう。

はじめは基本的な機能から始めて、徐々に複雑な処理にチャレンジしていくことをお勧めします。
エラーが発生しても、それは新しい知識を得るチャンスです。
根気強く取り組むことで、より効率的な業務改善が実現できます。

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