【おとなの学び方】(4) メモを取る
2023年9月30日(土)
私たちは小学生の頃からさまざまなスキルを習得していきます。その中でも、死ぬまで役に立つスキルはなんでしょうか。私は、「話すこと、書くこと」だと思っています。このスキルを実行している人は、いつまでも生き生きとしているように見えます。
この「話すこと、書くこと」のスキルの根底にあるのが「メモを取る、ジャーナルを書く」というスキルだと思います。
紙ナプキンに書きつけたアイデアはすごいものに成長しそうな気がする
レストランや喫茶店で話をしていて、いいアイデアを思いつくと、そこにある紙ナプキンにメモを取ることがあります。もちろんカバンの中にはメモ用のノートパッドがあるのですが、それをガサゴソと取り出しているうちに、そのひらめきを忘れてしまうかもしれないのが怖いのですね。だから、すぐそこにある紙ナプキンにメモをとる。まあ、ボールペンはカバンから出さなくてはならないのですが。
紙ナプキンに書きつけたアイデアは、なんだかすごいものに成長しそうな気がします。あくまで「気がする」だけですが。
私は自分の自動車にもボールペンとメモ用紙を常備してあります。なぜか車を運転していると色々なアイデアを思いつくのです。思いついたら、信号で止まるまで頭の中に保持しておいて、止まったらメモに書きつけます。
こうして書いたメモはなんだかすごいものに成長するような気がします。しかし、すべてのメモがそうなるわけではなく、良いアイデアというのは、10個のうち1つくらいでしょう。それは、紙ナプキンに書いたメモをノートに写すときに明らかになります。
書いたときにはあんなにキラキラしていたアイデアが、写す段になると、それほどでもないということがわかるのです。そしてその多くはそのまま捨てられるのです。でも10個のうち1つでも育ちそうなアイデアがあれば、十分ペイするのです。
ポストイットのメモは文章にしないと価値判断ができない
一人でいて何か思いつくと、75mm四方のポストイットにメモを書きます。一方、他の人と一緒にいて、その話のメモを取るときはノートパッドに書きます。話をメモするときは、その流れがあるので紙は大きい方が便利です。対して、一人の思いつきは断片的ですので、ポストイットがちょうどいいのですね。
書いたポストイットはしばらくぶらぶらさせておきます。私の場合は、机に貼り付けておきます。しばらく置いて、そのままゴミ箱に行くものもあります。机の貼り付ける場所がなくなってくると、古いメモを選んで捨てていきます。
その中でも生き残るメモは、ノートに文章としてまとめておきます。メモから文章にしておかないとアイデアとして良いものなのかどうかの判断ができません。だから多分メモしただけではまずダメで、それを元にして文章にしないと意味がないんだと思います。
私の授業でも、ポストイットを使ってアイデアを出すようなグループワークをします。ひととおりアイデアが出尽くしたあとで、ポストイットをホワイトボードに張り出して、整理し、ラベルをつけ、互いの概念を関連づけるという作業をします。たいていはそのあと簡単に口頭で説明してもらうというステップで終わります。
しかし、本当は、そのホワイトボードを素材として、メンバー各自が文章化するという作業が重要なのではないかと思っています。文章化の作業が入らないと「いろいろな考えが出て、まとめてよかったね」で終わってしまいます。ですから、最後にそれぞれが文章にするべきなのです。
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