パニック障害のはじまり
10年前の冬、私は生まれて初めてパニック障害の発作を起こした。当時の私は中学3年生。最初の発作は確か、昼休み後の英語の授業中に起きた。
首を軽く絞められているような喉の違和感。
授業中にみんなの前で吐いてしまうのではないかという恐怖。教室の閉鎖感。座席も後ろの方だったので、先生にもなかなか体調不良だと言い出せない。気持ち悪い。苦しい。
今まで学校で、というか生きていて感じたことのない不安が襲って、平然を装っていたけど頭の中は病名通りパニック状態だった。
やっと先生に体調が悪いことを伝えて教室を出た。とりあえずトイレに向かったけど吐くことはなかった。でも教室に戻るのが怖くて、トイレの前から動けない。
しばらくトイレに籠っていると、同じクラスの友達が私を迎えにきてくれた。「大丈夫?」と言われ、「うん」と返事をしたが何も大丈夫ではなかった。が、私はこのままトイレにいても仕方ないと思い、とりあえずまた教室に戻った。
英語の授業をなんとか乗り越え、その後の数学の授業中も辛かったが、友達が「あとちょっとやから頑張ろう」と応援してくれたので受けて帰った。帰った後の記憶はない。
次の日学校には行ったが、昼休みまでには早退した。中学生活3年間で一度も早退なんてしたことがなかったし、受験前の大事な時期に体調不良になって、精神的にも辛かった。
家に帰って学校で食べるはずだったお弁当を口に運ぶが、全く喉を通らない。頑張って嚥下しようとしても飲み込めない。喉が閉まっているような、何かが詰まっているような感覚だった。
一日寝たら治ると思っていたが、むしろ日を追うごとに悪化していった。今まで風邪すらあまり引かない人間だったのに。
高校受験はというと、私立はなんとか合格したが、本命の公立は、受験中にリタイアしてしまい不合格となった。今でこそ両親には申し訳ない気持ちでいるが、当時の自分はそんな気持ちでいられないほど余裕がなかった。
ちなみに高校入学後は体調不良により保健室登校をしていた。高校入学後の話はまた別の記事で書く。
…この出来事から10年経った現在。未だに寛解はしていない。薬も毎日ではないが3種類以上は服用しているし、薬を飲んでも呼吸ができなくなったり、吐き気を催したり冷や汗をかいたりと発作が起きる時もある。
パニック障害を理解して欲しい、受け入れて欲しいとまでは思わない。でも「あ、こういう人もいるのね」ぐらいに思っていてくれたらそれでいい。「可哀想」「なんか気持ち悪い」「病気の人と友達、家族にはなりたくないな」と思われてもいい。ただひとつだけ言いたいのは「他人事ではない」ということ。それだけだ。
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