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エンジニアからプロダクトマネージャーにジョブチェンジするためにしたこと・考えたこと

この記事ではエンジニアがプロダクトマネージャーになるために考えたこと、また実際にfreeeのプロダクトマネージャーになって感じたことをご紹介します。

この記事を読んでほしい方々

  • 今Eng、SIerとして働かれていて、これからfreeeのPdMになることを考えている方々

  • PdMとPjMの違いをあまり知らない方々

この記事で用いる用語

  • Eng:エンジニア

  • SIer:システムインテグレーター

  • PdM:プロダクトマネージャー

  • PjM:プロジェクトマネージャー

自己紹介・経歴

自己紹介

初めまして。2022.8~ freeeにJoinし、現在API領域のPdMを担当している”とも”といいます。今はPdMとして働いておりますが、今年の7月まではEngとして別会社で働いておりました。私はPdM経験はまだ3ヶ月しかないので、”PdMに必要なスキル”的な現役バリバリのPdMの方々のためになる話は書けません。ですが転職したての身として、自分のようにEngからPdMへのジョブチェンジを考えている方々には何かヒントをお伝えできるかなと思い、このNoteを執筆しました。今回はfreeeに来てPdMにジョブチェンジする上で考えたこと、また転職をする上で行ったことをご紹介したいと思います。

簡単な経歴

1995年3月 元気な男の子として生まれる。
2018年4月 保険系のSIerとして就職 主にシステムのインフラ開発に携わる
2022年8月 PdMになるべくfreeeに転職をする

なぜPdMになりたかったか

WhatとWhyに関わりたかった

私がPdMを目指したのは、モノづくりの”What”や”Why”にも関わりたいと思ったからです。
元々私は”自分でモノが作れるようになりたい”という思いがあり、保険系のIT会社でSIerとして働いていました。文系出身だったため初めは”サーバーってなんだ”から始まりましたが、興味があることには勉強熱心だったこともあり、1年後にはITがとても好きになりました。そしてエンジニアとして4年半過ごす中で、ITのモノづくりには3W1Hがあるということがわかるようになりました。

私が考える”ITのモノづくり”における3W1H
 
What:なにをつくるか
 Why:なぜつくるか
 When:いつつくるか/どれほど時間がかかるか
 How:どのようにつくるか

私が考える”ITのモノづくり”における3W1Hの図
私が考える”ITのモノづくり”における3W1Hの図

さて、エンジニアは上記の内HowやWhenに強く関与します。顧客の要望を要件に変え、どうやって実装をするか(How)、それをいつまでに作るか(When)の調整を行います。
ですがWhat(なにをつくるか)やWhy(なぜつくるか)への関与は限定的になります。これは特にサービスの持ち主が自社では無く顧客であるときに強い傾向があると思います。
4年半のキャリアを振り返ったとき、私が入社時に目指した”0→1でモノづくりができる人間”を真に目指すにはWhatやWhyもこなせるように成長しなければいけないと思い、自社サービスを持ったPdMへの転職を検討し始めました。

転職活動の流れとポイント

大まかなタイムライン

3月:転職サイトに登録&自身の経歴・志望動機などを整理
4月:会社探し、一次面談
5月:最終面接、そしてfreeeへの入社が決定
7月:有休消化のため念願のブラジルへ
8月:freeeへ入社

上記のタイムラインで転職活動を行いました。通常の転職活動と比較して大きな特徴はないと思いますが、特に3月の準備段階が重要だったと思います。

やって特によかったこと

PdMという職業についてたくさん読む
PdMという職業は日本では比較的新しい職業になります。人数は少ないものの、仕事の内容・方法論ついてはたくさんの分析がされています。なぜPdMになりたいか、PdMになったら何をしたいかをうまく言語化するために記事や本をたくさん読みました。この経験は逆質問でもかなり活きたと思っています。

おすすめの記事3選

  1. エンジニアからPMに転換した際にハマったこと・感じたこと
    メルカリのEngがPdMに転向した際の話。

  2. プロジェクトマネジャーからプロダクトマネジャーへの転向に必要な3つの変化
    混同しがちなプロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの違いを整理するのに有用でしたでした。

  3. INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント
    そもそもプロダクトマネージャーってなんだを理解するのに必要な本

たくさんの企業を受ける
PdMを目指す方はたくさんの企業を受けることを強くお勧めします。例えば”コンサルタント”であれば企業によってその仕事内容に大きな差はないのではないかと思います。ですがPdMは新しい職業ということもあり、企業によって業務内容や必要なスキルは大きく異なります。たくさんの企業を受け、仕事内容を比較して自分がより求めている職務を選ぶのは大切だと思います。

複数のサイトを使う
これはPdMに限ったことではないですが、転職活動は複数サイトを利用することが必須だと思っています。理由は二つで、①転職サイトによって特徴があり、紹介できる企業の種類にかなり差があるため②リクルーターには合う合わないがあり、自分に合う人を探すには色々会ってみなければならないからです。
完全に個人的な主観ですが、Eng出身の私はレバテックが利用しやすかったです。IT業界への知見、またプロダクトマネージャーという職業への理解が深く他社と比べて紹介頂けた企業が自分の希望に近かったです。

面接官に聞かれて印象的だった4つの質問

面接ではたくさんの企業からたくさんの質問を頂きました。特に印象的だったものをご紹介します。

好きなオブジェクトストレージサービスはありますか?

Eng出身のPdMにはEngスキルがある程度は期待されています。深いITスキルが求められている訳ではありませんが、技術に対して理解を持ち、それを技術出身ではない人に丁寧に説明できるコミュニケーションスキルを見られていたのではないかと想像します。

最近UXが良いと思ったプロダクトはありますか?

PdMはプロダクトをマネジメントするお仕事です。普段からアンテナを貼り、面白いプロダクトに興味を持っているかは重要な要素です。
他社でのケースを積極的にリサーチしているPdMには優秀な方がとても多いように感じます。

こういった問題があった際、あなたであればどのように解決をしますか?

ケース面接とも呼ばれるものです。
PdMは毎日のように”結論を出す仕事”が降ってきます。結論を出すのは一人ですが、結論を出すまでには様々なステークホルダーと調整を行います。この調整〜解決の間に、どのようなアクションを取るかが重要なポイントになるとPdMになって理解できました。
またたくさんのPdMと並列する組織に入り気がついたのですが、PdMによってマネジメントスタイルが様々です。自社の組織に合うようなマネジメントスタイルを持っているか見られていたのではないかと想像します。

あなたの会社のコストを50%減らすならどのように取り組みますか?

この質問ではロジカルシンキング、また会社・業界に対してどれほど主体的に向き合えているかを見られていたと想像します。PdMはプロダクトの未来を考え意思決定をする仕事です。将来業界がどうなっていくかを考えた上で意思決定をできるかが重要であり、それを見られていたのだと想像します。

大切にしていた2つの逆質問

どんな面接にも逆質問の時間があります。PdMを目指す上でで私は2つの質問を大切にしていました。

PdMにとって一番大切なことはなんだと思いますか?

どの面接官の方にもこれだけは伺っていました。答えは十人十色で、企業のカラーが強く出たと思っています。決して正解はないのですが、”企業のカラー”・”その企業で求められているPdMの業務範囲”を知るためにとても有用な質問でした。

どんなスピードで開発をしていますか?

企業によっては”プロダクトマネージャー”と銘打っているものの、実態は工数調整を強く求められる”プロジェクトマネージャー”に近いポジションもありました。自分が真に求めていた”WhatやWhyに集中する仕事”かを知るために開発のスピードは常に伺っていました。例えば一年以上の単位で開発をする組織の場合、”どんな機能を作ろう”の判断は一年に一度しか行えません。開発スピードが早い企業であるほど、意思決定の機会が多いと想像します。

freeeのPdMをなぜ選んだか、そして現在の心境

なぜfreeeのPdMを選んだか

何回かの面接を経て私はfreeeのAPIチームのPdMのオファーを頂きました。他にも選考が進んでいた企業は何社かあったのですが、すぐに決定しました。数あるPdMポジションの中でfreeeを選んだ理由は二つです。

これからの日本にかけがえのない企業だと思ったから
私は両親が転勤族で、計8年ほど海外に在住していました。イギリスやメキシコ等たくさんの国々で過ごした結果、自分は人一倍”日本っていい国だな”と思う経験をたくさんしてきました。そのためどんな業種であれ、必ず”他の人にも日本を良い国と思ってもらえる仕事”に携わりたいと思い、それを一つの軸に就職活動をしていました。freeeは”スモールビジネスを世界の主役に”をミッションに掲げ、日本のスモールビジネスの活躍に真摯に向き合う企業です。その優しさに強く惹かれfreeeを志望しました。

優しくて優秀な人がたくさんいたから
二つ目はありきたりな理由ですが、人に惹かれたからです。freeeのPdM採用の面接は全てPdMの方々がされます。面接でお話しさせていただいたどの方々もバックグラウンド・今やっていること・将来のビジョンが面白く、また優秀でありながら皆優しいことが非常に魅力的でした。月並みな言葉ですが”この人たちと一緒に働いてみたい!”と心から思える方々がfreeeには沢山いらっしゃり、それは採用された今でも感じていることです。

freeeのPdMになって驚いたこと

Whatをメチャメチャ考える
嬉しい驚きなのですが、freeeのPdMはとにかく意思決定の瞬間が多く訪れます。まだ入社二ヶ月ですが”こんなに私が決めてしまって良いの?”と心配になるくらいたくさんの意思決定をさせて頂きました。転職活動で一番求めていたことだったので、この点はとても嬉しかったです。

Whenへの責任が圧倒的に少ない
SIerからPdMにジョブチェンジをする上でこの点が最も驚いたことでした。特に金融系のSIerの方は共感頂けると思いますが、SIerは”いつまでにAが終わり、いつまでにBを決める”といった工数調整が重要な仕事の一つです。ですが現在のチームでは大まかな期限の設定はするものの、実際の工数調整は全てengの方々が行います。PdMの最大の仕事は”タスクの優先度の決定”であり、それをいつまでに終えるかはEngが裁量を持っています。

実装はふわっとわかっていれば良い
実装に対する理解は深く求められていないことも驚きでした。freeeのPdMはエンジニア出身の方だけではありません。公認会計士、政府のお仕事、カレー屋さん、様々なバックグラウンドを持った方々がいます。それぞれがそれぞれの強みを活かし、”プロダクトのあるべき姿を描く”仕事をしています。PdMに求められていることはEngに“〇〇のために〇〇を実現してほしい”というWhatとWhyを伝えることであり、その “How”には関わりすぎないくらいが丁度良いと学びました。

いきなり大仕事が降ってくる
これはfreeeならではですが、在籍期間に関わらずやる気があれば色んな仕事にチャレンジをさせてくれます。入社二ヶ月目にして、私はとある海外企業のトークセッションの通訳をさせて頂きました。freeePdM数十人の前に立ち、世界有数の起業家の話を翻訳、伝える仕事はとても刺激的で数多くの発見がありました。詳細はまたの機会に。

社内イベントに登壇している様子
入社二ヶ月目で大仕事が降ってきた私

終わりに

SIerはPdMに向いていることが多いと思う

PdMになってまだ三ヶ月ですが、そんな私でも”SIerはPdMに向いているのではないか”と思う瞬間がたくさんあります。その理由は次の二つです。

テックは程々でよい。コミュニケーションが鍵
SIerの方々は共感いただけると思いますが、優秀なSIerの多くは必ずしもプログラミング能力が高いわけではありません。顧客との間に立ち、”要求を要件に変え、それをコーディング担当に伝える・スケジュールを調整する”という仕事をいかに上手く行うかがSIerにとって重要となります。SIerは要件を作成する責任はPdMに比べて少ないですが、”伝達をうまく行う”という意味ではPdMと共通する要素が非常に多くあると思います。

たくさんのことを同時に回す必要がある
またPdMはSIerと同じように、たくさんの情報をたくさんの人に回す必要があります。”たくさんのステークホルダーと協業して意思決定をする”という観点からもPdMはSIerに向いているお仕事ではないかと思っています。

是非freeeにきてね

この記事をきっかけにEngやSIerの方がPdMという職業に興味を持っていただければ嬉しいです。そしてPdMを目指す方にとって、freeeは心からおすすめできる会社の一つです。よろしければまずはカジュアル面談からでも是非ご検討ください!


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